中小企業省力化投資補助金(一般型)の第1回公募の採択結果が公開されました。
弊社(株式会社NewBeginnings Japan)のサポートしたお客様も無事に採択されておりました。
本記事では、この結果概要から読み取れる採択企業の傾向や特徴、申請成功のポイントをわかりやすく解説します。
また、今後公募が予定されている第3回の申請に向けて、押さえておくべき情報や準備のポイントについても詳しくご紹介します。
1 省力化投資補助金(一般型))とは
2 省力化投資補助金第1回の採択結果分析
2-1 申請件数・採択件数・採択率
2-2 業種別の採択件数割合
2-3 採択者における申請した経費金額の分布
2-4 従業員数別の採択割合
3 採択事例
3-1 製造業における採択事例
3-2 宿泊業における採択事例
4 中小企業省力化投資補助金(第3回公募)
4-1 補助上限・補助率・補助事業要件
4-2 第3回公募の日程
まとめ
引用:https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/about/
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に悩む中小企業が、IoT・ロボット・業務システムなどのデジタル技術を活用した設備を導入する際の費用の一部を補助する制度です。
この補助金により、省力化を後押しし、中小企業の生産性や付加価値の向上を図ることで、賃上げにつなげることを目的としています。
今回の中小企業省力化投資補助金(一般型)第1回公募では、全国から1,809件の申請がありました。
そのうち1,240件が採択され、採択率は約68.5%となりました。
【中小企業省力化補助金(一般型)の第1回における申請数・採択数の推移】
申請数 | 採択数 | 採択率 |
1,809件 | 1,240件 | 68,5% |
参考までに、他制度の直近の公募回における採択率は以下の通りです。
事業再構築補助金(第13回公募)では、応募3,100件に対し採択1,101件で採択率は約35,5% ものづくり補助金(第18次公募)では、応募5,777件に対し採択2,070件、採択率は約35.8% |
直近の事業再構築補助金やものづくり補助金と比較すると、比較的高い採択率であることがわかります。
【ものづくり補助金における採択率の推移】
今回の中小企業省力化投資補助金(一般型)の第1回公募では、採択率が68.5%と高水準でした。しかし、これをもって「次回以降も同じ採択率が続く」と考えてはいけません。過去の「ものづくり補助金」でも第1回は高採択率でしたが、第2回以降は応募数の増加や審査の厳格化により採択率が低下しています。
補助金制度は、公募を重ねるごとに申請数が増え、競争が激しくなる傾向があります。今回の結果に安心するのではなく、次回以降に向けて早めに準備を始め、戦略的な申請を進めることが重要です。
業種別の採択件数割合を見ると、製造業が全体の約61.7%を占めており、人手不足の深刻化や設備投資の積極性が背景にあると考えられます。専用機械の導入による生産体制の効率化は、補助金の趣旨とも合致し、高く評価されたと見られます。
一方で、サービス業や卸売業、小売業などでも、接客や在庫管理、事務作業の自動化による省力化が評価されており、実際の採択事例を参考にすることで、自社に合った活用のヒントが得られるでしょう。
上記表は補助金申請額を指しているため、実際の申請した経費の金額の1/2〜1/3の値となっています。
結果としては、1,500万円以上〜1,750万円未満で採択された事業者が最も多いという結果となりました。(申請した経費の額に換算すると3,000万円~3,750万円の範囲となります)
また、補助金申請金額の分布では主に2つの傾向が明らかとなりました。(下の表参照)
補助金申請額の範囲 | 傾向 |
250万円~1,750万円 | 補助金申請額が増加するにつれて採択率が増加する傾向にある |
1,750万円~1億円 | 補助金申請額が増加するにつれて採択率が低下する傾向にある |
中小企業省力化投資補助金では、補助金の申請額が一定額を超えると「口頭審査」が行われることが公募要領に明記されています。(※)
そのため、対象経費の額が3,750万円を超える場合は、通常よりも厳密な審査が行われることが想定されます。
※第3回公募では、一定の基準で事業者選定と明記されています。
従業員数別の採択割合を見ると、「21〜30人以下」が最も多く13.2%を占めています。
また、「20人以下」の企業をすべて合計すると全体の44.4%にのぼり、従業員数の少ない企業ほど採択されやすい傾向があることがわかります。
中小企業省力化投資補助金(一般型)の第1回公募の採択された事例として、以下のようなケースがあります。
上記の取り組みでは、①〜④の設備を導入することで生産性向上や省人化が期待できる事業計画となっております。また、上記計画は、これまで熟練工が行っていた作業を機械化することで製品のバラツキや加工精度の向上も視野に入れて構想されています。
中小企業省力化投資補助金(一般型)の第1回公募の採択された事例として、下のようなケースがあります。
上記の例では、「宿泊業務一元管理システム」の導入により、フロント業務の効率化と省人化が期待できる事業計画となっています。さらに、このシステムを活用することで、顧客満足度の向上にも繋がる取り組みであることが記載されています。
中小企業省力化投資補助金(一般枠)では機械や設備のみが対象となるイメージをお持ちの方も多いと思いますが、本補助金では「システム構築」も対象経費として認められています。そのため、DX(デジタル化)による業務改革を考えている事業者にも非常にマッチした補助金となります。
中小企業省力化投資補助金(一般型)における第3回公募の詳細は以下の通りです。
【補助事業要件】
中小企業省力化投資補助金(一般型)の申請を行うためには、以下①〜④の要件を全て満たす事業計画を策定する必要があります。
①労働生産性の年平均成長率を+4.0%以上増加させること ②以下の(1)、(2)のうちいずれかの条件を満たすこと (1)給与支給総額の年平均成長率を+2.0%以上増加させること (2)1 人当たり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都 道府県における最低賃金の直近 5 年間の年平均成長率以上増加こと ③事業場内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30 円以上の水準 ④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等(従業員 21 名以上の場合のみ)※1 |
※1従業員数が21名以上の事業者は、交付申請までに「両立支援のひろば」で一般事業主行動計画を公表しなければいけません。すでに公表済みの場合はURLを、本補助金申請時点で未公表の場合は公表予定であることを宣誓する必要があります。
【補助対象経費】
中小企業省力化投資補助金(一般型)の補助対象経費は以下の通りです。
補助対象経費 | 備考 |
機械装置・システム構築費 | 機械・装置、工具・器具(測定工具・検査工具、電子計算機、デジタル複合機等)の購入、製作、借用に要する経費 |
運搬費 | 運搬料、宅配・郵送料等に要する経費 |
技術導入費 | 本事業の実施に必要な知的財産権等の導入に要する経費 |
知的財産権等関連経費 | 生産・業務プロセス改善に必要な知的財産権の取得にかかる経費 |
外注費 | 専用設備の設計等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費 |
専門家経費 | 本事業の実施のために依頼した専門家に支払われる経費 |
省力化投資補助金(一般型)では、機械装置・システム構築費は必ず入れる必要があり、単体で50万円以上であることが申請の必須条件となります。
補助対象経費の詳しい詳細は中小企業省力化投資補助金(一般型)の第3回公募要領をご確認ください。
【補助上限額】
中小企業省力化投資補助金(一般型)の補助上限額は以下の通りです。
従業員数 | 補助上限額 (大幅賃上げ特例適用時) |
5人以下 | 750万円 (1,000万円) |
6〜20人 | 1,500万円 (2,000万円) |
21〜50人 | 3,000万円 (4,000万円) |
51〜100人 | 5,000万円 (6,500万円) |
101人以上 | 8,000万円 (1億円) |
【補助率】
中小企業省力化投資補助金(一般型)の補助上限額は以下の通りです。
事業者 | 補助金額が1,500万円まで | 1,500万円を超える部分 |
中小企業 | 1/2(2/3)※1 | 1/3 |
小規模事業者・小規模事業者 再生事業者※2 | 2/3 | 1/3 |
※1( )内は大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例適用時の補助率となります。
※2本事業における再生事業者の定義は公式ホームページをご確認ください。
中小企業省力化投資補助金(一般型)の第3回公募の日程は以下の通りです。
項目 | 日程 |
公募開始日 | 2025年6月27日(金) |
申請受付開始日 | 2025年8月4日(月)10:00 |
公募締切日 | 2025年8月29日(金)17:00 |
採択発表日(予定) | 2025年11月下旬(予定) |
※本補助金のスケジュールは急遽変更となる可能性があります。日程変更などに対して慌てて対応することの無いよう、定期的に公式ホームページを確認しましょう。
本記事では中小企業省力化投資補助金(一般型)の第1回公募の採択結果の分析とそれを踏まえた第3回公募に向けた準備に必要な情報をご紹介しました。
中小企業省力化投資補助金(一般型)は最大1億円の補助額や幅広い補助対象経費が魅力的な補助金となります。また、採択率も他の同規模の補助金と比較すると高い傾向にあります。この機会に、中小企業省力化投資補助金(一般型)の申請にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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