企業において、コスト削減は避けて通ることはできません。
とくに製造業では、原材料費や人件費、設備費など、さまざまなコストが存在するだけではなく、競争の激化や原材料価格の変動や環境の配慮など、さまざまな外部要因でコストに変動が生じます。そのため、コスト削減は企業の利益向上だけではなく、企業の生き残りをかけたテーマともいえます。
そこで今回は、製造業におけるコスト削減の基本的な考え方と、具体的な削減の方法を解説していきます。
まずは、なぜ製造業においてコスト削減が必要なのか。あらためて、製造業が置かれている状況も含めて、コスト削減の必要性についてお伝えします。
製造業では、グローバル化や技術革新の進展により、取り巻く環境が激化しています。
グローバル化により、国内だけではなく海外の企業も競争対象となり、価格競争が激しさを増しています。また、技術革新のほうも、新たな製品やサービスが次々と誕生することで、市場環境も激化しています。
こうした状況の中で企業が生き残るためには、コスト削減を進めることが必要です。
製造業では原材料の仕入れが必要不可欠です。ただし近年では、円安や世界情勢などで、原油や金属といった原材料の価格は高騰が続いている状態です。
原材料価格の高騰は、結果として製品価格に大きな影響を及ぼしますが、もし値上げをする場合は取引先との交渉が必要となるため、慎重に検討する必要があります。
そのため、原材料価格の高騰は、製造業にとって大きな課題となっています。
コスト削減は、単に予算を削減することだけではありません。業務の効率化を図ることで生産性の向上につながり、コスト削減につなげることができます。
また、業務を効率化させることは、結果として現場で働く従業員の負担軽減や顧客満足度の向上にもつながります。
製造業では、さまざまなコストが発生します。まずはどのようなコストがあるのかを整理してみます。
製造業におけるコストの種類を大きく分けると、「変動費」と「固定費」の2つです。
変動費とは、製品の製造量に応じて変動するコストです。製品の製造量が増加するとコストが増加し、製造量が減少するとコストも減少します。具体的には原材料費や燃料費、外注費などが変動費に該当します。
変動費を削減するためには、原材料の見直しや仕入れ先の変更や交渉などで原材料費や外注費を安くすること、そして生産工程を見直し生産効率を向上することで生産コストをおさえたり、無駄な消耗品を減らすことで実現することができます。
ただし、変動費の削減を行うことで、製品の品質に影響を及ぼさないよう注意が必要です。
固定費とは、製造量や売上高に関係なく、毎月一定額が発生するコストです。なので、製造量が多くても少なくても、固定費に大きな変更はありません。具体的には、人件費や減価償却費、地代家賃などが該当します。
固定費を削減するためには、業務の効率化や設備の見直しなどを行うことで実現することができます。
固定費の中でも特に金額が大きくなるのが、人件費です。人件費は、従業員の給与や賞与、社会保険料などが該当します。人件費を削減することも可能ですが、人手不足に陥ることで生じる業務負担の増加や、給与が下がることで従業員のモチベーション低下や離職につながるなど、人件費の削減は業務に大きな影響を及ぼすので、とくに注意が必要です。
それでは、実際にどのようにコスト削減を進めればいいのか。製造業におけるコスト削減を実現するための手順を解説します。
コスト削減は一部では行えません。全社一体となって取り組む必要があります。そのため、コスト削減で最初に取り組むことは、社内全体でコスト削減の必要性と重要性を共有し、意識の統一を図ることです。
具体的には、コスト削減の目的と目標を定義して、社内全体で共有すること。そのうえで、チームごとにコスト削減に取り組み、進捗状況や成功事例は適宜共有するなど、社内のコミュニケーションを積極的にとることが重要となります。
次に取り組むことは、コスト分析と把握です。そもそも、現状のコストを正しく把握できていなければ、削減の取り組みを進めることはできません。
製品を生産するために、具体的にどのような費用が発生しているのか。コストの内訳や比率がどれくらいなのかを分析します。コストをしっかりと把握したうえで、どのコストから削減していくのか、優先順位付けを行っていきましょう。
最後は、コスト削減に向けた取り組みの実施です。あれこれ着手するのではなく、効果の出やすい部分から削減するのがポイントです。
まずはアクションプランを策定します。誰が、何を、いつ、どのようにを明確に定義する必要があります。そのうえで、その進捗を適切に管理し、発生する問題や課題に対応していきましょう。
それでは、実際にどのようにコストを削減していけばいいのか。コスト削減の具体的な方法についてお伝えします。
製品の製造にかかわる業務の流れや手順を見直し、無駄や非効率な業務を減らすことです。
具体的な方法として、5S活動やQCサークル活動、カイゼンなどがあげられます。
これにより、過剰な在庫や廃棄物の見直し、不良品や返品の減少、業務効率化、無駄な移動や待ち時間の削減などが期待できます。
製品の製造に必要となる、材料の仕入れや使用に関するコストを最小限に抑えることです。
具体的な方法として、仕入れ先の見直しや交渉、材料の代替や削減、在庫の最適化などがあげられます。
これにより、材料費や在庫の削減だけでなく、資金繰りの改善などが期待できます。
製品の製造にかかわる設備や機械をリプレイスしたり、ロボットやAIなどの先進技術を導入することです。
最新の設備や機械の導入は生産性や品質の向上を、そしてロボットやAIの導入は従業員の負担軽減や省人化を実現することが可能です。
これにより、生産効率や品質の向上、従業員の負担軽減、付加価値の高い製品の開発が期待できます。
製造業のコスト削減の必要性とコスト削減の手順や方法について解説しました。
今回は一般的なコスト削減の話でしたが、実際のコスト削減の取り組みは、自社の状況に合わせて行うことが重要です。
なお、今回ご紹介したコスト削減の方法のひとつに最新設備やロボットを導入するとお伝えしましたが、もし導入する際は補助金を活用するという方法があります。補助金を活用できれば、導入費用の一部を後から受け取ることが可能です。
ぜひ、補助金を活用して、最新設備やロボットなどを導入し、コスト削減に取り組んでみてください。
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