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ものづくり補助金の事業化状況報告|内容・方法などについて紹介

ものづくり補助金の事業化報告|内容・方法などについて紹介

ものづくり補助金で採択された事業者は、補助金受給後に一定期間の「事業化状況報告」が必要です。事業化状況報告を怠ってしまうと、補助金を返還することになるおそれもありますので、忘れないようにしましょう。

本記事では、ものづくり補助金の事業化状況報告の概要や方法などについて解説します。受給確定後の参考として、ぜひ記事の内容をご確認ください。

ものづくり補助金の受給後は6年間の事業化状況報告が必要

ものづくり補助金で採択され補助金を受給した場合、6年間にわたっての事業化状況報告と、ものづくり補助金に関する調査への協力が求められます。

最初に事業化状況報告を行うのは、補助金の交付を受けたあと最初の4月1日から60日以内です。その後5年間、毎年4月に事業化状況報告の依頼があります。全部で6回の事業化状況報告が必要になりますので、忘れずに手続きを行いましょう。

また、ものづくり補助金では、上記のほかに事務局から「遂行状況報告書」の提出を求められる場合があります。さらに抜き打ち検査が行われる場合もありますので、受給後は注意が必要です。

(9)補助事業者は、本事業の遂行及び収支の状況について、事務局から要求があったときは速やかに遂行状況報告書を作成し、事務局に提出しなければなりません。

(10)本事業の進捗状況確認のため、事務局が実地検査に入ることがあります。また、本事業実施中及び本事業終了後、会計検査院や事務局等が抜き打ちで実地検査に入ることがあります。この検査により補助金の返還命令等の指示がなされた場合は、これに従わなければなりません。

引用:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(16次締切分)

抜き打ち検査で確認された状況によっては、補助金の返還命令が指示されるといった可能性もあります。遂行状況報告書の提出や抜き打ち検査があってもスムーズに対処できるよう、関連する情報は常に整理しておきましょう。

事業化状況報告の内容

事業化状況報告で必要とされるのは次の5つです。

①「事業化状況・知的財産権等報告書」

②「事業化状況等の実態把握調査票」

③「返還計算シート」

④直近の損益計算書(知的財産権の報告は、交付決定から報告対象年度終了時点までの損益計算書をいう。)

⑤賃金台帳

引用:事業化状況報告|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

ものづくり補助金総合サイトには、事業化状況報告の方法についての説明動画が用意されています。2023年10月の段階で確認できる動画は、「賃金台帳編」と「製品情報編」の2種類です。スムーズに報告準備を進めるためにも、事前に動画を確認しておきましょう。

(参考)事業化状況報告|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

事業化状況報告の方法

事業化状況報告は「事業化状況・知的財産権等等報告システム」から手続きする必要があります。

「事業化状況・知的財産権等等報告システム」への入力期間は、毎年4月1日~5月31日です。入力期間以外はシステムに登録できませんので注意しましょう。ただし財産処分に関しては入力期間以外も登録できます。

システムへのログインにあたっては、GビズIDとパスワードが必要です。

なお、以下の時間はシステムメンテナンスにより、事業化状況・知的財産権等等報告システムが利用できない場合があります。

  • ・毎週日曜日3:00~4:00

日曜日の深夜帯であるため大きな支障はないと想定されますが、入力時はメンテナンス時間を避けるよう注意してください。

報告システムにログインできるのは、確定通知を受領した事業者のみです。ログインすると、インフォメーションから『事業化状況報告機能の操作マニュアル(補助事業者向け)』が確認できるようになります。確定通知を受領してシステムにログインできるようになったら、操作マニュアルに目を通して内容を確認しましょう。

ものづくり補助金で返還が必要になるケース

ものづくり補助金で事業化状況報告を行わなかった場合、補助金の返還を求められる対象になってしまいます。

また、次のような場合も補助金の返還が求められる可能性がありますので、注意してください。

  • ・報告システムに入力しても「完了ボタン」を押さなかった場合
  • ・給与支給総額の増加目標が未達であった場合
  • ・事業場内最低賃金の増加目標が未達であった場合
  • ・概算払いを受けたあとに事業を廃止した場合

システムへの入力後は、完了ボタンを忘れずに押しましょう。

回復型賃上げ・雇用拡大枠でものづくり補助金の申請を行っている場合は、特に注意が必要です。天災のようなやむを得ない事情を除き、給与支給総額・事業場内最低賃金の増加目標のどちらかひとつでも未達だと、補助金交付額全額の返還しなくてはなりません。補助金を受給したら、返還の対象にならないよう目標の達成をめざしましょう。

ものづくり補助金の収益納付制度

ものづくり補助金の収益納付制度

ものづくり補助金には、返還とは別に「収益納付制度」が設けられています。

収益納付制度とは、補助事業によって収益が発生した場合に、交付された額を上限として、指定された額を国庫に返納する制度です。

公募要領の「補助事業者の義務」の項目では、以下の説明があります。

(4)事業化状況の報告から、本事業の成果の事業化又は知的財産権の譲渡又は実施権設定及びその他当該事業の実施結果の他への供与により収益が得られたと認められる場合には、受領した補助金の額を上限として収益納付しなければなりません(事業化状況等報告の該当年度の決算が赤字の場合や十分な賃上げ(年率平均3%以上給与支給総額を増加させた場合や最低賃金を地域別最低賃金+90円以上の水準にした場合等)によって公益に相当程度貢献した場合は免除されます)。

引用:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(16次締切分)

ただし、特定の条件を満たしている事業者については、収益納付が免除されます。

  • ・再生事業者である
  • ・事業化状況等報告の該当年度の決算が赤字である
  • ・十分な賃上げによって公益に相当程度貢献している

収益納付が免除される「十分な賃上げ」とは、以下の条件に該当するような場合です。

給与支給総額年率平均3パーセント以上増加させた場合
最低賃金地域別最低賃金プラス90円以上の水準にした場合

上記に該当しない場合は収益納付が求められますので、注意してください。

補助金・助成金の申請なら支援を行う専門家に相談!

補助金・助成金の申請なら支援を行う専門家に相談!

補助金や助成金の申請を検討しているのなら、支援を行っている専門家への相談を考えてみましょう。

ものづくり補助金は、求められる要件も多く、公募要領が複雑であるのが特徴です。実際に公募要領を読んでみて「内容が複雑でわかりづらい」と申請を悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

申請して採択を受けてからも、ものづくり補助金では毎年事業化状況等報告が必要です。さらに状況によっては補助金を返還する必要が生じてしまいます。

  • ・ものづくり補助金の申請方法がわからない
  • ・ものづくり補助金の採択率を高めたい
  • ・事業化状況等報告について相談したい

そんなときは、知識や経験が豊富な専門家のサポートを受けるとスムーズに手続きを進められるでしょう。ものづくり補助金の採択率を高めるためにも、ぜひ専門家への相談を検討してみてください。

また、補助金を活用できるかどうか不安な場合は、以下のページから診断できます。

最短15分で診断結果レポートを提供いたしますので、ぜひご活用ください。


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