ものづくり補助金13次の採択結果が発表されました。
これまでの採択結果を元に、13次ではどのような変化があり、どのような傾向があるのか、解説します。
過去のものづくり補助金採択率については、「データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト」で紹介されていますので、そちらも参考にしてみてください。
ものづくり補助金13次の申請件数は、全体で3,319件となりました。
内訳は、以下のとおりです。
ものづくり補助金12次の申請件数が3,254件数なので、前回とほぼ変わりません。
しかし、全体的に見ると、申請件数は減少している傾向にあります。
少し前のものから見ていくと、以下のようになります。
上記のように、5,000件前後から4,000件、さらに3,000件へと少しずつ少なくなっているのがわかります。
同時に、採択率も低下傾向です。
ものづくり補助金13次の採択率は、58.0%でした。
ここでも、第6次の頃から比較していきましょう。
第6次までさかのぼると、採択率は右肩あがりでしたが、第10次を超えてから採択率は低下しています。
しかし、第6次や第7次と比べれば、13次の採択率は高いので、今回も決して採択されにくいと言える結果ではありません。
ものづくり補助金の採択には、いくつかの傾向があります。
採択結果を元に、どのような傾向があるのかを分析していきましょう。
事業計画書の作成時間によっても、採択率が大きく変動します。
作成にかけた時間による採択率を、見ていきましょう。
最も多いゾーンは、40時間~120時間以内です。
30時間以内まで少なくなってしまうと、採択率は下がりますが、120時間以上作りこんだ場合においても、採択率は一気に落ちます。
この結果からわかるように、ただ時間をかければ良いものではありません。
ものづくり補助金に限らず、多くの補助金申請は、締め切りギリギリになって提出されるケースが多いです。
13次に関しても、提出のタイミングは以下のようになりました。
ほとんどが、締め切り日1日前や当日に提出されています。
ただし、早ければ早いほど採択率が上がるといった関係性はありません。
上記のように、最も採択率が低いのは、7日以上前の提出です。
6日前と5日前で大きな差がありますが、5日前からはゆるやかに上がっていき、そこまで大きな変動はありません。
ただし、締め切り日当日は下がる傾向にあるので、少なくとも3~1日前までの提出が好ましいと言えるでしょう。
ものづくり補助金は、主に製造業向けの補助金であるため、業種は製造業が最も多いです。
以下では、申請業種と採択率をまとめました。
業種 | 採択率 |
建設業(1.9%) | 62.0% |
製造業(8.0%) | 70.7% |
情報通信業(2.2%) | 50.0% |
棚卸業・小売業(1.8%) | 46.0% |
学術研究・専門技術・サービス業(1.6%) | 61.1% |
医療・福祉(1.4%) | 36.7% |
サービス業(1.5%) | 52.6% |
その他(2.8%) | 44.7% |
上記を目安にして、採択率の高い「建設業」「学術研究・専門技術・サービス業」などは、今後のものづくり補助金に申請してみると良いでしょう。
従業員の数については、21人以上従業員を雇用しているケースから採択されやすくなります。
以下では、従業員数別の採択率をまとめました。
従業員数 | 採択率 |
0~5人(9.8%) | 46.7% |
6~20人(6.6%) | 65.3% |
21~50人(3.2%) | 71.1% |
51~100人(1.1%) | 70.3% |
101人以上(0.7%) | 70.2% |
0~20人までは、それほど高い採択率ではありません。
21人以上になると、70%以上で安定しています。
ものづくり補助金の採択率を高めるには、加点をポイントとして見ておきましょう。
13次の加点項目は、以下のとおりです。
① 成長性加点:「有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者」
② 政策加点:
②-1:「創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)」
※ 会社成立の年月日(個人事業主の場合は開業日)又は代表取締役の就任日が公募開始日より5年前の日 から応募締切日までの場合に対象となります。なお、個人事業主や組合にあっては「第二創業」の加点は ありません。個人事業主の営む事業を承継する場合は、承継者の「創業」として申請してください。
②-2:「パートナーシップ構築宣言を行っている事業者」
※ 「パートナーシップ構築宣言」において宣言を公表している事業者。(応募締切日時点)
②-3:再生事業者
②-4:「デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況」(デジタル枠のみ)③ 災害等加点:「有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者」
④ 賃上げ加点等:
④-1:「事業計画期間において、給与支給総額を年率平均2%以上増加させ、かつ、事業場 内最低賃金を地域別最低賃金+60円以上の水準にする計画を有し、事務局に誓約書を 提出している事業者」、又は、「事業計画期間において、給与支給総額を年率平均3% 以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+90円以上の水準にする計 画を有し、事務局に誓約書を提出している事業者」に対して従業員数の規模に応じた加 点を行います。
④-2:「被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組 む場合」※ 最大6項目の加点が可能。デジタル枠に限り、最大 7 項目の加点が可能。
引用元:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
※ 加点項目については、エビデンスとなる添付書類を提出し、各要件に合致した場合にのみ加点されます。
加点による採択率は、以下のとおりです。
当然、加点が多ければ多いほど採択率はあがりますが、注目しておきたいのが加点2個の採択率です。
加点0~1個は50%前後ですが、加点2個になると70%以上まで採択率が高まります。
そのため、ものづくり補助金の申請においては、加点を一つでも多くとることが重要だと言えます。
今回は、ものづくり補助金13次採択結果のデータから、いくつかをピックアップして分析しました。
今回紹介したように、採択率には、いくつかの傾向があります。
これらの傾向は、13次だけではなく、過去をさかのぼってもほぼ同じ傾向なので、採択率を高めるための参考になるでしょう。
それでももし不安な場合は、補助金の専門家に相談してください。
より具体的に、採択率を高めるためのアドバイスを致します。
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