ものづくり補助金は現在、16次締切の公募受付を行っています。
ものづくり補助金は、製品開発や生産性向上のための設備投資に使えるということを知っている人は多いものの、具体的にどのような経費が対象になるのかをご存じでない方が多いようです。
そこで今回は今さら聞けない、ものづくり補助金の対象経費について解説します。
冒頭でもお伝えしましたが、ものづくり補助金は現在、16次締切の申請を受け付けていて、申請締切日は令和5年(2023年)11月7日(火)です。
あらためて、このものづくり補助金の定義を解説します。
中小企業が経営革新のための設備投資等に使える補助上限額750万円~5,000万円・補助率1/2もしくは2/3の補助金です。※補助上限額や補助率は、申請される枠・類型や従業員の人数によって異なります。
ものづくり補助金 公募要領概要版_16次締切より
ここでいう経営革新とは、以下の取り組みのいずれかに該当する必要があります。
・新商品(試作品)開発
・新たな生産方式の導入
・新役務(サービス)開発
・新たな提供方式の導入
なので、既存事業において、売上アップや業務効率の改善などにつながる取り組みをすること。その取り組みに対して、ものづくり補助金を使うことができます。
気になるのが、どのような経費が補助対象となるか、です。
先ほどの経営革新の取り組みに必要な経費が対象となりますが、ものづくり補助金では、対象となる経費の種類は以下のように定められています。
・機械装置・システム構築費
・運搬費
・技術導入費
・知的財産権等関連消費
・外注費
・専門家経費
・クラウドサービス利用費
・原材料費
・海外旅費
・通訳・翻訳費
・広告宣伝・販売促進費
それぞれについて紹介します。
ものづくり補助金における補助対象の経費で主要となるものが、この機械装置・システム構築費です。
①専ら補助事業のために使用される機械・装置、工具・器具の購入、製作、借用に要する経費
②専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用に要する経費
③上記①もしくは②と一体で行う改良・修繕又は据付けに要する経費
上記3点に該当する経費を、この機械装置・システム構築費として計上することができます。
具体的には、経営革新を実現するために必要な機械・設備の導入や、導入にともなう設置費用、ソフトウェアやシステムの開発費用が対象となります。
そのため、機械装置・システム構築費は必ず経費計上させること、そして申請する補助経費の中で、もっとも大きな経費金額にしておく必要があります。
なお、機械装置・システム構築費に該当するものは、必ずしも機械や設備といった有形物である必要はありません。ソフトウェアやシステムといった無形物でも大丈夫です。
ただし、ソフトウェアやシステムは外部委託して開発することが前提となります。社内開発における人件費は、機械装置・システム構築費に該当しないので注意が必要です。(基本的に、社内の人件費はものづくり補助金の経費として申請することができません)
運搬費は、ものづくり補助金で申請する事業において発生する、運搬料や宅配料、郵送料などに要する経費のことをさします。
ただし、機械装置の購入により発生した運搬料については、運搬費の枠ではなく機械装置・システム構築費用の枠に含まれるので気を付けましょう。
技術導入費とは、補助事業の遂行に必要な知的財産権などの導入にかかる経費のことです。
新製品や新サービスを立ち上げる際、他の企業が持つ特許権を使用する場合に発生する諸々の手続きや使用に関する費用などが補助対象となります。
ただし、技術導入費には、専門家経費や外注費を併せて支払うことはできないので注意しましょう。
なお、技術導入費には上限額があり、補助対象経費の総額(税抜き)の3分の1以内にする必要があります。
新製品やサービスの事業化にあたり、特許権などの知的財産権などを取得するための費用が、知的財産権等関連消費です。
具体的には、弁理士の手続代行費用、外国特許出願のための翻訳料などが対象となります。
ただし、日本の特許庁に納付する手数料(出願料、審査請求料、特許料など)は補助対象となりません。
また、補助事業期間内に出願手続きが完了していないと、補助対象外となってしまうので注意が必要です。
上限額は、補助対象経費の総額(税抜き)の3分の1以内です。
外注費は、機械装置・システム構築費とは別に、新製品・サービスの開発に必要な加工や設計、デザイン、検査等の一部を外注する場合の経費となります。
注意が必要なのは、機械装置・システム構築費の経費とは別だということです。
たとえば、導入する機械装置やシステム、ソフトウェアに附随する部分で、機械装置やシステム、ソフトウェアを取り扱う業者とは別の業者に、業務の一部を依頼する際の費用が、ここの外注費に該当します。
上限額は、補助対象経費の総額(税抜き)の2分の1以内です。
補助事業を行う際に、外部の学識経験者やコンサルタント、フリーランスなどの専門家に依頼する場合の、謝金・旅費・技術指導料(コンサルティング費用)が、この専門家経費に該当します。
先ほどもお伝えしましたが、自社の人件費は対象外となります。そのため、自社以外の人材リソースを活用する際に発生する、もろもろの金額が対象となります。
サーバやソフトウェアなどのクラウドサービスを利用する場合の経費が、クラウド利用費です。
レンタルサーバやWEBプラットフォームの利用料やソフトウェアのサブスクリプションサービスだけではなく、ルータ使用料やプロバイダ利用料、通信費なども経費に計上することができます。
ただし、クラウドサービス利用費で計上できるのは、補助事業実施期間中(10ヶ月以内)だけです。2〜3年先の利用費までは計上できないので注意が必要です。
原材料費とは、試作品の開発に必要な原材料の購入に関する費用のことです。
また、原材料だけではなく、試作品の開発に必要な工具や消耗品などの副資材も対象となります。
こちらも、補助事業実施期間中の原材料や副資材のみが経費として計上することができます。
また、補助事業実施期間中に使いきるのが原則で、補助事業終了時点で未使用の分は、補助対象となりません。
ものづくり補助金の、グローバル市場開拓枠のみが対象となる経費です。
補助事業に必要な海外渡航費と宿泊費を経費として計上することができます。
なお、海外渡航費はエコノミークラス(普通クラス)で実費額になること、そして宿泊費は1泊25,000円が限度になります。
また、一度の渡航での海外旅費の使用は、事業者3名までで、1人あたり最大50万円(税抜き)が限度となります。そして、交付申請時に海外渡航の計画をあらかじめ申請する必要があります。
上限額は、補助対象経費の総額(税抜き)の5分の1以内です。
ものづくり補助金の、グローバル市場開拓枠のうち、②海外市場開拓(JAPANブランド)類型」で申請する際に対象となる経費です。
海外の視察時の通訳や、広告宣伝・販売促進に必要な翻訳を依頼する際の経費を、通訳・翻訳費として計上することができます。
上限額は、補助対象経費の総額(税抜き)の5分の1以内です。
こちらも、ものづくり補助金のグローバル市場開拓枠のうち、②海外市場開拓(JAPANブランド)類型」で申請する際に対象となる経費です。
海外展開に必要な広告の作成や、広告宣伝媒体への掲載、展示会への出展など、ブランディング・プロモーションに関する費用が経費の対象となります。
ただし、会社全体のPR広告やマーケティング市場調査は対象外となります。
上限額は、補助対象経費の総額(税抜き)の2分の1以内です。
今回は、ものづくり補助金の補助対象経費の種類、それぞれの詳細などについて解説しました。
ものづくり補助金は基本的に、機械装置・システム構築費が必須、中心となり、その他の経費は該当するものがあれば計上していくのが一般的です。
まずは機械装置・システム構築費に何を計上するのか。それを決めたうえで、それ以外に何の経費を計上するのか。しっかりとチェックしたうえで申請するようにしましょう。
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