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製造業でAIを活用した事例の概要|導入にあたっての注意点も紹介

製造業でAIを活用した事例の概要|導入にあたっての注意点も紹介

多くの領域で活用されているAIは、製造業にも影響を与えています。しかし「AIを活用できる人材がいない」といった課題を持つ中小企業も多いでしょう。そこで本記事では、製造業でのAIを活用した事例の概要を紹介します。

またAIを活用するにあたっての注意点も紹介しますので、ぜひ参考としてお役立てください。

製造業でAIを活用した事例

製造業でAIを活用した事例

さまざまな業種でAIの導入が進められており、業務の効率化に役立っています。製造業も例外ではありません。すでにAIを導入して、業務の効率化に成功している企業が多数存在します。

どのような事例があるか知ると、自社での導入時に参考になるでしょう。製造業でのAI導入事例を3つ紹介します。

  • ・AI-OCRによる業務効率化
  • ・AIロボットによる倉庫の自動化
  • ・異音検査をAIに置き換え

どのような事例なのか、ぜひご覧ください。

事例1.AI-OCRによる業務効率化

AI-OCRによる効率化を行っているのが、大手製鋼メーカーです。この大手製鋼メーカーでは、次のような手書きの帳票が日々大量に発生していました。

  • ・点検記録
  • ・納品書
  • ・作業証明書

紙による点検記録は、人の手でデータ化しようとすると多くの工数がかかります。さらにデータ化しようにも、通常業務への支障や入力ミスなどが課題でした。そこでAI-OCRとRPAを導入したのです。

AI化により入力ミスも防げて、従業員の負担も軽減されています。

RPAとは?

RPAとは、「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略称です。人間がPCで行う処理の手順を登録しておくと、同じように複数のシステムやアプリケーションを操作できます。

RPAには登録が必要であるため、手順が毎回変わるような作業には向きません。しかし同じ作業の繰り返しには強く、人間が処理するよりも大幅に作業時間を短縮できます。

導入にかかる時間も短く、すぐに効果を発揮するのがRPAのメリットです。ただし長期的にはシステム変更の影響を受けるという注意点もあります。

事例2.AIロボットによる倉庫の自動化

AIロボットによる倉庫の自動化を行っているのが、ある世界的なECサイトです。

倉庫では、多くの従業員が働いています。そして一部の倉庫にAIロボットを導入したのです。ロボットは、ピックした商品を載せた棚を従業員のもとへと運んでいます。

現在の段階では、すべての作業を自動化するには至っていません。しかしAIやロボットが進化すれば、将来的には完全自動化も実現するでしょう。

事例3.異音検査をAIに置き換え

ある自動車メーカーでは、従来は人間が行っていた異音検査をAIに置き換えました。

人間による異音検査には、次のような課題があります。

  • ・対応者による精度のばらつき
  • ・検査員への精神的ストレス

異音検査には経験も必要であるため、対応者によって精度にばらつきが見られます。異音検査では、作業によって検査員への精神的ストレスがかかるという問題もありました。また労働人口が減っているなか、熟練の技術を持つ検査員を採用するのは大変です。

しかしAIの活用によって、人間への負担を減らしつつ、均一な検査が可能となっています。

製造業でのAI活用にあたっての注意点

製造業でのAI活用にあたっての注意点

製造業でのAI活用にあたっては、いくつか注意点もあります。導入にあたっては注意点も把握しておきましょう。失敗例も参考として役立ちます。代表的な注意点は次の3つです。

  • ・現場の理解や協力を得る
  • ・導入効果の検証や現場の確認を行う
  • ・適用範囲を広げ過ぎない

AI導入時に気をつけたい3つの注意点についても、それぞれ内容を確認してみましょう。

現場の理解や協力を得る

製造業でAIを活用するのなら、必ず現場の理解や協力を得ましょう。経営陣や上層部がAIの導入を決めても、現場の理解や協力がないと失敗してしまう可能性があります。AI導入のためにデータを収集しようとしても、現場が繁忙期なら思うようには進みません。

繁忙期なら、本来の業務を優先するべきであるためです。

  • ・データが集まらない
  • ・集めたデータの質が悪い

そんな状況では、AIを導入するまで時間や費用がかかってしまいます。業務効率化のためにAIを導入するのなら、まず現場の理解や協力を得るのが大切です。

導入効果の検証や現場の確認を行う

製造業でAIを導入するにあたっては、費用対効果を検証する必要もあります。また現場がどのように作業を行っているかの確認も必要です。現場での作業内容を把握せずに導入してしまうと、失敗するリスクが高くなります。

  • ・「AIを導入しようとしたが実際の作業に合わず使われていない」
  • ・「すべての作業をAI化しようとしてコストが膨大になってしまった」

AI導入では、上記のように失敗した事例もあります。そのためAIを導入するにあたっては、必ず効果の検証や現場の確認を行いましょう。

適用範囲を広げ過ぎない

適用範囲を広げ過ぎないのも、AI導入で気をつけたい注意点のひとつです。

「AIの導入によって業務の効率化が実現する」

そう聞いて、なるべく多くの作業をAIに担ってもらおうと考える担当者も多いでしょう。近年は、少子化・高齢化にともなって、労働人口も大幅に減少しています。新規採用も難しくなりつつある状況のなかで、企業が人的作業を減らしたいと考えるのは当然です。

しかし作業によっては、従来どおり人間による対応が効率的な作業もあります。また、せっかくAIを導入しても「人間の作業が追い付かない」といった失敗例もあるのです。

適用範囲を広げ過ぎると、そのぶん導入にかかるコストも上がってしまいます。「AIの導入」自体が目的になってしまうと陥りがちな失敗です。本来の目的である、業務効率化のためにAI導入を考えましょう。

製造業でのAI導入なら補助金や助成金の活用がおすすめ

製造業でのAI導入なら補助金や助成金の活用がおすすめ

AI導入にあたって、費用面が難しいと感じる企業も多いのではないでしょうか。適用の内容や範囲によっては、コストが大きくなってしまう企業もあるでしょう。

なるべく費用を抑えたいのなら、国や自治体による補助金や助成金を活用する方法があります。製造業でのAI導入で使える、代表的な補助金のひとつが「ものづくり補助金」です。ものづくり補助金の場合、補助金額は最大1億円、補助率は1/2と、多くの費用を負担してもらえます。

AI導入時には、補助金・助成金の活用も前向きに検討してみましょう。

補助金や助成金の審査通過率を高める方法

補助金や助成金の審査通過率を高める方法

便利な補助金や助成金ですが、申請にあたっては多くの要件を満たす必要があります。また、申請後に行われる審査に通過しなくてはなりません。しかし公募要領はボリュームが多いため、内容を確認するだけでも時間がかかってしまいます。

そこで補助金や助成金の申請にあたっては、支援を行っている専門家に相談するのがおすすめの方法です。専門家は、企業の状況を確認したうえで適切なアドバイスを行います。自社だけで申請の準備を進めるよりも、審査通過率を高められるでしょう。

  • ・本業が忙しくて申請の準備が難しい
  • ・なるべく審査の通過率を高めたい

そんなときは、ぜひ補助金や助成金申請の支援を行う専門家に相談してみましょう。業務の効率化につなげられるのがAIです。導入の方法によっては、大幅な業務改善も不可能ではありません。

ぜひ補助金・助成金を活用してAIを導入し、業務の改善・効率化に役立ててください。

また、補助金を活用できるかどうか不安な場合は、以下のページから診断できます。

最短15分で診断結果レポートを提供いたしますので、ぜひご活用ください。


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