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ものづくり補助金、採択されたらどうする?今後の申請方法や流れを補助金コンサルタントがお答えします。

ものづくり補助金の採択通知が届いてホッとしたのも束の間、実はここからが本当のスタートです

ものづくり補助金は、「採択=自動的にお金がもらえる」制度ではなく、採択後に必要な手続きを踏まなければ、受け取ることができません。

本記事では、そんな「採択された後どうすればいいのか?」という疑問を、新卒社員の熊谷が補助金コンサルタントの清水にインタビュー形式で詳しく伺っていきます。



目次

①ものづくり補助金の採択後の手続きはどのような流れで行われますか?

②交付申請とは何ですか?

③ 補助事業の実施期間中は何を行えばよいのですか?

④実績報告とはなんですか?

⑤確定検査とはどのようなことを行うのですか?

⑥事業化状況報告とは何ですか

⑦補助金はいつ入金されるんですか?税金もかかる?



登場人物紹介

インタビュアー:熊谷(2025年度新卒入社)

2025年に新卒で補助金コンサルティングを行うNew Beginnings Japanに入社。入社後は補助金申請の補助や新規顧客向けの営業を担当。一人前の補助金コンサルタントを目指して猛勉強中。

インタビュー対象者:清水(補助金コンサルタント)

新卒で補助金コンサルティングを行うNew Beginnings Japanに入社。入社後は、事業再構築補助金などの国の補助金に加え、東京都や千葉の地域の補助金や税制優遇制度の申請支援に従事。


①ものづくり補助金における採択後手続きの流れ


清水さん、ものづくり補助金の採択後手続きの流れについて教えてください。


わかりました。ものづくり補助金の採択後手続きは、交付申請→交付決定→事業実施→実績報告→確定検査→補助金入金の順で手続きを進めていきます。
補助金の採択後は、各企業ごとに事務局から専任の担当者が1名つき、進捗管理や相談対応などをしてくれます。わからない点があれば、担当者に都度相談しながら進めていくこと。で、手続きの正確性とスムーズな補助金交付につながりますよ。


ありがとうございます!全体の流れはよくわかりました。
採択後の手続きは、専任の担当者がついてくれるんですね。
全体の流れは理解できましたが、各項目でどのようなことをするかわからないので、交付申請から補助金の入金まで、ひとつひとつ教えていただけますか?


任せてください。入社したばかりの熊谷さんにもわかるように解説していきますね。


②交付申請・交付決定とは

交付申請と交付決定の違いは何ですか?


交付申請とは、補助金や助成金などの公的支援を受けるにあたって、申請者が必要な書類を整え、所定の様式に基づいて提出する手続きのことです。
一方で、交付決定とは、提出された交付申請について行政機関や関係団体が審査を行い、その結果として「この内容で支援を認めます」と正式に判断された段階のことを指します。


交付申請とはどのような手続きをするのですか?


交付申請とは、補助事業の内容や経費の内訳を確認し、事務局に正式に申請する手続きのことです。見積書などをもとに、補助対象経費が妥当かどうか確認するために必要な書類を整える必要があります。
特に、2社以上(本見積りを含む)からの相見積もり書は、価格の妥当性を判断するために重要な書類になります。


ありがとうございます。交付申請とは、どのようなものなのか理解することができました。
申請を行う際に、注意するべきポイントなどはありますか?


まず注意したいのは「交付決定が出るまでは、契約・購入・支払が一切できない」という点です。つまり、交付申請を出しただけでは事業を開始できなくて、事務局から交付決定通知が届くまで待つ必要があります。


ありがとうございます。他に、交付申請の中で気を付けるポイントなどはありますか?


交付申請では、2者以上からの相見積もり書が必要になります。
また、相見積もり書の内容は同一条件で用意する必要があるから、注意が必要です。


ものづくり補助金の交付申請では、相見積もり書が必要なんですね。
特に、同一条件の見積書が必要なことは知らなかったので、私もお客様の申請を支援する際には、注意して取り組みます。
相見積もり書は、お客様に依頼してしまえばいいですよね?


実は相見積もり書の発行が難しいケースがあります。
特定のメーカーしか供給することができない経費は、相見積もり書の発行が難しいです。
その場合は選定理由書という書類を用意する必要がありますが、少し手続きがややこしくなる場合があります。
相見積もり書を発行するためのコツを知りたい方は、是非弊社の無料相談窓口までご相談ください。


③ 補助事業の実施期間について

補助事業の実施期間中には、具体的にどのようなことを行えばよいのですか?


補助事業の実施期間とは、交付決定日から定められた完了期限まで(交付決定から10ヵ月間)のことを指します。この期間中に、補助対象として申請した設備の契約・購入・納品・支払いを完了させる必要があります。
また、事業計画に記載したシステム構築や試作品開発などを進めていくフェーズです。


補助事業の実施期間中に気を付けるべきことなどはありますか?


補助事業は実施期間に注意しながら行う必要があります。
補助事業実施期間以外に発生した経費は補助対象外となってしまうんだ。実施のタイミングを間違えてしまうと、一部の経費が対象外となり、補助金をきちんと受け取れなくなる可能性があるため、注意が必要になります。


ありがとうございます。補助事業の実施期間外に支払いを発生させてしまうと、補助対象外となってしまうのですね。
今後、ものづくり補助金の支援に携わる際には、特に注意を払って取り組んでいきます 。


④実績報告とは

実績報告とは何ですか?


実績報告とは、「補助事業の実施状況を撮影した写真」や「事業内容や経費に関する証憑書類」などを提出することです。
簡単に言うと補助事業の実施結果を交付申請の時と同じ担当者に提出します。


実績報告について理解することができました。
実績報告で気を付けることはありますか?


はい。実績報告では、期限に余裕をもって行うことが重要になります。
必要書類をすべて揃えても、書類不足・不備などで差し戻されることがよくあります。
実績報告を完了させない限り、補助金の請求ができず受け取り期間が延びてしまうから、できるだけ早い段階で着手するのがオススメです。


なるほど。実績報告はしっかりと必要書類を揃えていても、書類不備などの理由で差し戻されることがあるのですね。
ものづくり補助金の報告業務の経験がない人は、特に早い段階で着手したほうがよさそうですね。


⑤確定検査とは

確定検査とはどのようなことを行うのですか?


確定検査というのは、実績報告をもとに、本当に計画通りに補助事業が実施されたかどうかを事務局が最終的に確認するステップのことです。
確定検査では、交付申請・実績報告の担当者が補助事業場所を訪問して、設備の状況や補助事業の成果を確認するから、補助事業の実施段階から確定検査が行われることを念頭において、事業を実施することがオススメですよ。


ありがとうございます。確定検査について理解することができました。


補助金の入金について

補助金はいつ入金されるんですか?


補助金を受け取るタイミングは確定検査の後になります。
精算払請求書を提出することで、補助金が口座に振り込まれますよ。


確定検査後に精算払請求書を提出することで、やっと補助金が入金されるんですね。
補助金の受け取りに関して何か注意点などはありますか。


あります。精算払請求書の提出は期限が定められている点に注意しましょう。
精算払請求を完了していない場合、補助金が受け取れなくなってしまうこともあります。
補助金額の決定後は速やかに精算払い請求を行いましょう。


⑦事業化状況報告とは何

補助金を受け取った後に、毎年事業化状況報告をやると聞いたんですが、何を報告するんですか?について教えてください。


事業化状況報告というのは、補助金を使った事業が本当に目標どおりにできているかどうかを、5年間報告する手続きのことだよ。
補助事業が完了して補助金が支払われたら終わり、というわけではなくて、そこから毎年1回、「売上がどれくらい伸びたか」「給与支給総額が増えたか」などの数字を報告する義務があります。


事業化状況報告の中で気をつけなければいけないことはありますか?


事業化状況報告で気を付けることは下記の表の①~③になります。
事業化状況報告は一年に一回忘れずに報告をすることが大切です。
上記表の①~③のいずれか1つでも実施していない場合は、補助金の返還を余儀なくされてしまうので、注意しておきましょう。


①毎年1回の報告(5月末まで)②最低賃金を毎年30円(特例措置を適用する場合50円)以上引上げ③給与支給総額を年平均で2%(特例措置を適用する場合は6%)以上増加させること。
 ※③の給与支給総額は毎年達成する必要はなく最終年度に目標値を達成していれば要件を満たすことになります。

まとめ

清水さんのおかげで、ものづくり補助金の採択後手続きの流れについて理解することができました。ありがとうございます。


いえいえ、私もものづくり補助金の採択後手続きの流れを改めて整理することができてよかったです。
ものづくり補助金の採択後手続きは初めての方にとっては複雑で難しいと思います。
わからないことがあればいつでも相談してください。


はい。早く一人前のコンサルタントになれるよう勉強します!
今日はここでインタビューを終わります。ありがとうございました。


株式会社New Beginnings Japanから皆様へ


ものづくり補助金の採択後手続きの複雑さや対応に想定以上の時間を要し、本業以上にご負担がかかってしまうケースや、通常受け取れる補助金額の一部が減額される事例も見受けられます。

補助金は本来、事業の成長や本業のさらなる発展を後押しするための制度です。しかしながら、手続きに多くの時間や労力を割かざるを得ず、本業への注力が難しくなってしまうことは、望ましい状況とはいえません。
補助金を効果的に活用したい方は、是非弊社の無料相談窓口をご活用ください。

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