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製造業で脱炭素化は必須!取り組む理由やメリットを解説

現在は世界中において、脱炭素化に向けた取り組みが行われています。

中でも製造業においては、二酸化炭素の排出量が多く、より脱炭素化に向けた取り組みが期待されている業種です。

脱炭素化は大企業だけの話、と思われているかもしれませんが、今では中小企業においても脱炭素化に向けた取り組みが求められるようになってきています。

そこで今回は、製造業が脱炭素化に取り組むべき理由やメリットなどについて解説します。

製造業が脱炭素化に取り組む理由

なぜ、脱炭素化に取り組む必要があるのか。これは二酸化炭素などの温室効果ガスによる、地球温暖化をはじめとした異常気象問題が発端です。

そんな中、2016年に「パリ協定」が発効されました。これは、気候変動問題を世界共通の課題として、それぞれの国々で温室効果ガスの削減に取り組むという合意事項のことです。

それにともない、日本でも、2020年10月に政府が「カーボンニュートラル」を掲げて、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという宣言をしています。

日本の温室効果ガスの排出量の78%は、企業や公共事業が発生源となっています。そのため、脱炭素化を実現するためには企業の協力が必要です。当初は大企業が中心でしたが、現在は中小企業においても、脱炭素化をめざす取り組みが求められるようになっています。

中でも製造業においては、業務の関係上、温室効果ガスの排出量が他の業種よりも多く、とくに脱炭素化への取り組みが求められている状況です。

製造業で脱炭素化が見込める部分

それでは、製造業で脱炭素化するとしたら、どこができるのでしょうか。

エネルギー

まずは製造過程で消費される熱エネルギーです。製造業では高温熱が必要な工程が多く、そしてボイラーや工業炉などの大型熱供給機器を使用しています。そこでは、大量の二酸化炭素を排出する化石燃料が発生源として使われているため、ここを省エネや再生可能エネルギーに切り替えることができれば、脱炭素化につなげることが可能です。

製造工程

製造工程でのエネルギー消費を抑えるためには、脱炭素化を実現できる設備の導入も必要となります。ボイラーやヒートポンプなどを、高効率や省エネ対応のものに切り替えることで、脱炭素化につなげることができます。また、排出した二酸化炭素をエネルギーや素材として再利用する「カーボンリサイクル」の開発と実装という方法もあります。

製品

製造現場だけではなく、そこで製造する製品についても対象となります。たとえば航空機や船舶、自動車を製造している場合は、化石燃料に依存せず、二酸化炭素排出量の少ないエンジンの開発をするとか、家庭や職場で使用する製品の場合は、省エネや高効率な家電や暖房機器の製造が求められます。

製造業の脱炭素化における課題

製造業で脱炭素化に取り組む必要性は理解できているものの、なかなか進まないのは以下の課題があるためです。

資金の確保

脱炭素化に取り組むためには、既存設備の入れ替えや設備の新規導入など、ハード面への投資が欠かせません。投資金額も決して安価ではなく、数千万〜数億円かかる場合もあるため、脱炭素化に取り組むための資金を確保する必要があります。

対処方法や他社の取り組み事例などの情報取得

脱炭素化への対応が求められるようになったのは、2020年10月に政府が「カーボンニュートラル」を宣言してからで、まだ3年と脱炭素化に向けた取り組みは手探りの状態が続いています。そのため、これをやればいいという情報が不足していて、何から取り組めばいいのか、他社はどのような成果があったのかといった情報が不足しているため、なかなか取り組めないという状態です。

人材の確保

大企業の場合は、脱炭素化に向けた専業の人材を配置することが可能ですが、中小企業の場合は人手不足で、専業の人材の確保が難しい状態です。そのため、他業務との兼ね合いでなかなか進まないというのが現状です。

製造業が脱炭素化で得られるメリット

製造業にとって脱炭素化は容易ではありません。ですが、脱炭素化を実現できると得られるメリットもあります。そのメリットについて解説していきます。

企業価値の向上と社会的信用が得られる

脱炭素化に取り組むことは、地球温暖化や気候変動といった社会課題に対応するということです。そのため、脱炭素化に取り組むと表明することは、企業に対する価値の向上と社会的信用を得られることにつながります。

また、資金調達面でも有利に働きます。実際に金融機関においても融資先の選定基準に、脱炭素化を進める企業への優遇措置が始まっています。

さらに、採用面でも影響はあります。近年の求職者は応募先の環境問題や国際問題に取り組んでいることを重視して企業を選んでいる人もいます。そういった求職者にとっても、脱炭素化している企業は魅力的にうつります。

光熱費・燃料費が削減できる

脱炭素化による省エネや高効率化が実現できれば、結果として光熱費や燃料費の削減につながるため、経営面で大きなメリットをもたらします。

その結果、製品の利益確保ができるようになり、今までは費用面がネックだった案件も新規で受注できるようになるし、現在製造している製品の拡販なども期待できるようになります。

社員のモチベーションアップにつながる 

脱炭素化は、社員のモチベーションアップにもつながります。

地球温暖化や気候変動といった社会課題は、多くの人の関心ごとになっています。このような社会課題に前向きに取り組む企業の姿勢は、自社の社員にとって頼もしくうつり、働く上でのモチベーションも自然と高まることでしょう。

まとめ

製造業が脱炭素化に取り組むべき理由やメリットについてお伝えしました。

脱炭素化に向けて、さまざまなハードルはあるものの、取り組むことによってさまざまなメリットをもたらします。脱炭素化はそれくらい重要な取り組みだといえます。

脱炭素化に向けて、とくに大きなハードルが資金面になります。こちらですが、国や地方自治体でも脱炭素化を支援すべく、さまざまな補助金制度を用意しています。

脱炭素化に向けて、補助金を活用して取り組むことを検討してみることをおすすめします。


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