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板橋区の生産性向上に資する設備導入助成事業助成金を解説

中小企業の景況は回復傾向が見込まれていますが、エネルギー価格高騰や円安の影響が長引いており、生産性向上が求められています。

今回はポストコロナ時代に向けて新たな事業を展開するための東京都板橋区の助成金を紹介します。




目次

  • 生産性向上に資する設備投資助成事業助成金とは
  • 助成金内容
    • 助成対象者
    • 助成対象事業
    • 助成対象設備経費
    • 助成対象外設備経費
    • 助成率と助成限度額
  • 申請手続き
    • 申請受付期間
    • 申請から交付までの流れ
    • 提出書類
  • 助成金を活用するうえでの注意点
    • 事前申請と認定
    • 実績報告時の書類確認
    • 事前相談と申請方法
    • 契約のタイミング
    • 支払い完了期限
    • 助成事業実施終了後の手続き
  •  まとめ


生産性向上に資する設備投資助成事業助成金とは

今後のポストコロナ時代に向けて新たな事業を展開していくため、生産性向上に積極的にチャレンジする区内中小企業者の持続的発展が目的です。
生産性向上に資する設備投資に係る経費の一部を助成することで、区内中小企業の生産性および経営力の向上を図るものになっています。



助成金内容

助成対象者

次に掲げる各号の要件全てを満たす必要があります。

1. 中小企業者であること。
2.日本標準産業分類について大分類に分類される製造業事業者であること。
3.区内に本社または事業所を有し、1年以上継続して事業を営んでいること。
4.過去2年以内に、生産性向上に資する設備導入助成事業助成金交付要綱に基づく助成金の交付決定を受けていないこと。


助成対象事業

助成金の対象となる事業は、次の条件をすべて満たす必要があります。

1.中小企業等経営強化法に基づく先端設備導入計画の認定を受けた事業であること。
2.人員削減を目的とした事業ではないこと。
3.同一の事業について、国、都、板橋区、商工会議所その他これに類する団体から助成を受けたあるいは受ける予定の項目が経費に含まれていないこと。
4.事業の実施にあたり、実質的に労働を伴わない事業、専ら資産運用的性格の強い事業ではないこと。
5.助成対象経費の総額が100万円以上の事業

※1の先端設等導入計画については後程解説


■助成金を受けられる主な事業例
・最新型機械および装置の導入
・検査用装置の導入
・生産管理システムハードウェアの導入
・光学系ソフトウェアの導入


■助成金を受けらない主な事業例
・無人駐車場(コインパーキング等)の機器の導入
・コインランドリー等の機器の導入
・太陽光発電を行うためのソーラーパネル等の導入


助成対象設備経費

以下の条件を全て満たす必要があります。

(1)下記(助成対象経費の条件)に該当すること。
(2)事業実施期間内に契約、納品・施行、支払いが完了し、報告書類上で確認できること。
(3)単価、仕様、数量等が報告書類上で確認できること。
(4)新規購入であること。(中古・リースではないこと)

※経費総額のうち1,000円未満の端数については切り捨てとなります。
助成対象となる設備は、板橋区内に設置する必要があります(板橋区に本社があっても、他区や他県の設置は対象外になります)


■助成対象経費の条件

(ア)機械および装置の購入に係る経費(1単位の取得価額が160万円以上のもの)
(イ)工具の購入に係る経費(1単位の取得価額が30万円以上のもの)
(ウ)建物附属設備の購入に係る経費(1単位の取得価額が30万円以上のもの)
(エ)器具および備品の購入に係る経費(1単位の取得価額が60万円以上のもの、かつ家屋と一体で課税されるものは除く)
(オ)上記(ア)(イ)(ウ)(エ)の輸送に伴う経費(運搬費等)
(カ)上記(ア)(イ)(ウ)(エ)の設置に伴う経費(分解・組立・校正費・整備費等)
(キ)上記(ア)(イ)(ウ)(エ)の導入に伴う既存設備の廃棄に係る経費
(ク)上記(ア)(イ)(ウ)(エ)の導入に伴うCAD等のソフトウェアの購入に係る経費
(ケ)その他区長が適当と認める経費


助成対象外経費 

ただし、下記に該当する費用は補助対象となりません。

審査において、以下に該当すると認められた場合は、その費用を補助対象経費から除いた額で補助金額が決定されます。

(1) 自社の人件費・旅費交通費
(2) 消費税、振込手数料、通信費、保険料等の間接経費
(3) 補助対象期間外に発注、購入、契約、納品、検収等を実施したものについての費用 ※ 利用料使用料については補助対象期間内に契約したものについて、月単位で判断する
(4) 事務所等にかかる家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費
(5) 電話代、インターネット利用料金等の一般的な通信費(クラウド利用費に含まれる付帯 経費を除く)
(6) 文房具などの事務用品等の消耗品代、雑誌購読料、新聞代
(7) 不動産の購入費、自動車等車両(事業所や作業所内のみで走行し、自動車登録番号がな く、公道を自走することができないものは除く。)の購入費・修理費・車検費
(8) 振込等手数料(代引き手数料を含む)、収入印紙
(9) 補助対象者または補助対象者の親会社・子会社が扱う製品の購入に係る費用
(10) 中古品の購入費(他に目的の達成手段がない場合を除く)
(11) 公的な資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費、その他区長が補助対 象外経費と認める経費


助成率と助成限度額

(1)助成対象経費の3分の2以内の額または助成限度額666万円のいずれか低い額
(2)助成対象経費の2分の1以内の額または助成限度額500万円のいずれか低い額

※(1)については、「従業員への賃上げ方針を表明したことを証する書面」の提出があった企業または板橋製品技術大賞受賞企業(過去3年度)が該当します。

例えば(1)の条件を満たしており、1,000万円の設備投資を行えば、助成限度額の666万円の助成金が利用できます。

この助成金の対象となる経費の支払い方法については、以下の2点に注意が必要です。

まず、手形、小切手、クレジットカードによる支払いは認められません。

また、助成対象事業以外の事業と混同して支払われ、助成対象事業に関わる経費が区別できないものも認められません。



助成金の申請手続き

助成申請期間

令和6年5月7日(火曜日)から11月29日(金曜日)

午前9時から午後5時まで(土日祝日を除く)


申請から交付までの流れ

【助成金申請】 令和6年5月7日(火曜日)から11月29日(金曜日)

【交付決定】 随時

【事業実施】 令和7年1月31日(金曜日)設備の契約、設置、支払いをすべて完了させる必要があります。

【実績報告】 令和7年1月31日(金曜日)まで

【助成金交付】 実績報告書提出後、区が交付額の確定をします。その後、事業者様に請求書を提出した後、交付されます。


提出書類

①生産性向上に資する設備導入助成事業助成金交付申請書(第1号様式) 
②事業計画書(助成金用)(別紙1~3 第1号様式関係)
③誓約書(別紙4)
④提出書類確認チェックシート(別紙5)
⑤対象事業経費に係る見積書(コピー)
⑥申請事業の詳細資料(設備のカタログ等)
⑦企業概要(会社案内・パンフレット等)
⑧法人登記事項証明書(発行日から3カ月以内の原本またはコピー) 
⑨法人事業税納税証明書及び法人都民税証明書または納税義務がない旨及びその理由を記載 した申立書(1期分)(発行日から3カ月以内の原本またはコピー)
⑩決算書のうち、貸借対照表及び損益計算書(2期分) 



助成金を活用するうえでの注意点

助成金をスムーズに受け取るためには、以下の6つのポイントに注意する必要があります。


1. 事前申請と認定

助成金を利用する前に、「先端設備等導入計画」の認定を板橋区に申請し、認定を受ける必要があります。

先端設備等導入計画とは、認定を受けると固定資産税の軽減措置や金融支援が受けられる国の制度です。

詳しくは以前の記事をご覧ください。

先端設備等導入計画で固定資産税が最大で1/3に!そのメリットと申請方法を解説


2. 事前相談と申請方法

申請前に事前相談が必要で、相談なしでの申請は受け付けられません。

また、申請は原則として電子メールで行う必要があります。


3. 契約のタイミング

助成対象の購入などの契約は、助成金交付決定日以降に行う必要があります。

それ以前の契約は助成対象になりません。


4. 支払い完了期限

助成対象期間内(令和7年1月31日)に、助成対象経費の支払いを完了している必要があります。

期限を過ぎた支払いは助成対象外となります。


5. 実績報告時の書類確認

実績報告の際には、すべての経費について請求書、納品書、領収書、振込記録などの帳票書類による支払いの確認が行われます。

書類に不備がある場合、その経費は助成金の対象として認められません。


6.助成事業終了後の手続き

本事業終了後、3年間は毎年度、対象となる設備等の操業状況報告書を提出しなければなりません。

さらに、終了後5年間は板橋区内で継続して操業するよう努める必要があります。

もし、5年以内に操業の継続が難しくなった場合は、速やかに区に報告し、必要に応じて操業継続のための支援を受け入れる義務があります。



まとめ

今回は東京都板橋区の助成金について紹介しました。

こちらの助成金を活用するには、先端設備等導入計画を受ける必要があります。

先端設備等導入計画には、認定経営革新等支援機関の確認が必須になります

当社は認定経営革新支援機関であり、節税や補助金といった国の制度を活用するうえでの申請支援も行っていますので、お気軽にご相談ください。



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