助成事業には、都道府県によって行われているものもあります。
そのなかのひとつが「安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業」です。
都内でものづくりをしているなら、助成事業への申請を考えてみるのもよいでしょう。
本記事では助成金の概要を紹介しますので、ぜひ内容をチェックしてみてください。
東京都で実施しているのが、「安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業」です。都内の本店・支店で1年以上事業を継続的に行っている中小企業等が対象になります。
助成事業の目的と内容について、それぞれ見ていきましょう。
募集要項から、支援事業の目的を紹介します。
本助成事業は、都内の中小企業者等に対して、「安全・安心」をテーマとする製品や技術(以下、「技術・製品等」という。)の開発・改良及び普及促進に係る経費の一部を助成することにより、安全・安心な東京を実現するとともに、東京の産業の活性化を図ることを目的としています。
引用:令和5年度 安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業 ~実用化のための製品・技術の開発・改良から普及促進まで~【募集要項】
大きなテーマとなるのが「安全・安心」です。もし自社で安心・安全と関係する事業を行っているのなら、助成金を受けられる可能性があるでしょう。
助成内容は、次の2種類です。
フェーズ | 助成限度額 | 助成率 |
開発・改良フェーズ | 1,500万円 | 経費の2/3以内 |
普及促進フェーズ | 350万円 | 経費の1/2以内 |
「開発・改良フェーズ」では、技術や製品の開発や改良によって実用化を目指します。「普及促進フェーズ」は実用化した製品を普及させるのが目的です。
開発・改良フェーズだけの申請でも問題ありません。ただし、普及促進フェーズだけでの申請はできないので注意しましょう。
「安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業」には申請要件があります。
大きくわけると申請要件は4つです。業種・組織形態・事業の実施場所などを始め満たすべき申請要件が多いため、募集要項で確認しましょう。
なお、個人事業者は対象ですが、NPO法人は対象になりません。製造設備を持たないファブレス企業は対象ですが、試用策定やテスト開発などを自社で行う必要があります。
国やほかの公的機関が実施している助成金と同じテーマでの申請も可能です。しかし両方で採択されたら、どちらかを辞退する必要がありますので、気をつけましょう。
「安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業」の助成対象となる事業は次のように決められています。
次のア~エを全て満たすこと。
ア 「安全・安心」をテーマとする事業
イ 具体的な計画及び技術的な開発要素がある事業
ウ 実用化製品等の製造及び販売の権利が申請者に帰属する事業
エ 市場での販売(実用化)を行う等、広く普及することを目的としている事業
引用:令和5年度 安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業 ~実用化のための製品・技術の開発・改良から普及促進まで~【募集要項】
さらに対象となる5つの対象分野と、27の申請テーマがあります。事業が複数のテーマに該当していても構いません。募集概要から、対象分野と申請テーマについても見てみましょう。
(参考)令和5年度 安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業 ~実用化のための製品・技術の開発・改良から普及促進まで~【募集要項】
防災・減災分野での申請テーマは次の6つです。
フェーズフリーとは、普段身近なものやサービスを、非常時にも役立てられる考え方をいいます。
事業リスク対策での申請テーマは次の4つです。
BCPとは事業継続計画、BCMとは事業継続マネジメントを意味します。
災害などの緊急事態が発生したときの備えとして、事業の継続・復旧を図るために策定するのがBCPです。BCMの一環として、BCPの策定が必要になります。
申請テーマには、感染症対策も含まれています。
感染症対策での申請テーマは次の4つです。
感染症対策の方向性は変わりつつあるものの、いまだ収束は見えていません。今後また感染が拡大したり、新たな感染症が流行したりする可能性もあるでしょう。
そのため、本助成金では感染症対策も助成の対象となっています。
セキュリティも対象分野のひとつです。
申請テーマは7つと、5つの分野のなかでも特に多くなっています。
なお、セキュリティに限らず、本助成金では既製品の模倣や汎用性のないものは対象外になります。申請を考えるにあたっては、既製品の模倣にならないよう、注意しましょう。
5つめの分野は、子供の安全対策です。
子供の安全対策には、4つの申請テーマがあります。
子供の安全対策を考えているのなら、助成金の活用も考えてみましょう。
助成金を申請したものの、何らかの理由で達成目標の一部が未達になることもあるでしょう。「安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業」では、目標が達成されなかった場合、経費は支払われません。事業を完了させるためには、目標の達成が条件となりますので、未達にならないよう注意してください。
また申請前に支払った経費は対象外となります。
東京都の製造業なら、「安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業」を申請するのもおすすめです。2つのフェーズによって、製造業の開発・改良、普及促進をサポートしてくれます。安全・安心につながる製品やサービスを製造しているなら、申請も考えてみましょう。
助成金の申請にあたっては、募集要項や申請書などをダウンロードします。申請前エントリーをして、そのあとで電子申請を行ってください。
「安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業」は、ものづくりをしている企業にとっては、便利な助成金のひとつです。ただし、満たさなければならない要件が多いというネックがあります。
そう感じているのなら、補助金や助成金の申請を支援している専門家のサポートを受ける方法もあります。補助金・助成金は仕組みが複雑です。しかし専門家によるサポートを受けると、採択率を高められるでしょう。
「安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業」の申請を検討しているのなら、ぜひ相談してみてください。
© new beginnings japan All rights reserved.
TOPに戻る