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ものづくり補助金14次公募の採択結果から読み解く採択率向上のポイントとは?

6月23日(金)に、ものづくり補助金14次公募分の採択結果が発表されました。

発表にともない、さまざまなデータが、ものづくり補助事業公式ホームページのデータポータルで紹介されています。

今回はデータポータルで紹介されたデータをもとに、14次公募はどのような傾向があったのかを解説していきます。

ものづくり補助金14次公募分の主な結果

まずは、ものづくり補助金の14次公募分の結果を見てみましょう。

総計

申請者数:4,865
採択者数:2,470
採択率:50.8%

次に、各申請枠ごとの結果になります。

通常枠

申請者数:3,322
採択者数:1,661
採択率:50%

回復型賃上げ・雇用拡大枠

申請者数:190
採択者数:95
採択率:50%

デジタル枠

申請者数:1,015
採択者数:569
採択率:56.1%

グリーン通常枠

申請者数:131
採択者数:72
採択率:55.0%

グローバル市場開拓枠

申請者数:207
採択者数:73
採択率:35.3%

以前のものづくり補助金の申請件数、採択率との比較

まずは、申請件数です。

引用元:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト https://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.html

12次公募分は3,254件、13次公募分は3,319件と少ない状態が続いていましたが、14次公募分は4,865件と大幅に向上しました。

「ものづくり補助金」に興味を持ち、チャレンジしてみようと思う事業者が増えたからだと思われます。次回以降の件数がどれくらいになるのかが気になるところです。

次に、採択率です。

今回は50.7%でした。8次公募分から13次公募分まで、約60%近かった採択率が、今回10%近く落ち込む結果となっています。

申請枠単体で見ていきます。

「通常枠」と「回復型賃上げ・雇用拡大枠」の採択率は約50%と、全体の採択率とほぼ同じ結果に。

一方のデジタル枠とグリーン通常枠の採択率は約55%で、今回の申請枠の中では高い採択率でした。

逆に、グローバル市場開拓枠の採択率は約35%です。13次公募の「グローバル展開型」の採択率が約39%で、もともとハードルの高い申請枠でしたが、今回はさらに採択率を下げたかたちになります。

とはいえ、全体の採択率でいうと、2人に1人は採択されているため、決して難易度の高い補助金というわけではないといえます。

ものづくり補助金のデータポータルから読み解く傾向

データポータルでは、これまでのものづくり補助金の申請および採択状況のデータが公開されています。このデータから読み取れる傾向についてお伝えします。

事業計画書の作成時間は、20時間以上〜120時間以内

引用元:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト https://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.html

事業計画書の作成に要した時間と、採択率を表した表になります。

これによると、採択率が50%を超えるのは、20時間以上(30時間以内)〜120時間以内となります。

20時間以内だと採択率は下がりますが、その一方で、120時間より上(それ以上)でも、採択率は下がります。つまり、20時間未満だと作り込みの甘さが出てしまうこと。逆に120時間以上かけても、決して良い事業計画書にはならないということです。

もっとも採択率が高かったのは70時間以内なので、このくらいの時間をかけて事業計画書をつくってみてはいかがでしょうか。

従業員数が21人以上の事業者は、採択率が高い傾向にある

引用元:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト https://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.html

申請者の規模(従業員数)と、採択率を表した表になります。

これによると、従業員数が21人以上だと、採択率が60%を超えています。そのため、従業員数が多いと採択されやすくなるといえます。

その一方で、従業員数0〜5人の場合の採択率は、約39%です。従業員数が少ないと若干不利かもしれませんが、約39%は採択されていることから、従業員数が少なくても、決してあきらめる必要はありません。

もっとも採択率が高い業種は、製造業

引用元:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト https://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.html

申請者の業種と、採択率を表した表になります。

これによると、もっとも採択率の高い業種は「製造業」です。採択率は61%となっています。

次いで、「学術研究・専門技術・サービス業」の59.6%、「建設業」の52.4%となります。

ただ、それ以外の業種だと、採択率の低さが目立つ結果となっています。申請の際は申請内容をしっかりと検討する必要があります。

補助金の申請額は、約1,000万円をめざすこと

引用元:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト https://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.html

補助金の申請額と、採択率を表した表になります。

こちらは申請額が大きければ大きいほど、採択率が上がっていきます。とくに1,000万円近くになると、採択率は約60%になります。

その一方で、あまり補助金を使わない申請の採択率は低い傾向にあります。とくに、250万円以下の場合は、採択率が約20%に落ち込んでいます。

あまりお金を使わない取り組みの場合は、小規模事業者持続化補助金など、別の補助金の活用を検討してもよいかもしれません。

支援者がいると採択率があがる

引用元:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト https://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.html

ものづくり補助金を申請する際に、支援者がいたかどうか(報酬額別)と、採択率を表した表になります。

こちらですが、支援者がいると採択率は50%台になります。支援者は申請の専門家だからこそ、専門家に頼ることで採択の可能性は高まることがわかります。

その一方、支援なしの場合の採択率は、約35%です。支援がなくても採択される可能性はありますが、少しハードルの高さを感じてしまうかもしれません。

加点項目をしっかり取ると採択率があがる

引用元:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト https://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.html

ものづくり補助金の申請の際に、取得していた加点項目の数と、採択率を表した表になります。

こちらは当然かもしれませんが、加点項目の数が多いほど、採択率が大きく上がります。4個とっていた場合は、採択率が70%を超えています。

あらためて、加点項目はこちらになります。

①成長性加点

②政策加点 ※この中で、8個の加点要素があります

③災害等加点

④賃上げ加点等 ※2通りあり、どちらかを選ぶ形になります

引用元:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領 (14次締切分)P34-35より

申請枠に応じて、取得できる加点項目数が異なります。

先ほどもお伝えしましたが、ものづくり補助金の採択率は加点項目の数に応じて変わるため、なるべく加点項目は取ることをおすすめします。

まとめ

今回は、ものづくり補助金14次公募の採択結果と、そこから読み取れる傾向についてお伝えしました。

13次公募の採択結果が発表された際も、弊社で読み取れる傾向についてお伝えしましたが、基本的には前回と同じ傾向となっています。

そのため、ものづくり補助金を申請される際は、データポータルから読み取れる傾向をもとに申請内容を検討することをおすすめします。

また、読み取れた傾向の中のひとつに、支援者がいると採択率に有利というものがあります。

ものづくり補助金の申請を検討される場合は、補助金の専門家にぜひご相談ください。

参考情報

データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

https://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.html


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