新事業へのチャレンジを検討されている方に朗報です!
事業再構築補助金の後継として今年度に新設された「中小企業新事業進出補助金」の公募要領が令和7年4月22日(火)より公開されました。
本記事では中小企業新事業進出補助金を分かりやすく解説していきます。
1 中小企業新事業進出補助金とは
1-1 補助対象者
1-2 対象要件
1-3 補助対象経費
1-4 補助上限額・補助率
2 スケジュール・申請方法
2-1 スケジュール
2-2 申請方法
3 申請における重要ポイント
3-1 新事業の定義とは?
3-2 次世代育成支援対策推進法とは?
まとめ
引用:公式ホームページ
中小企業新事業進出補助金は、中小企業が既存事業とは異なる新たな分野や市場にチャレンジし、高付加価値な事業への取組みを支援する制度です。こうした新たな取り組みを通じて、事業規模の拡大や付加価値の向上を実現し、最終的には従業員の賃上げにつなげていくことを目的としています。
中小企業新事業進出補助金の補助対象者は以下1〜4の条件をすべて満たす必要があります。条件は以下の通りです。
1. 中小企業者であること 2. 創業後1年以上経過している事業者 3. 常勤従業員数が1人以上いる事業者 |
上記1〜3の条件を満たしていても過去16カ月以内(2025年7月10日(木)を基準とする)に以下の補助金の補助金交付候補者として採択された事業者は補助対象外となるので注意が必要です。
①中小企業新事業進出促進補助金 ②中小企業等事業再構築促進補助金(第10回~第12回) ③ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(第17次・第18次) |
※現在、上記補助金に申請途中の方(再構築第13回、ものづくり19次)も本補助金への申し込みは可能
ですが、申請中の補助金が採択された時点で本補助金への申請は不採択となるので注意しましょう。
中小企業新事業進出補助金の対象要件は以下の通りです。
1. 「新事業進出指針」に記載されている新事業進出の定義に該当すること 2. 補助事業後の3〜5年間で、付加価値額(または従業員1人あたりの付加価値額)が年平均成長率が 4%以上伸びる計画を立てること。 3. 補助事業終了後の3~5年において①・②のいずれかの賃上げ要件を満たすこと ①一人当たり給与支給総額の年平均成長率を、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年 間の年平均成長率以上増加させること ②給与支給総額の年平均成長率を2.5%以上増加させること 4. 補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、毎年、事業所内最低賃金が補助事業実施場所 都道府県における地域別最低賃金より30円以上高い水準であること 5. 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表していること |
※補助事業の実施にあたり、金融機関等から資金提供を受ける場合は、資金提供元の金融機関等から事
業計画の確認を受けることが要件として追加されるため注意しましょう。
中小企業新事業進出補助金の補助対象経費は以下の通りです。
①機械装置・システム構築費 ②建物費 ③運搬費 ④技術導入費 ⑤知的財産権等関連経費 | ⑥外注費(検査・加工・設計等) ⑦専門家経費 ⑧クラウドサービス利用費 ⑨広告宣伝・販売促進費 |
※建物費を経費とする場合、最低でも3社以上の相見積もりが必要です。
中小企業新事業進出補助金の補助上限額・補助率は以下の通りです。
従業員数 | 補助金額(大幅賃上げ特例適応後) | 補助率 |
従業員数20人以下 | 2,500万円(3,000万円) | 1/2 |
従業員数21~50人 | 4,000万円(5,000万円) | |
従業員数50~100人 | 5,500万円(7,000万円) | |
従業員数101人以上 | 7,000万円(9,000万円) |
※中小企業新事業進出補助金における補助下限額は750万円です。そのため、最低で1,500万円以上の投
資を行うことが必要となります。
中小企業新事業進出補助金のスケジュールは下記の通りです。
引用:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/shinjigyo_shinsyutsu.pdf
(日程)
公募要領公開:令和7年4月22日(火) 申請受付開始:令和7年6月頃(予定) 公募締め切り:令和7年7月10日(木)18:00まで |
※2025年5月9日時点では中小企業新事業進出補助金の申請受付開始日が確定していません。そのため、
公式ホームページで随時最新情報を確認することが重要となります。
中小企業新事業進出補助金における申請手順は以下の通りです。
① GビズIDプライムアカウントの準備
中小企業新事業進出補助金の申請は電子申請システムで行います。
電子申請システムを利用するためには「GビズIDのプライムアカウント」の取得が必要となります。
GビズIDプライムアカウントの取得がお済みでない方は公式ホームページよりご確認ください。
② 申請書類の準備
中小企業新事業進出補助金では下記①〜⑤の書類を準備する必要があります。
①決算書 ②労働者名簿の写し ③直近の確定申告書及び法人事業概況説明書の控え ④固定資産台帳 ⑤賃上げ計画の表明書 |
③ 事業計画書の作成
中小企業新事業進出補助金の書面審査は下記の基準で行われます。
審査基準を意識して詳細で分かりやすい計画書を作成していきましょう。
(1)補助対象事業としての適格性 (2)新規事業の新市場性・高付加価値性 (3)新規事業の有望度 (4)事業の実現可能性 (5)公的補助の必要性 (6)政策面 |
また、公募要領の「8.事業計画作成の概要」では事業計画書に記載するべき内容が詳細に記されています。事業計画書を作成する際はこちらを熟読した上で作成しましょう。
④ 電子申請システムへの入力・書類アップロード
中小企業新事業進出補助金の申請は「電子申請システム」より行います。
※電子申請システムの詳細は現時点(2025年5月9日)では公開されていないため公式ホームページを随
時確認しましょう
中小企業新事業進出補助金の新事業の定義・要件は以下の通りです。
(定義)
本補助金でいう「新事業進出」とは、中小企業がこれまで扱っていない新しい製品・サービスをつくり、従来とは異なる市場に参入することを指します。 |
(要件)
(1)製品等の新規性要件事業により製造する製品やサービスが、事業を行う中小企業等にとって、新 規性を有するものであること。 (2)市場の新規性要件事業により製造等する製品等の属する市場が、事業を行う中小企業等にとっ て、新たな市場であること。 (3)新事業売上高要件 (以下の①か②いずれかの要件を満たすこと) ①新たに製造する商品・サービスの売上が応募申請時の総売り上げ高の10%以上、または付加価 値額が15%以上になると見込まれること。 ②新事業進出を行う事業部門の売上高が新たに製造する商品・サービスの売上が応募申請時の総売 り上げ高の10%以上、または付加価値額が15%以上になると見込まれること。 ※②の適用を受けるためには直近の事業年度の売上高が10億円以上であり、かつ新事業進出を行う 事業部門の売上高が3億円以上である必要があります。 |
申請準備に着手した後で本補助金の要件を満たさないことが判明した場合、時間も労力も無駄になってしまいます。
申請を始める前に、自社の新規事業が当補助金の新規性の要件と合致しているかを確認することが重要です。(詳しくは新事業進出指針をご確認ください)
引用:公式ホームページ
中小企業新事業進出補助金では次世代育成支援対策推進法に基づいた「一般事業主行動計画」を「両立支援のひろば」に公表することが要件となっています。
一般事業主行動計画の詳細は以下の通りです。
(目的) 一般事業主行動計画とは、企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むためのものです。 (記載事項) 1. 計画期間 2. 目標 3. 目標達成 (届け出方法)行動計画策定後3か月以内に「一般事業主行動計画策定・変更届」を郵送・持参・電子申請のいずれかにより、都道府県労務局雇用環境・均等部に届け出てください。 |
※両立支援広場の掲載方法はこちらのユーザーガイドをご確認ください。
※一般事業主行動計画を「両立支援のひろば」へ掲載するためには1〜2週程度の期間を要するので、申
請受付が開始される前に着手することが重要です。
本記事では中小企業新事業進出補助金について解説しました。
中小企業新事業進出補助金は最大補助金額が9000万円と補助額が高額なため、厳密な審査が行われることが予想されます。
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