「DXを進めたい。でも、何から始めればいいのか分からない……」
そんな悩みを抱える中小企業に向けて、東京都が支援を強化しています。
DX推進助成金は、ICT・IoT・AIなどのデジタル技術を活用して業務改善や生産性向上を図る企業に対して、導入費用の一部を助成する制度です。
本記事では、DX推進助成金の申請方法や活用方法をわかりやすく解説します。
目次
1 DX推進支援事業とは
1-1 DX戦略策定コース・生産性向上コースの詳細
2 DX推進助成金とは
2-1 助成対象要件
2-2 助成対象事業
2-3 助成対象経費
2-4 助成上限額・助成率
2-5 賃金引上げ計画とは
3 申請方法
4まとめ
引用:デジタル化推進ポータル
「DX推進支援事業」は、東京都が企業のDXを総合的に支援する制度で、アドバイザー派遣などの支援サービスが受けられます。
支援内容は、「DX戦略策定コース」と「生産性向上コース」の2種類があり、目的に応じて選べます。
DX推進助成金を申請するためには、事前に「DX戦略策定コース」か「生産性向上コース」のいずれかの支援を受ける必要があります。
DX戦略策定コースと生産性向上コースの詳細は、派遣回数のみ異なります。
各コースの詳細は、以下の通りです。
【対象者】
1. 東京都内に登記簿上の本店または支店があること 2. 中小企業者又は個人事業主であること 3. 東京都内で実質的に事業を行っている事業者であること |
【派遣場所】
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県 |
【費用】
DX戦略策定コース・生産性向上コース共に、費用は無料となります。
【派遣回数】
DX戦略策定コースと生産性向上コースでは、専門家の派遣回数が異なります。
詳細は以下の表のとおりです。
コース名 | 現地調査 | トータル支援(1年目) | トータル支援(2年目) |
DX戦略策定コース | 最大2回 | 最大16回 | 最大12回 |
生産性向上コース | 最大2回 | 最大10回 | 最大8回 |
【実施期間】
DX戦略策定コース・生産性向上コース共に、支援終了まで3ヵ月〜2年の期間がかかります。
【注意】
DX推進助成金は、「DX戦略策定支援コース」または「生産性向上コース」のアドバイザー支援を受けた方のみが申請できます。
現時点で支援を受けていない方は、令和7年度第1回申請には間に合わないため、次回以降の申請に向けて準備を進めましょう。
DX推進助成金は、東京都内の中小企業が、デジタル技術を活用して業務の効率化や企業改革を進めるために、データ整備や先端技術導入に必要な費用を支援する助成金です。
この制度は、企業の成長と持続的な発展を目指し、DX推進を後押しすることを目的としています。
DX推進助成金の助成対象要件は、以下の要件を全て満たす必要があります。
① 中小企業者又は個人事業者であること ② 東京都内に本店又は支店があること ③ DX推進支援事業における、アドバイザーの派遣支援を受けていること |
DX推進助成金には、「DX戦略策定支援コース」と「生産性向上コース」の2つの支援コースがあり、アドバイザー支援を受けたコースに応じて申請できるコースが決まります。
各コースの詳細は以下の通りです。
DX戦略策定支援コース
DX戦略策定支援コースは、下記の①〜③の要件をすべて満たす事業が該当します。
①将来にわたり継続的にDX化を図る取組であること ②DX戦略が具体化していること ③公社が実施するDX推進支援事業のアドバイザー派遣(DX戦略策定支援コース)において、アドバイザーが認めた取組であること |
(DX戦略策定支援コースの対象事業例)
①小売業において、直販所の売れ行きを可視化し、出品者と消費者の両面からサービスの高度化や提供価値向上を実現する。 ②サービス業において、顧客毎のアンケートデータを活用、そのデータとデジタル技術を活用することで、無人サービスの展開につなげる。 ③サービス業において、これまでの事業基盤で得たビッグデータを活用し、新たな事業分野である飲食メニュー開発を実現する。 |
生産性向上コース
生産性向上コースは、下記の①・②の要件をすべて満たす事業が該当します。
①将来にわたり継続的に自社業務の生産性の向上を図る取組であること ②公社が実施するDX推進支援事業(生産性向上コース)のアドバイザー派遣において、アドバイザーが認めた取組であること |
(生産性向上コースの対象事業例)
①製造業において、帳票類や作業指示書を電子化し、更にはデータとの紐づけを行う等、業務プロセスの見直し・再設計を行う。 ②製造業において、繁忙・閑散の見える化システムを導入し、中長期の受注計画を共有、時期に応じた人員配置等の的確な意思決定につなげる。 |
DX推進助成金の助成対象経費は、以下の通りです。
①機器ロボット導入費 ②システム構築費③ソフトウェア導入費④クラウド利用費⑤データ分析費 |
※本助成金の補助対象経費において単体で費用が、税抜き価格100万円以上の場合は2社以上の見積書が必要となります。(①~⑤全ての経費が対象になります)
DX推進助成金における補助上限額・助成率は、以下の通りです。
【補助上限額】
補助上限額 | 補助下限額 |
3,000万円 | 30万円 |
【補助率】
DX推進助成金の補助率は、以下の表の通りです。
対象者 | 生産性向上コース | DX戦略策定支援コース |
中小企業者 | 1/2以内 | 2/3以内 |
小規模事業者 | 2/3以内 | - |
中小企業者(賃金引上げ) | 3/4以内 | 3/4以内 |
小規模事業者(賃金引上げ) | 4/5以内 | 4/5以内 |
働き方改革推進枠 | 4/5以内 | 4/5以内 |
DX推進助成金では、賃金を一定以上引き上げる計画を立てて実行することで、助成率がアップします。
「賃金引上げ要件」を満たすには、次の①と②の両方を満たす必要があります。
①助成金の計画期間中に支払う従業員の給与支給総額を、過去1年間の給与支給総額(非常勤を含むが役員や個人事業主の代表は除く)2%以上増加させること ②事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること。 |
※①の給与支給総額は、賃金台帳に記載されている差し引き支給額を指します。
(賃金引き上げ計画の達成例)
給与支給総額 | 地域別最低賃金 | |
基準期間 | 30,000,000円 | 1,200円 |
賃金引き上げ計画期間 | 33,000,000円 | 1,250円 |
増加率 | +10%(達成) | +50円(達成) |
※上記表では、地域別最低賃金を1,200円と仮定して計算しています。地域別最低賃金は各都道府県により異なるので、事前に確認しておきましょう。
(賃金引上げ計画のスケジュール)
※基準期間は令和6年6月から令和7年5月までの1年間になります。
※「賃金引上げ計画期間」とは、助成事業完了日が属する月の翌月から起算した12か月間を指します。
DX推進助成金は、事前の手続き等があるのでスケジュールに余裕をもって申請を行うことが重要です。申請方法は、以下の図の通りです。
①アドバイザー支援
DX推進助成金の申請を行うためには、東京都のDX推進支援事業に元づいた「DX戦略策定支援コース」「生産性向上コース」のいずれかの支援を受ける必要があります。
アドバイザー支援に関する詳しい詳細は、本記事の第1章をご確認ください。
現時点で支援を受けていない方は、DX推進助成金の令和7年度第1回の公募に間に合わないので次回以降の公募に備えて準備を進めましょう。
②事前予約をする
DX推進助成金では、申請前に事前予約を行う必要があります。事前予約をしていない場合、本助成金への申請はできないので必ず予約をしましょう。
(事前予約期間)
令和7年5月15日(木)~6月16日(月) |
令和7年第1回のDX推進助成金事前予約画面は、公式ホームページよりご確認ください。
③申請書類の準備をする
DX推進助成金では、事前予約が完了した事業者にのみ申請書類(様式)がメールにて送付されます。
生産性向上コースとDX戦略策定支援コースは、それぞれ申請書様式が異なるので注意が必要です。
申請書類の一覧をご確認したい方は、募集要項のP19ページをご確認ください。
④電子申請を行う
DX推進助成金では、デジタル庁が運営する補助金・助成金の電子申請システム「jGrants」を用いて、電子申請を行います。
jGrantsの利用には、GビズIDのプライムアカウントが必要になります。GビズIDプライムアカウントの発行には、約1週間かかるので事前に準備が必要になります。
現時点でGビズIDを発行されていない方は、GビズIDの公式ホームページより登録を行いましょう。
本記事では、東京都のDX推進助成金について解説しました。
DX推進助成金は専門アドバイザーからの支援を受け、それに基づいた経費導入をおこなうことで最大3000万円が助成される制度です。
専門アドバイザーの伴走支援と、設備・システム導入への補助がセットになっており、DX化に不安がある企業でも安心して取り組める制度となっております。
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