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ものづくり補助金の事業化状況報告の手順を徹底解説



ものづくり補助金で採択された事業者は補助金受給後に「事業化状況報告」を行う必要があります。
事業化状況報告は事務局が補助事業の効果を確認するための重要な手続きで、報告を怠ると補助金の返還を求められるため忘れないようにしましょう。
本記事では、ものづくり補助金の事業化状況報告の手順を分かりやすく解説していきます。


目次
1 事業化状況報告とは

2 事業化状況報告の詳細

2-1 報告項目

2-2 事業化状況報告のタイミング

2-3 報告の流れ

3 事業化状況報告における注意点

3-1 収益納付制度とは

3-2 ものづくり補助金における返還リスク

3-3 事業化状況報告の不明点を解決するためには?

4 まとめ


1 事業化状況報告とは


ものづくり補助金における「事業化状況報告」とは、補助金を受けた事業者が毎年、補助事業の実施状況や成果について事務局に報告するための手続きです。 


2 事業化状況報告の詳細


2-1 報告項目

補助事業者は、補助事業終了後6年間にわたり以下の内容を報告する必要があります。


①事業化状況・知的財産権等報告書

②事業化状況等の実態把握調査票

③返還計算シート

④直近の決算書

⑤報告年3か月分の賃金台帳


※詳細は公式ホームページをご確認ください。


2-2 事業化状況報告のタイミング

ものづくり補助金における初めての事業化状況報告は、補助金の額の確定を受けたタイミングにより異なります。詳細は以下の通りです。


補助金の確定時期2月末3月以降
報告時期同年の4月~5月翌年の4月~5月
(例)2024年2月末までに補助金の確定を受けた場合

➡2024年4月1日〜2024年5月31日の間に報告を行う。
2024年3月以降に補助金の確定を受けた場合

➡2025年4月1日~2025年5月31日の間に報告を行う

ものづくり補助金における事業化状況報告は事業計画年数に関わらず、1回目の報告から5年間で6回です。 また、報告対象期間は毎年4月〜5月になります。

詳しい情報はものづくり補助金公式サイトをご確認ください。


2-3 報告の流れ

ものづくり補助金における事業化状況報告は「事業化状況・知的財産権等報告システム」から報告します。

※電子申請の方法は上記リンクのページにてログイン➡︎インフォメーション『事業化状況報告機能の操作マニュアル』から確認できます。


3 事業化状況報告における注意点




3-1 収益納付制度とは

ものづくり補助金では、補助事業の成果により収益が得られたと事務局に認められた場合、収益納付を行う必要があります。詳細は以下の通りです。


・自己負担額を超える利益に対して収益納付が発生する。
・受領した補助金の額を上限として収益納付を行う必要がある。


(収益納付の例)

A社はものづくり補助金2000万円を活用して加工機器を開発しました。
自己負担額は2000万円です。

この開発により年間で4000万円の追加売上を達成しました。

累積利益額:4000万円 自己負担額:2000万円 補助金割合1/2

収益納付額=(4000万円-2000万円)×1/2
収益納付額=2000万円

この場合、2000万円が収益納付額の対象となります。

※特定の条件を満たしている事業者については収益納付が免除されます。


・再生事業者である

・事業化状況報告の該当年度の決算が赤字である事業者

・十分な賃上げを行い公益に相当程度貢献している場合
「十分な賃上げ」の詳細は以下の通りです

 1. 給与支給総額を年率平均3%以上増加させていること
 2. 事業場内最低賃金が+90円以上の水準に達していること

3-2 ものづくり補助金における返還リスク

ものづくり補助金では補助金の返還を求められるケースがあります。
詳細は以下の通りです。


事業化状況報告を怠った場合

事業場内最低賃金を地域別最低賃金対比+30円以上の水準とする目標が達成できていない     
 場合

給与支給総額年平均成長率1.5%以上増加させる目標が達成できていない場合


事業場内最低賃金の条件は毎年度+30円以上を達成する必要があります。一方で給与支給額は計画最終年度において年平均1.5%以上(3年の計画の場合は4.5%以上)増加させる必要があります。

※また、賃上げ要件等の未達がある場合、未達報告から18か月間は中小企業庁が管轄する補助金において大幅な減点対象となるため注意しましょう。


3-3 事業化状況報告の不明点を解決するためには?

事業化状況報告の手続きにおいて不明な点がある場合には以下の解決方法があります。


①事務局に直接質問をする
(ものづくり補助金事務局サポートセンター)
受付時間:10:00~17:00(土・日・祝及び12/29~1/3を除く
電話番号:050-3821-7013
メールアドレス:kakunin@monohojo.info

②認定支援機関などの専門家に相談する
認定支援機関や専門家に相談することで事業化報告における不備を無くすことができます。また、アドバイスだけでなく事業化状況における伴走支援を行っている期間もあります。

③事業化状況報告に関する記事を参考にする
公募要領や公式ホームページでは詳しく解説していない部分についても詳しく記載されている場合が多いです。

まとめ


本記事ではものづくり補助金における事業化状況報告の手順について詳しく解説しました。
事業化状況報告は申告漏れや諸条件が満たされていない場合、補助金の返還や今後の補助金申請における減点の対象となる可能性があるため正確に手続きを進めていきましょう。

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