東京都内での開業にあたって活用できるのが、商店街起業・承継支援事業の「開業助成金」です。業種によっては、都内商店街での開業で助成金を受けられる可能性があります。助成金を受けられる可能性があるか、チェックしてみるとよいでしょう。
そこで本記事では、商店街起業・承継支援事業の概要や申請の流れなどをまとめました。
採択率を高める方法も併せて紹介しますので、参考のひとつとしてお役立てください。
都内商店街での開業をサポートしてくれるのが、『商店街起業・承継支援事業』です。
東京都中小企業振興公社では、概要を以下のように紹介しています。
都内商店街で新規開業又は既存事業の後継を行う中小小売商業者が開業等をするに当たり、店舗の新装又は改装及び設備導入等に要する経費の一部を助成することにより、商店街における開業者や事業後継者の育成及び支援を行い、都内商店街の活性化を図ります。
(引用:商店街起業・承継支援事業 | 事業 | 東京都中小企業振興公社)
新規の開業だけでなく、既存事業の後継も助成の対象です。2023年8月の段階で今年度の第1回・第2回の募集は終了していますが、第3回目が予定されています。申請期間は短いため、事前に準備を進めておくのがおすすめです。
申請期間 | 申請期間 | 書類審査 | 面接審査 | 交付決定日 |
第1回 | 4月4日~4月21日 | 4月下旬~6月上旬 | 6月下旬 | 8月1日予定 |
第2回 | 6月26日~7月14日 | 7月下旬~8月下旬 | 9月下旬 | 11月1日予定 |
第3回 | 9月25日~10月13日 | 10月中旬~11月下旬 | 12月中旬 | 令和6年2月1日予定 |
商店街起業・承継支援事業では2年目まで家賃の助成を受けられるのが大きな特徴です。開業当初の家賃負担を軽減したい人には、特に向いているでしょう。どのような助成金なのか概要を紹介しますので、条件を満たす場合には、助成金の活用を検討してみてください。
商店街起業・承継支援事業の応募資格は次の4つです。
・開業日(開店予定日)が、申請する回の交付決定日以降であること
・「創業予定の個人」もしくは「中小企業者(法人・個人事業主)」であること (「事業承継」区分は、「創業予定の個人」もしくは「個人事業主」のみ)
・申請予定店舗が「都内商店街」であること
・申請者(法人の場合は代表者)もしくは法人の場合は、当該法人の従業員 (正社員に限る)が店舗の事業に専ら従事できること
(引用:商店街起業・承継支援事業 | 事業 | 東京都中小企業振興公社)
開業日・開業予定日によっては対象にならない可能性があるため、申請では注意が必要です。
商店街起業・承継支援事業は、個人だけでなく法人も助成の対象になります。ただし規模の大きい企業は助成の対象になりません。
事業名にあるとおり、申請予定店舗は「都内商店街」に限られます。法人の場合は、店舗運営を行う正社員が必要になりますので注意してください。
公式のホームページには、申請対象になるか確認できるフローチャートがあります。申請対象なのかわからないときは、フローチャートも確認してみましょう。
商店街起業・承継支援事業は、さまざまな業種が助成対象です。
代表的な助成対象の業種には次のようなものがあります。
ただし無店舗小売業や貸金業などは助成対象外となります。
商店街起業・承継支援事業には3つの助成区分があります。それぞれの限度額や助成率は以下のとおりです。
経費区分 | 助成率 | 助成限度額 |
事務所整備費・店舗新築・改装工事費 設備・備品購入費(税込10万円以上) 宣伝・広告費(上限100万円) | 2/3以内 | 250万円 |
実務研修受講費 | 2/3以内 | 6万円 |
店舗貸借料 | 2/3以内 | 1年目180万円(15万円/月) 2年目144万円(12万円/月) |
助成限度額は580万円です。店舗新築だけでなく、家賃や広告費なども助成の対象となっています。
商店街起業・承継支援事業への申請を考えているのなら、流れを把握しておきましょう。
申請のおおまかな流れは次のようになっています。
助成金を活用した開業を考えているのなら、まずは出店したい商店街を調べ、許可を得ておく必要があります。商店街からの許可が出たら、工事の見積もりや備品の選定を行いましょう。募集要項や申請書類一式は、東京都中小企業振興公社のホームページからダウンロード可能です。
商店街起業・承継支援事業は、郵送または電子で申請を行います。受付完了の連絡がメールで届くと受理完了です。
助成金は後払いとなっており、開業の段階では受け取れませんので注意してください。助成金は「開業時・店舗貸借料1年目・店舗貸借料2年目」の3回にわけて支払われる仕組みです。
申請の対象が広い商店街起業・承継支援事業ですが、全員が採択されるわけではありません。
内容によっては不採択となってしまう可能性があるため、申請時には注意が必要です。採択されるよう、募集要項の入念な確認を行ってください。
令和4年度と令和3年度の採択倍率は次のようになっています。
年度 | 申請者数 | 採択数 | 採択倍率 |
令和3年度 | 24件 | 2件 | 12倍 |
令和4年度 | 121件 | 17件 | 7.1倍 |
東京都中小企業振興公社のホームページでは、各回の採択事業者や事業テーマの閲覧が可能です。例として、令和5年度第1回採択事業のテーマから3つ紹介します。
(参考)令和5年度 商店街起業・承継支援事業 第1回 採択事業者一覧
採択事業所一覧には、店舗予定地の住所や商店街名なども記載されています。近くの商店街で助成を受けている店舗があるのなら、実際に見てみるのもよいかもしれません。
過去のデータや店舗などを参照すると、申請にあたってのヒントに役立てられるでしょう。
そう考えているのなら、商店街起業・承継支援事業の利用を検討してみましょう。
ただし過去の採択倍率は7.1倍・12倍と高めです。商店街起業・承継支援事業では、申請しても不採択となってしまう事業が多い傾向にあります。そこで申請にあたっては募集要項を入念に確認し、書類に不備がないよう準備を進めなくてはなりません。
採択率を高めたいと考えているのなら、補助金・助成金申請の支援を行っている専門家に相談するのもおすすめの方法です。専門家は豊富な専門知識をもとに、書類作成や面接審査などについてのアドバイスをしてくれます。またどのような補助金・助成金が合っているか、教えてもらうことも可能です。
開業を予定しているのなら、ぜひ補助金・助成金申請の支援を行う専門家まで相談してみましょう。
また、補助金を活用できるかどうか不安な場合は、以下のページから診断できます。
最短15分で診断結果レポートを提供いたしますので、ぜひご活用ください。
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