企業にとって、自社の経営状況を正確に把握することはとても大切です。
そんな時に役に立つのが、ローカルベンチマーク(ロカベン)です。
ロカベンと言葉自体は聞くことはあっても正直よくわかってない方、使ってみたい方も多いと思います。
この記事を読めば以下のことがわかります。
・ローカルベンチマークとは
・ローカルベンチマークシートの中身
・ローカルベンチマークのメリット
・ローカルベンチマークの作成手順
ローカルベンチマークとは、経済産業省が企業の経営状態の把握を行うためのツールとして策定したものです。
元々は地域企業をサポートするための評価指標・評価手法として検討されたのが始まりでした。
しかし、現在は多くの企業で活用できる「企業の健康診断ツール」として活用されています。
ローカルベンチマークの背景は急激な人口減少にあります。
人口減少が大きな問題となっている地域の経済活動を維持するには、「地域企業が付加価値を創造する」「新たな雇用を創出し続ける」が必要です。
そこで、ローカルベンチマークを活用した企業が経営改善を行うことで、国や都市などより広い範囲に好循環をもたらすことが期待されています。
ローカルベンチマークシートは、「6つの指標」(財務面)、「商流・業務フロー」、「4つの視点」(非財務面)という3枚で構成されています。
財務面では、以下の6つの数値を入力することで同業種と比べてどのような立ち位置かを判断できます。
・売上持続性(売上増加率)
・収益性(営業利益率)
・生産性(労働生産性)
・健全性(EBIDA有利子負債)
・効率性(営業運転資本回転期間)
・安全性(自己資本比率)
6つの指標をチャート図にまとめることで、一目で充実している部分と問題を抱えている部分を把握できます。
業務フローでは、自社の業務の流れについて整理しながら、「差別化ポイント」を発見することを目的にしています。
業務の流れを整理するために、自社の製品・商品・サービスがお客様に提供されるまでの過程・プロセスを5つの段階に分けます。
その一つ一つのプロセスの中で自社の工夫やこだわりを記載していきます。
商流とは「取引の流れ」のことです。
ここでは、自社のビジネスがどのような取引関係から成立しているかを把握します。
ビジネスに関わる、仕入れ先・協力先・得意先・エンドユーザーの4つの観点で整理していき、なぜ当社が選ばれているのかをまとめます。
経営者、事業、企業を取り巻く環境・関係者、内部管理体制という4つの視点で、企業の現状を整理します。
①経営者
経営理念、ビジョン、経営意欲、後継者の有無などを見える化します。②事業
事業の沿革、企業の強み・弱み、IT投資・活用状況、生産性向上の取り組みなどを明らかにします。③企業を取り巻く環境・関係者
市場動向や競合他社状況、顧客情報(新規・リピート)、取引先企業の推移、従業員の定着、金融機関との関係などを見える化します。④内部管理体制
組織・品質管理・情報管理体制、経営計画の有無や従業員との共有、研究開発体制、知的財産権の活用、人材育成の取り組みなどを明文化します。
ローカルベンチマークを活用したことがある94.8%の中小企業が「活用後のメリットがあった」と答えました。
そんなローカルベンチマークのメリットを3つ紹介します。
・様々な観点で経営を見直せる
・シンプルで使いこなしやすい
・ステークホルダーと同じ目線で話せる
ローカルベンチマークでは、収益性以外にも生産性や効率性、安全性なども分析するため、経営に関わる数字をしっかり可視化できます。
また、商流や業務フロー、経営者、事業、競合、内部管理体制など非財務面も分析することで、自社の課題を明らかにすることができます。
経営分析をもとにして、助成金の申請や経営改善の推進に大きな影響を持つ事業計画の作成にも活かすことができます。
ローカルベンチマークは、シートをダウンロードして記入するというシンプルな使い方で実施できます。
財務情報の計14項目を入力すれば、「財務指標の自動計算」「業種に応じた基準に従った指標のもと5段階で評価」「総合評価の提示」「14項目の非財務情報で会社状況の整理」などが可能です。
ローカルベンチマーク実施の手順はのちほどご紹介します。
ローカルベンチマークを、「経営者」「金融機関」「支援機関」3者が利用すると対話のツールになります。
対話を通して、担保や保証、事業性や成長性といった「事業性評価」に関する共通認識を形成することができます。
ここからローカルベンチマークに取り組む方法を紹介します。
ローカルベンチマークツールは、経済産業省のホームページからダウンロードできます。
ツールはExcelファイルで作成されており、操作しやすいです。
ローカルベンチマークシートに沿って、「財務分析シート」「商流・業務フロー」「非財務ヒアリングシート(4つの視点)」に必要事項を記入していきます。
これは経営者が一人で向き合うこと、従業員と話し合うこと、外部の中小企業診断士などのコンサルタントなどと共に戦略を立てることに使うとよいでしょう。
今回は、ローカルベンチマークについて紹介しました。
ローカルベンチマークには様々なメリットがあり、以下のような活用もできます。
・現状認識
・経営戦略・目標の策定
・外部環境や内部環境の整理
・課題の共有
また、補助金などの申請で役立つツールとなっています。
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