「ものづくり補助金」は、これまでに、のべ7万社以上の設備投資を支援している補助金です。中小企業の製造業で設備投資を考えているのなら、ぜひものづくり補助金を活用していきましょう。
そんなものづくり補助金には「加点項目」が設けられています。採択率に大きな違いが出るのが、加点項目です。
どのような加点項目があるか紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「ものづくり補助金総合サイト」では、採択状況のデータを公開しています。そのなかのひとつとして挙げられるのが「加点項目の数」です。
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このグラフでは、10次締切から13次締め切りまでの、加点項目の数と採択率がまとめられています。
加点項目が0個だった場合の採択率は41.2パーセントです。しかし加点項目が4個だった場合の採択率は86.7パーセントにまで上がります。
加点項目を1つ満たすだけでも、採択率は10パーセント以上アップします。そのため、ものづくり補助金に申請するのなら、加点項目を満たしておくのは大切です。
1個でも多くの加点項目を満たして、ものづくり補助金での採択率を高めましょう。
ものづくり補助金での加点項目は、大きく5つにわけられています。
加点項目の大枠は次の通りです。
5つの加点項目について、それぞれの概要をチェックしていきましょう。
加点項目1つめが「成長性加点」です。有効な期間の『経営革新計画』の承認を取得している事業者が加点の対象となります。
中小企業等経営強化法では、「経営革新」を「事業者が新事業活動を行うことにより、その経営の相当程度の向上を図ること」と定義しています。
経営革新に関する計画を作成し、その経営革新計画が承認を受けると、様々な支援策を受けることができます。
引用:経営革新支援(経営革新計画) (METI/経済産業省関東経済産業局)
経営革新計画で申請者に求められる要件や支援措置の内容は、都道府県に確認する必要があります。
ものづくり補助金以外の支援にもつながるため、可能なら承認を取得しておくとよいでしょう。
「政策加点」には全部で9つの項目があります。
代表的な政策加点は以下の通りです。
創業から間もない事業者は政策加点が受けられるため、複数の加点項目を満たしやすいでしょう。
さらに政策加点には、デジタル枠のみ・グリーン枠のみの加点項目もあります。
該当する項目があるか、ぜひ公募要領で確認してみてください。
事業継続力強化計画の認定を取得した事業者は、災害等加点の対象になります。
中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が「事業継続力強化計画」として認定する制度です。認定を受けた中小企業は、税制措置や金融支援、補助金の加点などの支援策が受けられます。
引用:中小企業庁:事業継続力強化計画
日本では、頻繁に大きな地震や台風など自然災害による被害が出ています。自然災害をなくすことはできませんが、備えは可能です。
事業を行うのなら、災害があっても継続できるような取り組みを考える必要があります。防災・減災を目的とした設備投資を考えているのなら、取り組みたいのが事業継続力強化計画です。
経営革新計画と同様に、経営革新計画にも多くのメリットがあります。ものづくり補助金で加点を受けるためにも、ぜひ認定を受けておきましょう。
「事業継続力強化計画」については別な記事でも紹介していますので、あわせてご覧ください。
(参考)ものづくり補助金の申請でお得に設備投資の資金を調達する2つの方法
ものづくり補助金には、「賃上げ加点」もあります。そこで申請時には賃上げを計画してみるのもよいでしょう。
ただし加点を受けるには、賃上げ計画を作成し、事務局に誓約書を提出する必要があります。加点の対象となる賃上げパターンは2つです。
どちらのパターンでも、一定額以上給与支給総額・事業場内最低賃金を上げる必要があります。
漠然とした賃上げ計画を立てるだけでは加点を受けられないので注意してください。
「ワーク・ライフ・バランス等の推進への取り組み」も、加点項目のひとつです。
公募要領から引用で紹介します。
⑤-1: 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく「えるぼし認定」を受けている事業者、もしくは従業員 100 人以下の事業者で「女性の活躍推進企業データベース」に女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者
※厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/)
⑤-2:次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく「くるみん認定」を受けている事業者、もしくは従業員 100 人以下の事業者で「両立支援のひろば」に次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者
※厚生労働省「両立支援のひろば」(https://ryouritsu.mhlw.go.jp/hiroba/search_int.php)
引用:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(15次締切分)
「えるぼし認定」「くるみん認定」は、どちらも労働者にとって働きやすさにつながる制度です。
えるぼし認定 | 女性の活躍促進が優良な企業を認定する制度 |
くるみん認定 | 子育て支援や少子化対策などで一定の基準を満たした企業を認定する制度 |
製造業を始め、さまざまな業界が人手不足に陥っています。その対策としても使えるのが「ワーク・ライフ・バランスへの取り組み」です。
2つの認定制度を受けておくと、働きやすさのアピールにもなります。
ものづくり補助金に申請するのなら、ぜひ認定を受けておきましょう。
加点項目が多いと、そのぶんものづくり補助金の採択率は上がっていきます。そこで採択率を高めたいと考えているのなら、加点項目は要チェックです。採択率を高めるためにも、ぜひ1つでも多くの加点項目を満たしたうえで申請しましょう。
そんなときは、補助金申請の支援を行っている専門家への相談がおすすめの方法です。加点項目を知るためには、複雑な公募要領を読み解かなくてはなりません。専門家に相談すると、公募要領の内容や加点項目について、わかりやすく説明してくれます。
自社だけで確認・申請するよりも、採択率を高めることができるでしょう。
加点項目についての相談もできますので、ぜひ専門家への相談を検討してみてください。
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