世界的に見ても高い技術力を持っているのが、日本の製造業です。
しかし日本の製造業は、さまざまな課題を抱えています。現在は自然災害や感染症流行などの影響によって、苦境に立たされている企業も多いでしょう。
そこで本記事では、製造業が抱える4つの大きな課題と、その解決に使える方法を紹介します。
課題解決をお考えでしたら、ぜひ内容を参考にしてください。
日本の製造業はさまざまな課題を抱えています。
そのなかでも特に大きな課題であるのが次の4つです。
それぞれについて内容を確認していきましょう。
製造業も含めて、近年の日本では労働力の減少が大きな課題です。
日本の人口は2008年から減少に転じており、2050年には1億人以下になると予測されています。労働力人口の減少によって引き起こされるのが、人材不足・事業規模の縮小・競争力の低下です。
高い技術力があったとしても、人材が不足すれば思うような経営はできません。人材が獲得できずに事業を縮小すると、競合他社や海外との競争力も低下してしまうでしょう。
しかし総人口・労働力人口は、一企業の努力によって増やせるようなものではありません。仮に人口に増加の傾向が見られたとしても、労働力人口が増えるまでには一定の年月が必要です。
そのため労働力が減少しても対応できるよう対策していく必要があります。
日本の製造業では、サプライチェーンの分断も大きな課題です。
大規模災害の発生や世界的な感染症の流行は、サプライチェーンの分断を引き起こし、製造業に影響を及ぼします。災害や感染症の影響を受けて、部品の調達が困難になった経験を持つ企業も多数です。
製造業は、調達・生産・物流・販売によって成り立っています。その流れの分断により、生産ライン停止や廃業に追い込まれた企業も多いでしょう。
不確実性が高く、見通しの立ちづらい世界で、どう事業を展開するべきか考えていく必要があります。
日本の製造業は、国際的な競争力の低下も課題です。
1990年代ごろから、日本の製造業は国際競争力が低下していると指摘されています。
2016年の世界製造業競争力指数で1位を獲得したのは中国です。この指数では「ものづくり大国」として評価されていた日本が4位に留まっています。
国際競争力に大きく影響すると考えられているのが、人材・コスト競争力・生産性です。競争力の低下により、海外企業に仕事を奪われた企業も増えてきています。
国際競争力を高めるためには、スマートファクトリーの実現など、人件費を抑える工夫が必要です。
設備の老朽化も、日本の製造業が抱えている課題の1つです。
経済産業省の「ものづくり白書」によると、製造業での設備投資は2019年から停滞の傾向にあります。
IT化・デジタル化を進めていくのなら、設備投資は必要不可欠です。老朽化した設備は故障を起こしやすいだけでなく、生産性の低下につながってしまいます。
もちろん「なるべく早い段階で設備の入れ替えをしたい」と考えている経営者も多いでしょう。しかし設備の入れ替えには費用が必要です。その費用が捻出できなければ、設備投資は難しくなってしまいます。
製造業が抱える課題の解決策についても紹介します。
代表的な解決策は次の4つです。
解決策は、自社が抱える課題に合ったものを選ぶのが大切です。状況によっては、複数の解決策を組み合わせる必要も生じるでしょう。
課題解決方法についても、ぜひ内容をご確認ください。
少子高齢化による労働力の減少により支障が出ているのなら、デジタル化による労働環境の改善が効果的です。
労働環境が改善すれば、従業員のワークライフバランスも向上します。ワークライフバランスが向上すれば、離職率の低下につなげられる可能性が高いでしょう。
代表的な改善方法として考えられるのが次の2つです。
危険度の高い作業に産業用ロボットを導入すると、業務の効率化につながるうえのに、従業員の安全も守れます。
スマートファクトリーとは、設備をネットワークに接続して、自動で稼働できる工場です。自動で稼働できる工場なら、人間にかかる負担を減らせるだけでなく、生産性も向上します。
労働環境改善のためにも、デジタル化の推進を考えてみましょう。
製造業の課題を解決するのなら、サプライチェーンの再構築も検討してみる必要があります。
災害・感染症を受けて自社の脆弱性が顕在化したのなら、サプライチェーンの再構築が効果的です。原材料の調達方法・製品の生産方法・物流の見直しを行ってみてください。
「ものづくり大国」であるだけでなく、「災害大国」とも呼ばれているのが日本です。自然災害は予測もできず、防ぎきることもできません。遠くない未来に、また大きな自然災害が起こる可能性も考えられます。
そのため災害が発生しても稼働できるような仕組みづくりが大切です。
単に現状を回復するだけでなく、柔軟かつ効率的なサプライチェーンの再構築が求められます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)化の推進も、製造業での課題解決に役立ちます。
変化していくビジネス環境に適応するために必要だと考えられているのがDXです。DXが進むと、組織全体をデジタル化できます。
ただし推進にあたっては、技術やツールの導入だけでなく、IT知識を持った人材の確保が必要です。また企業の状況ごとに適切な方法が違ってくるため、DX化するなら思考錯誤することになるでしょう。
それでもDX化に成功すれば自社の競争力を高められます。ところが経営者側のDX化に対する理解の浅さから、未着手の企業も多いのが現状です。
課題を解決し、競争力を高めるためにも、DX化の推進を検討してみてください。
課題解決を考えているのなら、国や自治体などによる補助金を活用するのがおすすめです。
デジタル化による労働環境の改善・サプライチェーンの再構築・DX化の推進は課題解決に効果的ですが、どうしてもコストがかかります。そのコストの捻出が難しく、課題を解決できずに悪循環となっている企業も多いでしょう。
そんなときに使えるのが、国や自治体などによる補助金です。人材育成や設備投資などを考えているのなら、活用できる補助金があるかもしれません。
ただし補助金の種類はさまざまで、それぞれ期間や上限金額、対象者などに違いがあります。そこで自社の状況に合った補助金を探して、活用を検討してみるのがおすすめです。
製造業ならではの課題に悩まされているのなら、ぜひ紹介した内容を参考に解決を考えましょう。
コストの問題によって課題解決が難しいときには、補助金を活用する方法があります。ただし補助金は種類も多く内容も複雑であるため、「わかりづらい」「何がよいかわからない」と感じるかもしれません。
そんなときは、補助金支援を行っている専門家のサポートを受けるのも方法の1つです。資格を持った補助金支援の専門家であれば、自社の状況に合ったベストな補助金を提案してくれます。
スピーディーに課題を解決するためにも、ぜひ補助金支援の専門家に相談してみましょう。
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