資金繰りを改善したい・融資を受けたいと考えているのなら、便利な制度があります。自社に合った制度を見つけ、ぜひ積極的に活用してみましょう。
本記事では、製造業の資金繰り改善や融資に役立つ制度について紹介していきます。
活用にあたってのヒントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
資金繰り改善・融資に役立てられるのは、以下4つの制度です。
【資金繰り改善】
【融資】
それぞれの概要やメリットなどを見ていきましょう。
「経営改善計画策定支援」は、専門家の支援を受けて金融支援をともなう本格的な経営改善計画を策定する場合に、必要な費用の2/3を補助する制度です。
「まずは資金繰りを含めた経営課題の見直しだけ行いたい」という中小企業経営者・小規模事業者も多いのではないでしょうか。そんなときに使える制度が、経営改善計画策定支援です。
制度を利用するにあたっては、国の指定を受けた専門家による支援を受ける必要があります。
経営改善計画策定支援での補助額は枠によって違っており、以下のとおりです。
対象枠 | 補助額 | 補助率 |
通常枠 | 経営策定にかかる費用……上限200万円 伴走支援にかかる費用……上限100万円 | 2/3 |
中小版GL枠 | 経営策定にかかる費用……上限300万円 伴走支援にかかる費用……上限100万円 | 2/3 |
(参考)経営改善計画策定支援事業(経営改善計画策定支援)に関する手引き
経営改善計画策定支援は、金融支援をスムーズに受けられるのが特に大きなメリットです。また、制度を利用すると、3年間専門家から経営改善のアドバイスを受けられます。
ただし対象となるのは、財務上の問題があり、金融支援を希望している事業者です。
要件に該当する場合は、制度の活用を検討してみましょう。
早期経営改善計画策定支援は、中小企業が資金計画・ビジネスモデル俯瞰図などの経営改善計画を策定するにあたり、費用の2/3を補助する制度です。経営改善計画策定支援よりも補助額は下がりますが、財務上の問題がない中小企業・小規模事業者でも申請できます。
補助額 | 補助率 |
計画策定支援に係る費用……上限15万円 伴走支援にかかる費用……上限5万円 | 2/3 |
(参考)経営改善計画策定支援事業(早期経営改善計画策定支援)に関する手引き
早期経営改善計画策定支援は、自社が抱える経営課題を見直しできるのが大きなメリットです。また、1年後に専門家からフォローアップが受けられるというメリットもあります。
経営状況によっては、経営保証の解除も可能です。
早期経営改善計画策定支援については、以下の記事でもくわしく紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。⇒早期経営改善計画の4つのメリット!
中小企業等経営強化法にもとづいて策定されたのが「経営革新計画」です。経営革新計画で都道府県知事からの承認を受けると、資金調達を始め多くのメリットがあります。
計画の承認を受けるには、以下の手続きが必要です。
特定事業者として経営革新計画の対象となる会社および個人の基準は次のとおりです。
業種 | 従業員基準 |
製造業等 | 500人以下 |
卸売業 | 400人以下 |
サービス業 | 300人以下 |
小売業 | 300人以下 |
製造業の場合、設備投資には多額の費用がかかります。そんなときに資金面での援助が期待できる制度です。
経営革新計画で都道府県からの承認を受けると、次のメリットがあります。
保証・融資の優遇措置 | ・信用保証の特例 ・日本政策金融公庫の特別利率による融資制度 ・高度化融資制度 ・食品等流通合理化促進機構による債務保証 |
海外展開に伴う資金調達の支援措置 | ・スタンドバイ・クレジット制度 ・クロスボーダーローン制度 ・中小企業信用保険法の特例 ・日本貿易保険(NEXI)による支援措置 |
投資 | ・起業支援ファンドからの投資 ・中小企業投資育成株式会社からの投資 |
販路開拓を行う場合の支援措置 | ・販路開拓コーディネート事業 ・新価値創造展 |
手続きには手間がかかるものの、上記のように多くの支援を受けられるのが経営革新計画です。融資や資金調達を受けたいと考えているのなら、積極的に活用を検討してみましょう。
経営革新計画についても詳細を紹介している記事がありますので、ぜひチェックしてみてください。⇒資金調達をはじめとした様々な恩恵が受けられる“経営革新計画”とは?
中小企業が設備投資を通じて労働生産性の向上を実現するために行うのが、「先端設備等導入計画」です。設備の導入先となる市区町村が「導入促進基本計画」を作成している場合に認定を受けられます。
先端設備等導入計画でのおもな要件は次の3つです。
認定を受けると、税制支援や金融支援などの支援措置を活用できます。
先端設備等導入計画で認定を受けると、以下のようなメリットがあります。
また、先端設備等導入計画では、賃上げ方針を表明すると、さらに固定資産税が軽減される年数・減税額が増えます。固定資産税が軽減されるのは、企業にとっては大きなメリットです。
信用保証の別枠での追加保証措置では、より大きな金額での融資が受けられる可能性もあります。
先端設備等導入計画について紹介している記事もありますので、ぜひご確認ください。⇒先端設備等導入計画で固定資産税が最大で1/3に!そのメリットと申請方法を解説
各種制度を活用すると、資金繰り改善や融資などに役立てられ、業績の向上へとつなげられます。
しかし「手続きが煩雑でわかりづらい」と感じている経営者も多いのではないでしょうか。
制度は改定される場合もあるため、申請時には常に最新の情報を確認しなくてはなりません。承認されると多くの支援が活用できるようになるものの、ハードルが高く、承認率が低い制度もあります。
そんなときは、補助金や助成金などの申請支援を行っている専門家に相談する方法があります。
各種制度の申請で承認を受けるには、ポイントを押さえて書類を作成しなければなりません。
まずは申請の要件を満たしているかというところからの相談も可能です。制度の活用を考えているのなら、ぜひ専門家によるサポートを検討してみてはいかがでしょうか。
また、補助金を活用できるかどうか不安な場合は、以下のページから診断できます。
最短15分で診断結果レポートを提供いたしますので、ぜひご活用ください。
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