現在、製造業において、DXが注目されています。
なぜなら、少子化や働き手の高齢化にともない、人材不足や技能伝承の問題が深刻化しているためです。
また、既存の設備やシステムをこのまま使い続けていると、ベンダーのサポートが受けられなくなり、「2025年の崖」という、2025年以降に最大12兆円/年の経済損失をもたらすという話もあります。
そのため、製造業においては一刻も早く、DX化に取り組む必要性が高まってきています。
そこで今回は、製造業におけるDX化の課題や導入のメリット、そしてDX化を実現するためのプロセスについて解説します。
DXとは、“デジタルトランスフォーメーション”の略です。
デジタルツールを導入するだけではありません。ビッグデータと、AIやIoTを始めとするデジタル技術を活用して、業務プロセスの改善はもちろんのこと、ビジネスモデルや組織の変革まで行う、幅広い取り組みのことをDXといいます。
現在は多くの業界でDXが注目されていますが、特に製造業はDXと親和性が高く、導入することでさまざまなメリットをもたらすため、積極的にDX化を検討したいところです。
製造業はDXと親和性が高いといわれていますが、実際のところはDX化があまり進んでいません。なぜ進んでいないのかというと、以下の課題があるためです。
冒頭でもお伝えしましたが、製造業における深刻な問題の一つが人材不足です。
「2023年版 ものづくり白書」によると、国内の製造業の就業者数は、2022年は1,044万人。2002年は1,202万人だったため、158万人も減少しています。
また、若年就業者(34歳以下)の数も、2002年の384万人に対して、2022年は255万人となっています。
その一方で、高齢就業者(65歳以上)の数はどんどん増えていて、20年間で32万人も増加しています。
つまり、就業者数が減っていて、なおかつ高齢就業者がどんどん増えているのに、若年就業者が入ってこない状況にあるため、人材の問題は今後さらに深刻化する可能性が高いといえます。
また、製造業ではDXを理解し、導入に向けて進められる社内人材も不足しています。
理由としては、製造業の現場における開発方法のレクチャーや技術力は、OJTを通じた実地での習得というアナログ的手法が一般的なので、ITやデジタルに精通している人材が希少だからです。
人材の確保およびDX人材の採用と育成が、DX化に向けた大きな課題だといえます。
先ほどもお伝えしましたが、製造業では業務の「属人化」が一般的です。
戦後の日本における製造業は「現場主義」「職人主義」のおかげで、大きく発展してきました。ただ、働き手が高齢化し、業務が特定の個人に依存しているため、その業務における技術の継承が困難になってきています。
そのため、今後は属人化ではなく、特定の人物に頼らなくても業務を遂行できる体制や品質の確保、そして技術を共有・継承できる方法を検討する必要があります。
DXを導入する際は、ツールの導入が必要不可欠です。
ただし、企業によって解決したい課題はさまざまで、さらにそのツールも多岐にわたっていることから、どのツールを導入するのが最適なのかの判断が困難な状況にあります。
ツール選定にあたっては、自社の課題を明確に検討できる人物、そしてその課題をもとに最適なツールを選定できる人物の協力が必要不可欠だといえます。
DX化に向けてさまざまな課題はありますが、製造業でDX化ができると、以下のメリットが期待できます。
DX化により、人力で行っていた作業が電子化・自動化ができるようになります。
なぜなら、ロボットや機械を導入することで、人がいなくても業務が成り立つ状況が作れるからです。
そのため、人手不足でも、ロボットや機械で作業が代用できるようになります。
DX化を行うことで、多くの作業は標準化・自動化できるようになります。
その結果、業務が特定の個人に依存する状態ではなくなり、欠員が生じても品質を損なうことなく、業務が行えるようになります。
DX化で機械を導入できれば、作業の精度向上が行えるようになり、ヒューマンエラーを防ぐことができます。
その結果、作業時間の短縮化やコスト削減が行えるようになり、また品質向上も期待できるようになります。
生産性を向上できるようになれば、品質向上、そして短納期を実現できて、価値の向上はもちろんのこと、そもそもの提供価値を変えることも可能になります。
その結果、業務の依頼主となる顧客満足度の向上にもつながります。
それでは、製造業でDXを導入するためには、どのようなプロセスをふめばいいのか。一般的なプロセスを参考までにご紹介します。
まずは、自社における課題が何かを正しく把握します。
そのうえで、DX化を行うことで実現したいゴールイメージを、社内全体で共有する必要があります。
社内の一部ではなく、社内全体での共通認識をもつこと。これがDX化では重要なプロセスとなります。
DX化への取り組みが決定したら、社内における体制を整備します。
とくに、製造業ではITやデジタルに強い人材が不足しているのが現状です。
社内の調整や導入するツールの選定など、DX化にむけた過程においてはさまざまな業務が発生するため、DX化を専任できる部署や担当者の配置が求められます。
もし、社内にまかせられる人材がいない場合は、外部人材を活用するのも手です。ただし、丸投げではなく、しっかりとコミュニケーションを取って取り組む必要があります。
社内における体制整備が完了したら、いよいよDX化に向けたツールの選定・導入作業へとうつります。
選定の際は、ツールを提供している企業と十分にやりとりを行い、自社の環境へのカスタマイズ、もしくはツールに合わせて自社の環境を整備する必要があります。
また、DX化の際にシステムが切り替わることから、このタイミングで仕事のプロセスやビジネスモデルの見直しも、同時に行ってもよいかもしれません。
ツールの導入が完了したら、実際にツールを運用しながら、業務を行います。
実際に業務を行い問題ないかどうか、新たに見つかった課題は何かをしっかりと検証し、そのうえで改善を行うことが重要です。
今回は、製造業のDX化ということで、製造業が現在置かれている状況や課題、導入のメリットやプロセスについて解説しました。
製造業におけるDX化は、まずは一部の部署からはじめるかたちでも大丈夫です。徐々に社内全体のDX化をすすめていきましょう。
なお、DX化にあたっては、補助金を活用する方法もあります。とくにツールの新規導入となると、高額な費用が発生します。補助金なら、その費用の一部があとから受け取ることができるので、積極的に活用することをオススメします。
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