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ものづくり補助金14次で確認しておくべき審査項目

ものづくり補助金14次で確認しておくべき審査項目

ものづくり補助金14次の公募要領が発表されました。

今回は、その中かから確認しておくべき審査項目や13次からの変更項目について解説します。

14次では最大2,250万円まで補助されるので、ぜひこの機会にものづくり補助金の申請を検討してみてください。

 

ものづくり補助金13次から14次への変化

ものづくり補助金13次から14次への変化

ものづくり補助金14次では、3つの変化がありました。

それぞれの変化を、下記の表にまとめました。

 

変更ポイント詳細
グリーン枠について、温室効果ガス排出削減取組に応じた3段階の補助上限額の設定・エントリー…750~1,250万円以内
・スタンダード…1,000~2,000万円以内
・アドバンス…2,000~4,000万円以内
海外展開支援の強化①補助下限額を1,000万円から100万円に引き下げ
②一部の類型でブランディングやプロモーションなどに要する費用を補助対象経費に追加
大幅な賃上げに係る補助上限額引上の特例補助事業終了後、3~5年で大幅な賃上げに取り組み事業者に対し、申請枠の補助上限を100~1,000万円、更に上乗せ

 

各種類型などによっても異なりますが、13次と比べて、補助金を使える幅が広がりました。

 

ものづくり補助金14次の基本的な審査項目

ものづくり補助金14次の基本的な審査項目

ものづくり補助金14次の基本的な審査項目について見ていきましょう。

基本的な審査項目は、「技術面」「事業化面」「政策面」の3つに分かれます。

それぞれの審査項目を、以下の表にまとめました。

 

審査項目詳細
技術面・取組内容の革新性
・課題や目標の明確さ
・課題の解決方法の優位性
・技術的能力
事業化面・事業実施体制
・市場ニーズの有無
・補助事業の成果の優位性・収益性
・事業化までのスケジュールの妥当性
・補助事業としての費用対効果
政策面・地域経済への波及効果
・ニッチトップとなる潜在性
・事業連係性
・イノベーション性
・事業環境の変化に対応する投資内容

 

加点項目

加点項目の詳細について、以下の表にまとめました。

加点項目詳細
成長性加点・有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者
政策加点・創業・第二創業後間もない事業者
・パートナーシップ構築宣言を行っている事業者など計8項目
災害等加点・有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者
賃上げ加点等・給与支給総額の増加、事業場内最低賃金の水準
・被用者保険の適用拡大の対象

 

上記の表にある「経営革新計画」「事業継続力強化計画」「パートナーシップ構築宣言」などの意味について、以下で解説します。

  

経営革新計画とは?

経営革新計画とは、その企業の経営計画が将来確実に事業を発展させる計画であるかを、国や都道府県が承認するものです。

東京産業労働局では、以下のように定められています。

経営革新計画は、中小企業が「新事業活動」に取り組み、「経営の相当程度の向上」を図ることを目的に策定する中期的な経営計画書です。計画策定を通して現状の課題や目標が明確になるなどの効果が期待できるほか、国や都道府県に計画が承認されると様々な支援策の対象となります。

引用元:経営革新計画|中小企業支援|東京都産業労働局

 

事業継続力強化計画とは?

事業継続力強化計画とは、中小企業向けの防災・減災の事前対策計画です。

自然災害に加えて、コロナウイルスなどの感染症に対応した「事業継続力強化計画」も策定できます。

認定制度については、中小企業庁で以下のように定められています。

中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が「事業継続力強化計画」として認定する制度です。認定を受けた中小企業は、税制措置や金融支援、補助金の加点などの支援策が受けられます。

引用元:中小企業庁:事業継続力強化計画

 

パートナーシップ構築宣言とは?

パートナーシップ構築宣言とは、企業規模にかかわらず、企業が発注者の立場で自社の取引方針を宣言する取り組みです。

中小企業庁では、以下のように定めています。

「パートナーシップ構築宣言」とは、企業規模の大小に関わらず、企業が「発注者」の立場で自社の取引方針を宣言する取組です。企業は代表者の名前で、「サプライチェーン全体の共存共栄と新たな連携(企業間連携、IT実装支援、専門人材マッチング、グリーン調達等)」「振興基準の遵守」に重点的に取り組むことを宣言します。

引用元:中小企業庁

 

個別枠の審査項目

個別枠の審査項目

個別枠というのは「グリーン枠」「グローバル市場開拓枠」「大幅賃上げに取り組む事業者」の3つです。

個別枠については、審査項目と合わせて、申請要件や補助率についても解説します。

 

グリーン枠

グリーン枠は、14次から申請類型が3つに増えます。

補助金上限額は、温室効果ガス削減の取り組みや、従業員規模によって異なります。

温室効果ガス削減の取り組みは、以下、大枠3つに分かれます。

 

1・エネルギーの使用量及びCO2排出量の把握
・電気、燃料の使用量の用途別の把握
2・自社及び業界・産業全体での温室効果ガス削減に貢献する開発に取り組む製品・サービスへの取り組み
・再生可能エネルギーに係る電気メニューの選択
・再生可能エネルギーの自社発電の導入
・グリーン電力証書の購入実績
3・J-クレジット制度の活用実績
・SBT若しくはRE100への参加
・省エネ法の定期報告の評価において『Sクラス』に該当若しくは、省エネルギー診断を受診

 

上記を踏まえた上で、申請類型や従業員規模による補助条件金額を見ていきましょう。

 

 

申請類型条件従業員規模による補助金上限額
エントリー1のいずれか1つを満たす・5人以下…750万円以内
・6~20人…1,000万円以内
・21人以上…1,250万円以内
スタンダード1をすべて満たし、2のいずれかを満たす・5人以下…1,000万円以内
・6~20人…1,500万円以内
・21人以上…2,000万円以内
アドバンス1をすべて満たし、2のいずれか2つ以上、3のいずれか1つを満たす・5人以下…2,000万円以内
・6~20人…3,000万円以内
・21人以上…4,000万円以内

  

申請要件と、審査項目については、以下のとおりです。

 

申請要件・温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発であること又は炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善であること
・3~5年の事業計画期間内に、事業場単位での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業であること
・これまでに自社で実施してきた温室効果ガス排出削減の取組の有無(有る場合はその具体的な取組内容)を示すこと
審査項目(炭素生産性向上の取組等の妥当性)・温室効果ガス削減等に資する投資
・ 設備投資効果の妥当性
・ 設備投資の効果、根拠
・ 継続的な取組実施

 

グローバル市場開拓枠

グローバル市場開拓枠には、以下4つの類型があります。

 

  • ・海外直接投資類型
  • ・海外市場開拓(JAPANブランド)類型
  • ・インバウンド市場開拓類型
  • ・海外事業者との共同事業類型

 

グローバル市場開拓の審査項目は、以下のとおりです。

 

  • ・実施体制、事業計画、遂行能力の有無
  • ・市場調査分析、国際競争性
  • ・国内地域の需要・雇用の創出
  • ・マーケティング戦略の内容

  

大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例

大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例では、基本要件に加えて、以下の要件をすべて満たす3~5年の事業計画を策定していなければいけません。

 

  • ・給与支給総額を年率平均1.5%以上増加に加え、更に年率4.5%以上(合計で年率6%)増加
  • ・事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準とすることに加え、年額+45円増額
  • ・応募時に上記2つの達成に向けた具体的かつ詳細な事業計画の提出

審査項目については、以下のとおりです。

 

  • ・賃上げ計画の内容及びその根拠
  • ・継続性、企業の成長の見込み

 

審査項目をおさえてものづくり補助金を活用しましょう

審査項目をおさえてものづくり補助金を活用しましょう

ものづくり補助金14次の審査項目について解説しました。

14次公募の拡充・見直しについては、以下の記事を参考にしてください。

【ものづくり補助金】14次公募における見直し・拡充

14次公募の申請受付期間は2023年3月24日から4月19日までです。

14次公募について、不明点や疑問点があれば、補助金の専門家に相談してください。


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