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製造業における品質管理の課題と質を向上させる方法とは?

製造業における品質管理は、高品質な製品をお客様に届けるまでに必要な業務となります。

品質管理の質を向上させるということは、お客様から信頼を得ることにつながり、結果として自社の業績にも大きく関わるくらい重要です。

ただし、お客様が求める品質を満たし、その品質を実現するための管理方法を実行するためには、解決すべき課題が多く存在します。

そこで今回は、製造業における品質管理の重要性をお伝えし、品質管理を構成する3つの要素や解決すべき課題や品質管理の質を向上させる方法を解説します。

製造業における品質管理とその重要性について

まず、製造業における品質管理とは何か。それは、製品を製造してお客様に届けるまでに、一定の品質が保たれているか、不良品が発生していないかを検査・検証して管理するための業務のことをさします。

品質管理は英語だと「Quality Control(クオリティ・コントロール)」となるため、企業内では「QC」「QC活動」とも呼ばれているのが一般的です。

品質管理を行うと、高品質な製品を提供できるようになり、結果として顧客満足度の向上につながっていきます。

もし、品質管理が適切に行われていないと、低品質の製品や不良品が発生するようになり、結果としてお客様からのクレームが発生して、自社そして自社の製品に対する信用が大きく下がることにつながります。

もし、お客様が低品質の製品や不良品に気が付くことなく、そのまま使ってしまった場合は、事故やトラブルにつながるおそれもあります。実際にそのような事態が発生すると、最悪の場合は賠償責任を問われる可能性が十分考えられます。

このように、低品質な製品や不良品をそのままお客様にお届けするということは、結果として、自社の経営を厳しいものへと変えてしまいます。

そのため、これらのトラブルを未然に防ぎ、お客様の安心・安全を提供するためにも、品質管理が重要となってきます。

製造業における品質管理の3つの要素

まずは、製造業における品質管理の3つの要素を確認してみましょう。

工程管理

工程管理とは、製造工程全般の流れを管理する業務です。

作業の手順や工程が、人や場所によって異なると、品質のムラや作業の非効率化が発生する可能性があります。常に一定した品質の製品を提供するためには、こうした手順や工程を統一させることが重要です。

工程管理では、統一させるためのルール決めやマニュアル作成はもちろんのこと、日々の工程や稼働状況、製品の品質を把握しておく必要があります。

それに加えて、製造工程に従事する作業者の訓練や教育や、設備の維持管理も、工程管理の業務範囲に含まれます。

品質検証

品質検証とは、原材料や製品の品質に問題ないかどうかを検証する業務です。

製品の原材料や部品を受け入れる際の「受け入れ検査」、次の工程にうつる際の「工程内検査」、製品完成時の「完成品検査」、製品を倉庫から出荷する際の「出荷検査」など、さまざまな場面で品質検証は行われます。

こうした品質検証を適宜行うことにより、不良品の早期発見を実現し、製品の品質を安定化できるようになります。

品質改善

品質改善は、品質検証で不良品が発生した際に、再発防止に向けた取り組みを行うことや、将来発生する可能性があるリスクへの未然防止などを行う業務です。

品質改善の際は、改善チームの結成、問題解決のための技術や方法の適用、改善結果のモニタリング・評価などを行います。

こうした品質改善の取り組みを行うことで、今後の作業工程における不良品の発生リスクを最小限におさえることができるようになります。

製造業における品質管理の課題

製造業における品質管理は重要だからこそ、さまざまな課題が存在しています。ここでは、どのような課題があるのか。代表的な課題を解説していきます。

人材確保

品質管理では、専門知識を持った人材が欠かせません。常に変化していく環境の中で、新しい技術や問題・課題に柔軟に対応できる人材を確保することは、大きな課題だといえます。

現在、日本および製造業においては、人手不足の状態が続いています。人手不足による業務負担の増加や、品質管理業務に人手を回せなくなるという事態が起こると、そもそもの品質管理がしっかりと行えなくなる可能性があります。

部門間のコミュニケーション

製造工程では、営業、開発、製造など、さまざまな部門に分かれて業務を行っています。部門間が異なるため、しっかりとコミュニケーションが取れていないと、大事な情報が共有されず、品質管理がうまくいかなくなります。

また、品質管理に対する意識や意欲が、部門ごとにバラツキがあると、こちらも品質管理がうまくいかなくなります。部門間における情報共有やコミュニケーションを徹底して行い、会社全体で品質管理に取り組むという意識づけが重要となります。

データ管理と活用

品質管理において、さまざまなデータを取得していますが、取得するだけで、その後がまったく活用できていないのは、非常にもったいないです。データをきちんとまとめているか、分析を行っているか、そして品質管理に活用しているか、あらためて確認してみましょう。

データを取得することが目的ではなく、活用して品質管理に生かすことが目的なので、取得したデータをきちんと管理し、しっかりと有効活用することが重要です。

製造業で品質管理の質を向上させる方法

このような課題が存在する中で、品質管理の質を向上させるためにはどのような方法があるのか、いくつかある中で代表的なものを解説していきます。

従業員教育と意識向上

品質管理の質を向上させるためには、業務に携わる従業員の意識が重要となります。なぜ、品質管理に取り組む必要があるのか。品質管理がどれくらい重要なのか。品質管理は全社的な取り組みだと理解したうえで、最新の技術と知識を習得することが大事です。

また、全社的な取り組みとなるため、部門間でのコミュニケーションを促進し、しっかりとした情報共有を行うことが重要となります。

手順書の作成と標準化

品質管理を行う上で問題になることのひとつが、業務属人化による作業手順のばらつきです。品質管理のプロセスを明確にして、品質を一定にするためには、手順書の作成や業務の標準化を行う必要があります。

手順書は従業員がきちんと理解できる内容にし、一度つくって終わりではなく、定期的に見直しや改善を行う必要があります。業務の標準化が行えるようになれば、欠員が生じても他の人が代わりに業務が行えるようになります。

DXの推進

DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するという方法もあります。デジタル技術を活用して、品質管理のプロセスを変革することは、結果として品質管理の質を向上させることにつながります。

DXを導入するとどうなるのか。一例を紹介すると、製品の原材料から作業工程、責任者にいたるまで、すべての情報をデータで管理し、すぐに情報を確認できる環境を構築できるようになります。その結果、そのデータはリアルタイムで収集・分析まで行えるようになり、さらには品質を予測した対応策までを検討することができるようになります。

実際にDXを推進するとなると、多額の導入コストがかかります。その時に使えるのが補助金です。補助金を使うことで、DX導入の際の費用を軽減させることができるようになります。

まとめ

今回は、今回は、製造業における品質管理の重要性をお伝えし、品質管理を構成する3つの要素や解決すべき課題や品質管理の質を向上させる方法についてお伝えしました。

品質管理の質は、企業の命運を握るといっても過言ではないくらい、重要なものになります。顧客に満足・安心してもらうためにも、品質管理をしっかり行い、質の高い製品を届けていきましょう。

また、品質管理の質を向上させるための方法の1つが、DX導入です。国や各都道府県では、DX導入に向けた補助金が用意されている場合があります。DX導入をお考えの方は、補助金の活用もあわせてご検討ください。


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