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【DX化をめざすならデータ活用?】データ分析とビッグデータの活用がもたらす生産性の向上の秘訣とは

「DX or Die」という言葉を聞いたことはありますか。

これは「デジタルトランスフォーメーションするか、それとも死ぬか」という意味で、製造業においてDX化を進めることの重要さを述べたものになっています。

ただ、現状ではDX化を進めても収集したデータをうまく活用しきれていないと言われています。

そこで今回は、製造業のDX化推進におけるデータ活用についてご紹介します。



目次

製造業のデータ活用とは

データ活用のメリット
・生産効率向上とコスト削減
・設備停止時間の最小化と再発防止
・需要予測に基づく在庫最適化と機会損失の防止
・データに基づいた意思決定と属人化の解消

データ活用の成功事例
・富士フイルムビジネスイノベーション社
・TDK 株式会社

データ活用の進め方
①解決すべき課題の設定と解決策の洗い出し
②必要なデータを収集
③的確なデータ分析

まとめ



製造業のデータ活用とは

製造業におけるデータ活用とは、工場内の様々なデータを収集・分析し、生産管理や製造プロセスの改善に生かすことです。

ドイツ政府の提唱したインダストリー4.0の考え方から、IoTやAIなどのデジタル技術を用いなければ2025年以降に最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性がある2025年の崖)と言われています。

そこで近年、徐々にデジタル技術の導入が進みつつも、データ活用は追いついていないのが現状です。

部門や事業所をまたぐデータ管理・利活用の実施状況
画像引用元:経済産業省『令和4年度 ものづくり基盤技術の振興施策

デジタル技術によってビッグデータを活用すれば、生産プロセス全体における無駄を洗い出しやすくなり、限られた労働時間・人数でも生産性を高めることができます。

次の章では、データ活用によってもたらされるメリットについて紹介します。



データ活用のメリット

・生産効率向上とコスト削減

製造プロセスを分析し、問題点を特定して改善することで、製造過程で発生する不良品の数が減少します。

これにより、稼働率の向上で生産効率が改善され、原価損失が防がれ、生産コストが削減されます。

また、業務プロセスにおける無駄を削減し、人手不足解消にもつながります。



・設備停止時間の最小化と再発防止

設備の稼働データや過去の故障履歴を分析し、故障の予測を行うことができます。

そのため、適切なタイミングで部品交換が可能で、設備停止時間を最小限に抑えることができます。

また、故障の原因を明らかにし、再発を防止するための対策を講じることも可能です。


・需要予測に基づく在庫最適化と機会損失の防止

市場データや過去の販売実績を分析し、需要を予測することで、在庫を最適化し過剰在庫や不足を防ぎます。

これにより、販売機会の損失を最小限に抑えることができます。


・データに基づいた意思決定と属人化の解消

過去のデータから傾向を分析し、確率に基づいた意思決定を行うことで、業務の効率化が図ることができます。

また、客観的なデータを用いた意思決定ができ、このようなデータ経営をデータドリブン経営といいます。

その結果、ベテランの勘や経験からの判断から脱却できるため、業務の属人化の解消にもつながります。



データ活用の成功事例

富士フイルムビジネスイノベーション社

以前はコピー機の修理において、ユーザーからの申告を受けてから作業員を派遣するという業務フローを採用していました。

しかしながら、作業員が現場に到着しないと修理箇所が特定できないため、修理までの時間がかかっていました。

そのため、同社は機器の性能データを送信可能なコピー機を開発しました。

事前に取得したパフォーマンスデータを元に、故障原因を特定し、迅速な修理対応を実現することができました。

さらに、コピー機から取得したパフォーマンスデータは製造工程の改善や見直しにも活用されています。


TDK 株式会社

総合電子部品メーカーとして、データに基づいた意思決定の重要性に早くから注目し、データ分析に取り組んできました。

しかし、従来のBIツールではデータのビジュアル化が不十分であり、Excelでの二次加工が必要など、データ分析に時間がかかるという課題がありました。

そこで、TDKは全社共通のBIプラットフォームとしてTableauを導入しました。

その結果、データ分析にかかる時間が大幅に短縮されました。

Tableauは直感的に使いやすく、数字の背景まで理解しやすい仕組みであるため、問題発生時の原因究明も容易になりました。



データ活用の進め方

①解決すべき課題の設定と解決策の洗い出し

データ活用に取り組む際は、まず解決したい課題を明確に設定しましょう。

複数の課題がある場合は、効果の大きさと解決の難易度を考慮して優先順位をつけます。

しかし、初めての取り組みでは難易度が高い課題を選ぶとプロジェクトが頓挫する可能性があるため、効果は小さくても取り組みやすい課題から始めることが重要です。

目標が明確でないと、データ活用が目的化され成果を上げるのが難しくなります。



②必要なデータを収集

解決すべき課題と解決策の案がまとまったら、それに対応するデータを集める段階に進みます。

データはすでに収集・蓄積されている場合もありますが、まずは活用可能なデータの有無を確認します。

使えそうなデータがない場合は、新たにデータ収集を行う必要があります。

しかし、大規模なシステムを導入する前にはPoC(Proof of Concept:概念実証)と呼ばれる検証プロセスを通じて、導入効果を確認しながら徐々に適用範囲を広げていくことが一般的です。

大規模なシステムの導入には大きなリスクが伴うため、慎重に進めることが重要です。


③的確なデータ分析

収集したデータを的確に分析することで、初めて成果を生み出すことができます

ただデータを収集・蓄積するだけではなく、成果を得るためには事前に課題を設定することが重要です。

データ分析の手法は収集したデータの性質や解決すべき課題に応じて異なります。

例えば、製造業では生産指標をリアルタイムに共有したい場合にはダッシュボードを、特定の設備の異常予兆をとらえたい場合には波形を詳細に解析する画面を使用します。

データ活用の目的に応じて最適なアプリケーションを用意しておくことが重要です。



まとめ

近年、IotやAIなどのデジタル技術が進み、製造業ではDX化が進んできています。

それらの科学技術の恩恵を受け取るためにも、ビッグデータの活用は必須となってきています。

DX化にはコストがかかりますが、補助金を活用すれば負担を軽減することが可能です。

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