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在庫が増えると利益が増える?製造業の抱える過剰在庫について徹底解説!

現在はVUCA時代とも呼ばれ、私たちの生活は日々大きな変化の中にあります。

その変化の激しい時代において、顧客が求めているものは次々と変わっていき、会社経営するうえで非常に難しい問題になっています。

そんな中、在庫数が多くなっていくことへの不安を抱えている企業もあるのではないでしょうか。

今回は「在庫が増えると利益が増える」と広まり、その真実と過剰在庫についてまとめていきます。



目次

在庫が増えると利益が増えるのか
在庫保有のメリット

・品切れを防げる
・トラブルに対応しやすい
在庫保有のデメリット
・商品価値に悪影響
・在庫管理にかかるコストの増加
・会社のキャッシュフローが悪化
過剰在庫の原因
・需要予測が適切ではない
・情報共有の不足
過剰在庫解決のための課題
・需要を正確に予測する
・在庫を見える化し、在庫量を把握
・商品を値引きして販売



在庫が増えると利益が増えるのか

結論から伝えると、タイトルにある「在庫が増えると利益が増える」言われることがありますが、実際には損をすることになります。

正確には、帳簿上は黒字になり、実際には赤字になっています。

ここから具体的な事例を用いて、解説していきます。


例えば、原価100円の商品を10個仕入れ、300円で販売し、売れた商品数は2個とします。売上総利益は売上から売上原価を差し引くため、計算式は次のようになります。

売上総利益=売上600円-売上原価(仕入れ1,000円-在庫800円)=400円

帳簿上は400円の利益になります。


しかし、実際には600円売れたものの、仕入れ原価として1000円かかっているので400円の赤字となるわけです。

このような帳簿上と実際の金額で差があるため、「在庫が増えると利益が増える」と言われ始めたわけです。



在庫保有のメリット

一般的に、在庫にものがあるというのはあまりいい印象を持たれませんが、いくつかメリットがあります。

・品切れを防げる

顧客が求める商品が欠品していれば、ほかの店舗へ流れ、機会損失を失うことを意味します。

需要が急増した際も、在庫を保有しておくことで欠品を防ぎ、販売機会の損失を最小限へ抑えることができます。

また、一度にまとめて仕入れることで人件費や運搬費用削減などのメリットも享受できます。



・トラブルに対応しやすい

販売した商品が不良品が見つかったり、配送途中で破損したりした際に在庫があれば代替品を用意して、すぐに対応することができます。

顧客からの交換依頼に遅れるなどトラブルの対応はクレームにつながる恐れがあるので、顧客満足度低下を防ぐことができます。



在庫保有のデメリット

在庫保有には顧客満足度を高めることにつながりますが、過剰に保有するとデメリットもあります。

・商品価値の低下

長い期間保管されていた在庫は商品価値が下がるリスクがあります。

どんな商品であれ、劣化は免れず、値下げして販売することになります。

また、変化の激しい時代で商品・サービスが変化することで製品ライフサイクルも短い傾向にあります。

このように、過剰在庫は見込んだ売上が回収できないリスクを負います。



・在庫管理にかかるコストの増加

売れ残った在庫の保管や廃棄などの在庫管理にもコストが発生します。

保管場所や管理スペースも必要で、維持費・運送費用・管理作業などの従業員の人件費がかかります。


・会社のキャッシュフローが悪化

過剰に在庫を抱えると、キャッシュフローは減少し、資金繰りの悪化につながります。

在庫は本来は現金化されることを目的にした資産ですが、売れなければ利益を得られず、不要なコストとなってしまいます。

現金であれば投資や運用に活用でき、流動性が高いです。

しかし、在庫として抱えると、支払い・返済・購入などに充てられるお金が少なくなってしまいます。



過剰在庫の原因

・需要予測の方法が適切でない

製品が売れる数は、販促活動や流行、季節、など様々な要因によって変動します。

そのため、過去の販売実績などのデータと市場の状況、ニーズの変化などを加味して必要な在庫数を見極めることが大切です。

しかし、需要予測の方法が不適切な場合、適正な在庫数を判断することも難しくなり、過剰在庫の発生のきっかけを作ってしまいます



・情報共有の不足

会社によっては現在自社がどのくらいの在庫を抱えているのかわからないケースは珍しくありません。

在庫切れによる機会損失を恐れ、過剰に仕入れがちなので、知らず知らずのうちに在庫が増えます。

情報共有不足は、需要予測の精度を下げることにもつながってしまいます。



過剰在庫解決のための課題

補助上限額引き上げを考えているときの注意点

・需要を正確に予測する

商品の需要は時代の流れや季節によっても異なるため、経験値や勘で正確な予測はできません。

これまでの販売統計データや直近の人々の行動をもとに基準在庫や安全在庫を算出し需要予測が行われます。

そして、企業内で取り扱う商品の在庫の中で、「何が」「いつ」「どのくらい」出庫または販売されるのかを予測し、これに基づき仕入れを行う必要があります。



・在庫を見える化し、在庫量を把握

自社の在庫量を把握していないと、そもそも新たに発注すべきかどうかが分かりません。

倉庫にどの商品がいくつあるのか、それらを正確に把握することが過剰在庫を防ぐために必要です。

また、システムを導入することで、在庫情報・入出荷情報、商品情報や保管場所などもリアルタイムで管理することができます。


・商品を値引きして販売

一定期間売れ残っている在庫は高い確率で今後も残り続けます。

そのため、どこかで見切りをつけて販売をしなければ、価値はどんどん低下し、その時間だけ在庫管理の費用がかかります。

将来さらに低い価格で販売するか、廃棄するかを考えると、値引きしてでも販売する必要があります。

あらかじめどのくらい売れなければ値引きをするのか明確に決めておくのがおすすめです。



さいごに

最後までご覧いただきありがとうございます。

在庫の問題は多くの企業にとって頭を抱える課題かと思います。

適切な在庫管理には需要予測や在庫量の管理を実施すべきですが、それには多くの経験が必要です。

そこで、在庫管理システムを導入するのも一つの手です。

弊社は補助金支援事業を行っており、在庫管理システムの導入に活用できる補助金もあります。

補助金についてご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。



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