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最大2500万円!東京都の新製品・新技術開発助成事業の対象事業・助成率を解説


東京都内の中小企業者の方は、最大2,500万円の助成金を受け取るチャンスです。

東京都の新製品・新技術開発助成事業が昨年度に引き続き公募されることが決まり、助成上限額が1500万円から2500万円へと大幅に引き上げられるようになりました。

本記事では、東京都の新製品・新技術開発助成事業の対象事業や助成率などについて詳しく解説していきます。


目次

1 東京都の新製品・新技術開発助成事業とは

 1-1 助成対象者・対象要件

 1-2 対象事業

 1-3 達成目標とは

 1-4 助成対象経費

 1-5 助成上限額・助成率

2 スケジュール・申請方法

 2-1 スケジュール

 2-2 申請方法

3 賃金引上げ計画とは

 3-1 賃金引上げ計画の流れ

 3-2 賃金引上げ計画の要件

まとめ


1 東京都の新製品・新技術開発助成事業とは

引用:公式チラシ


東京都の新製品・新技術開発助成事業は、都内で新製品・新技術の研究開発に取り組む中小企業者等に対して経費の一部を助成する制度です。
本助成事業を通して、技術力の強化及び新分野の開拓を促進し、東京の産業の活性化を図ることを目的としています。


 1-1 助成対象者・対象要件

新製品・新技術開発助成事業の助成対象者は以下の通りです。


【助成対象者】

1. 東京都内に本店または支店がある中小企業者
2. 東京都内で実質的に事業を行っている個人事業主
3. 東京都内で創業予定のもの

新製品・新技術開発助成事業の助成対象者は、下記のすべての要件を満たす必要があります。


【対象要件】

1. 自社の事業所、工場等であること
2. 原則として東京都内であること
3. 申請書記載の購入予定の物品、開発人員、当該助成事業の成果物等が確認できること

1-2 対象事業

新製品・新技術開発助成事業の対象事業は主に2つあり、いずれかに該当する事業が本助成金の助成対象となります。


1. 製品化・実用化のための研究開発

・研究開発の主要な部分が自社開発であること
・開発した最終成果物(試作品)の製品化及び実用化を目的とすること
・特定の顧客向けではなく汎用性を有すること

(1. 対象事業例)

・遠隔ロボット操作システムの開発
・高性能計測器の開発
・無人店舗運営システムの開発

2. 新たなサービス創出のための研究開発

・サービス創出の主要な部分は、申請者が担うこと
・サービスの仕組みに技術開発要素を含むこと 
・最終成果物(試作品)を自社利用したサービスの提供を目的とすること
・創出するサービスは、一定の新規性があり相当程度市場で普及していない ものであること 

(2. 対象事業例)

・新たなマーケティングサービスに必要な独自の集計ツールの開発
・ビジネスマッチングサービスの仕組みとなる AI 技術の開発
・飲食物配送サービスに活用する特殊コンテナの開発

1-3 達成目標とは

新製品・新技術開発助成事業では、「達成目標」を設定する必要があります。
達成目標の詳細は以下の通りです。


【留意事項】
1. 申請提出後、達成目標の変更はできません
2. 目標は1つ以上(最大3つまで)設定する
3. 目標は助成事業期間内で検証可能であり、第三者が目標への到達を明確に判断できる  ものを定める

(目標の設定例) 新たな保存用タッパーを開発研究している場合 

1. 既存製品と比較して保存期間を30%向上させる
2. 素材構成の割合のうち70%をリサイクルが可能な素材にする
3. 原価率を25%以内に収める

1-4 助成対象経費

新製品・新技術開発助成事業の助成対象経費は、以下の通りです。


助成対象経費ex
①原材料・副資材費鋼材、機械部品、電気部品、化学薬品、試験用部品等
②機械装置・工具器具費試作金型、計測機器、測定装置、サーバ、 ソフトウェア等
③委託・外注費開発、製造・改造・加工、試料の製造、分析鑑定、試験等ユーザビリティテスト、モニター調査等
④産業財産権出願・導入費開発した製品等の特許・実用新案・意匠・商標の出願に要する経費
⑤専門家指導費謝金、相談料等
⑥直接人件費研究開発に直接係る人件費

助成期間終了後、製品の量産に活用することのできる経費は、助成対象外となるので注意が必要で
 す。


1-5 助成上限額・助成率

新製品・新技術開発助成事業の助成上限額・助成率は以下の通りです。


対象者助成上限額助成率(通常)助成率(賃金引上げ計画後)
中小企業者2,500万円1/23/4
小規模事業者4/5

創業予定者の方は賃金引き上げ計画の対象外となるので、注意が必要です。


2 スケジュール・申請方法



2-1 スケジュール

新製品・新技術開発助成事業の事業スケジュールは、下記の通りです。


引用:公式サイト


(現時点の日程)

項目日程
申請受付開始2025年5月9日(金)
申請締め切り2025年6月5日(木)
一次審査(書類審査)2025年8月中旬(予定)
追加書類提出(電子申請)通知後~2025年8月29日(金)(予定)
二次審査(面接審査等)2025年9月中旬(予定)
総合審査2025年10月上旬(予定)
交付決定2025年10月31日(金)(予定)
助成対象期間2025年11月1日(土)~2027年7月31日(土)(予定)

新製品・新技術開発助成事業のスケジュールは変更される可能性があるので、本助成金の公式ホームページより随時確認を行いましょう。


2-2 申請方法


①GビズIDの取得

電子申請システム「Jグランツ」を利用するには「GビズIDプライム」アカウントの取得が必要です。

GビズIDの詳細はGビズIDの公式ホームページをご確認ください。


②申請書類の作成

新製品・新技術開発助成事業では申請にあたり、下記の二つの書類を提出する必要があります。


1. 申請書 

2. 賃金引上げ計画書(賃金引上げ計画を策定し、実施する場合は提出必須)

申請書賃金引上げ計画書の記入方法が分からない方は、記入例を参考にしましょう。


③電子申請

新製品・新技術開発助成事業の電子申請は「Jグランツ」より行います。

電子申請(Jグランツ)の詳細はこちらの電子申請マニュアルをご確認ください。

アクセスの集中により正常な申請手続きが行うことができない場合があるため、アクセスの集中が
 予測される申請締め切り日(2025年6月5日)は避けることが重要です。 


3 賃金引上げ計画とは


新製品・新技術開発助成事業における「賃金引上げ計画」は、助成金の助成率を引き上げるための特例制度です。
賃金引上げ計画を策定し実施期間内において目標値を達成することで、通常の助成率よりも高い割合での助成を受けることができます。


3-1 賃金引上げ計画の流れ

新製品・新技術開発助成事業における「賃金引上げ計画」の流れは以下の通りです。



賃金引上げ計画の実施は通常の助成事業が終了した後に行われます。各フェーズごとの詳細は以下の表の通りです。


項目詳細
助成事業終了最長で2027年7月31日までに終了させる必要があります。
「賃金引上げ計画」開始助成事業終了日の属する月の翌月1日からの開始になります。(2027年7月31日が終了日の場合、2027年8月1日から開始となります。)
「賃金引上げ計画」実施賃金引上げ計画の実施期間は、賃金引き上げ計画開始後最大12カ月間となります。
「賃金引上げ計画」終了賃金引上げ期間中であっても、目標値を達成した場合は計画期間を終了し、達成報告を行うことができます。
実績報告賃金引上げ計画終了後15日以内に、賃金引上げ計画達成報告書を提出する必要があります。
完了検査担当職員が訪問し賃金引上げ計画達成報告書の内容に基づき、完了状況や経理帳票等の確認を行います。
特例助成金額の確定最終的な助成金の確定額は J グランツにて通知されます。
特例助成金交付助成金請求記載の口座に特例助成金が振り込まれます。

※特例助成金の助成額は賃金引上げ計画の実績に基づいて行われるため、目標値を達成して いない企業は助成金額が減額される場合があるので注意しましょう。


3-2 賃金引上げ計画の要件

新製品・新技術開発助成事業における「賃金引上げ計画」の対象となるためには、1〜3の要件をすべて満たす必要があります。詳細は以下の通りです。


1. 中小企業者又は小規模事業者であること

2. 常時使用する従業員が1名以上いること

3. 以下の要件をすべて満たす賃金引上げ計画を策定し、実行すること
  
 (1)賃金引上げ計画期間において常時使用する従業員の給与等総額を基準期間と比     較して2%以上増加させること

 (2)事業実施場所における地域別最低賃金と比較して、+30円以上の水準にすること

賃金引上げ計画の比較対象なる基準期間は、2024年4月1日〜2025年3月31日となります。


【賃金引上げ計画における賃金引上げの実施例】

対象項目基準期間賃金引上げ計画期間増加率・増加金額
給与等総額10,000,000円10,200,000円+2%
最低賃金1,250円1,280円+30円

【常時使用する従業員の内訳】
新製品・新技術開発助成事業における常時使用する従業員の内訳は以下の通りです。


・正規従業員
・アルバイト・パート(予め解雇の予告を必要とするもの)
・2ヶ月以内の期間被雇用者で、当初の雇用期間を超えて勤務しているもの
・4ヶ月以内の季節的被雇用者で、当初の雇用期間を超えて勤務しているもの
・試みの使用期間の者で14日を超えて勤務している者

※代表者や役員は常時使用する従業員には含まれないため注意が必要です。


まとめ

本記事では、東京都の新製品・新技術開発助成事業について解説しました。
新製品・新技術開発助成事業は、最大2500万円の助成額や人件費などの幅広い対象経費が特徴の助成金となります。

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