製造業での設備投資に使えるのが「ものづくり補助金」です。
「ものづくり補助金」への申請にあたって、資金調達でお悩みの事業者も多いでしょう。
実は設備投資に使えるお得な資金調達方法があります。設備投資の予定があるのなら、お得な資金調達方法を活用するのがおすすめです。
2つの資金調達方法に絞って紹介しますので、ぜひご覧ください。
「ものづくり補助金」とは「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の略称です。
公式ホームページでは、補助金について以下の説明があります。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。
(引用:トップページ|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト)
サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善のための設備投資を支援してくれるのがものづくり補助金です。申請する枠・類型・従業員人数によって異なりますが、750~5,000万円までの補助金が受けられます。
申請にあたっては、事業計画を始め書類の提出が必要です。ただし申請したからといって、必ずすべての申請者に補助金が交付されるわけではありません。補助金を受けるためには、事務局による審査を通過する必要があります。13次締切分(一般型)では3,261件の申請に対して1,903件が採択され、審査通過率は58.3パーセントでした。
採択されても、補助金が入金されるまでには時間がかかります。
申請にあたっては、上記2点を頭に入れておく必要があります。
便利なものづくり補助金ですが、入金になるのは設備投資後です。そこで企業によっては資金調達が大きな課題になります。「自己資金で高額な設備投資をするのは厳しい」と感じている企業も多いでしょう。
設備投資を目的とした資金調達なら、次の2つを活用する方法があります。
それぞれの概要を紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
認定によって税制措置・金融支援・法的支援を受けられるのが、経営力向上計画です。
具体的な支援措置の内容について引用で紹介します。
【支援措置】
➢ 生産性を高めるための設備を取得した場合、中小企業経営強化税制(即時償却等)により税制面から支援
➢ 計画に基づく事業に必要な資金繰りを支援(融資・信用保証等)
➢ 認定事業者に対する補助金における優先採択
➢ 他社から事業承継等を行った場合、不動産の権利移転に係る登録免許税・不動産取得税を軽減及び準備金の積立(損金算入)による法人税の軽減
➢ 業法上の許認可の承継を可能にする等の法的支援
(引用:中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き)
経営力向上計画の対象となるのは、従業員数2,000人以下の会社・個人事業主・医療法人・社会福祉法人などです。
設備の取得では、「即時償却」または「取得価格の10パーセントの税額控除」が選択適用できます。個人事業主の場合は所得税が対象です。
経営力向上計画を利用するメリットには次の2つが挙げられます。
経営力向上計画は、申請から14~45日ほどで認定されます。
短期間で作成できて各種支援を受けられるので、設備投資を考えているなら活用してみましょう。
設備投資を考えているのなら、「事業継続力強化計画」を活用する方法もあります。
日本は「災害大国」とも呼ばれている、大きな地震や台風などの災害が多い国です。自然災害や感染症が発生しても、企業や団体は事業を継続していかなくてはなりません。そこで防災・減災の事前対策のための設備投資に役立てられるのが「事業継続力強化計画」です。
事業継続力強化計画についても、引用で概要をチェックしてみましょう。
事業継続力強化計画とは、主に中小企業・小規模企業向けの防災・減災の事前対策計画です。
巨大地震や集中豪雨などの自然災害に加え、新型コロナウイルスなどの感染症にも対応した「事業継続力強化計画」も策定することができます。
事業継続力強化計画の策定は、万一の災害時の危機対応力を高めるだけではありません。
自社の経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の様々なリスクを抽出し、対策を検討することは、経営課題の発見や平時の経営改善につながります。
(引用:事業継続力強化計画とは ~自然災害に加えて、新型コロナなどの感染症に対応~ | 経済産業省 中小企業庁)
事業継続力強化計画も、対象は従業員数2,000人以下の会社・個人事業主・医療法人・社会福祉法人などです。
事業継続力強化計画で認定を受けると、次のようなメリットがあります。
事業継続力強化計画は、申請からおよそ45日で認定されます。認定までがスピーディーであるのも、事業継続力強化計画を活用するメリットです。
自然災害や感染症対策を行う予定があるのでしたら、ぜひ事業継続力強化計画の活用を検討しましょう。
事業継続力強化計画と混同されがちなのがBCP(Business Continuity Plan=事業継続計画)です。
BCPでは、緊急時に遭遇したときでも事業を継続できるよう、方法や手段を取り決めます。
BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。
(引用:1.1 BCP(事業継続計画)とは)
すでにBCPを策定しているのなら、その概要で事業継続力強化計画が策定できます。
設備投資を考えているのなら、各種支援を活用するのがおすすめの方法です。支援の活用によって、費用負担を大幅に軽減できるでしょう。ぜひ自社に合った支援を選び、設備投資を進めていってください。
しかし制度や補助金は種類も多く、内容も複雑な傾向にあります。
そんな悩みをお持ちでしたら、ぜひ補助金申請の支援を行っている専門家に相談してみてください。知識と経験を持った専門家なら、それぞれの状況を確認したうえでベストな方法を提案することが可能です。
プロのアドバイスを受けながら支援措置をうまく活用して、積極的に設備投資を進めていきましょう。
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