インターネットの普及により、モノや情報があふれた現代において、消費者の選択肢は一気に増えました。
さらに業界構造の変化や海外のより安価な製品の流入により、売上の維持・増加が困難になってきました。
そこで注目を浴びているのが「マーケティング」です。
本記事では製造業のためのマーケティングの基本について解説します。
マーケティングの定義と重要性
製造業のマーケティングの特徴
製造業のマーケティングの課題
製造業のマーケティングの基本プロセス
製造業のマーケティング手法
まとめ
マーケティングとは、商品やサービスの顧客を集め、ファンを作るための企業活動全体のことです。
単に市場調査や数値分析だけでなく、商品の魅力を分かりやすく伝え、購入に結びつけるスキルが必要です。
デジタル技術を活用したマーケティングを「デジタルマーケティング」、インターネット上で行うものを「Webマーケティング」と呼びます。
企業と一般消費者の取引を「BtoC」、企業同士の取引を「BtoB」と区別し、製造業はBtoBマーケティングに分類されます。
BtoBマーケティングでは、Webサイトで見込み客を集め、そこから商談を生み出すことが大きな流れとなります。
要するに、マーケティングとは「売れる仕組みを作ること」であり、顧客のニーズに合わせて商品を提供し、需要を喚起する活動全般を指します。
昨今、市場の成熟化と参入企業の増加により、「製品を作っただけでは売れない時代」となりました。
消費者の選択肢が増えた今、自社の商品・サービスを効果的に顧客にアピールして魅力を分かりやすく伝えることが重要になっています。
これからの時代を生き残るには、顧客ニーズの把握、顧客視点に立った戦略的なマーケティング活動が、企業の存続に不可欠なのです。
製造業が案件を獲得するプロセスは他業界とは少し異なります。
それに伴い、マーケティングの施策も異なるため、製造業のマーケティングの特徴を箇条書きでまとめます。
・代理店から依頼を受けた受注生産のように売上を生み出している
・顧客の声が拾いにくく、ニーズを反映した製品開発が難しい
・自社Webサイトでの新規顧客開拓が重要
・営業担当の異動・退職で売上が下がるリスク
・SFAなどの顧客管理の属人化を防ぐ
・Webマーケティングで営業負荷を軽減
・部品・素材メーカーは発注元に依存
・発注ロス時の売上リスクがある
・失注顧客へのメール営業で関係維持が重要
多くの製造企業では、マーケティング部門が独立しておらず、商品開発や販売企画など他の業務と兼任されていることが一般的です。
そのため、Webマーケティングに精通した人材が不足し、外部のマーケティング会社から提案を受けても、その提案の意図や効果をうまく理解できないケースが多々あります。
また、製造業では専門的でニッチな製品が多いことから、「自社の製品はインターネット上であまり検索されない」と考え、マーケティング業務自体が優先度が低く捉えられがちです。
製造業では保有する技術力が企業の命綱であり、技術情報の流出を厳しく警戒する文化があります。
一方でマーケティングでは、インターネット上での情報発信が顧客獲得のために重要視されます。
この価値観のギャップから、製造業でマーケティング活動が浸透しにくい状況にあります。
製品の購入者、購入の最終決定権を持つ人、実際に製品を使用する人がそれぞれ異なることが多く、様々な立場の顧客のニーズを的確に把握することが困難です。
このように、製造業におけるマーケティングには独自の複雑な課題が山積しているのが実情です。
製造業のマーケティングの基本プロセスについて簡単に解説します。
①環境を分析する
②市場を細分化する
③ターゲットを決める
④ポジションを確立する
⑤マーケティングミックスを考える
⑥マーケティング施策の実施・検証
まずは自社製品の市場環境をPEST分析などで分析します。
政治・経済・社会・技術的な外的要因を把握し、製品の需要があるかを確認します。
需要がある市場が確認できたら、3C分析(顧客・競合・自社)により、その市場の実態を細かく分析します。
顧客ニーズや競合状況、自社の強み弱みを洗い出します。
市場分析の結果から、自社製品の最適なターゲット顧客層を特定します。
市場の細分化から得た情報をもとに、セグメントごとのニーズを理解すれば、自社製品と相性の良いターゲットを絞り込むことができます。
幅広すぎるターゲットではなく、ある程度絞り込んだ方が効果的です。
ターゲット顧客に対し、自社製品がどのような価値を提供できるかをポジショニングします。
価格だけでなく、多角的な魅力を打ち出すことが重要です。
企業目線の「4P」の観点から、具体的なマーケティング施策を立案します。
Product:商品やサービス
Price:価格
Place:販売経路
Promotion:広告や宣伝
また、消費者側の視点である「4C」という観点から考えるのが重要です。
Customer Value:顧客が感じる価値
Cost:顧客が支払う費用
Convenience:入手の容易さ
Communication:企業とのコミュニケーション
策定したマーケティング施策をオフライン/オンラインで実施します。
数値目標を設定し、その達成度を検証します。効果があれば継続、なければ改善を重ねていきます。
このように、環境分析から始まり、ターゲティング、ポジショニング、マーケティングミックスの策定、実施と検証を経て、PDCAサイクルでマーケティング活動を行うことが製造業に求められています。
実際にマーケティングを推進していくにあたり、製造業でも効果的な手法を紹介します。
コンテンツマーケティング
メールマーケティング
Web広告出稿
SNSマーケティング
ホワイトペーパー
展示会(オンライン・オフライン)
セミナー・ウェビナー
コールドコール(電話でのアウトバウンド)
・顧客に価値あるコンテンツを提供し、集客やファン化を狙う
・労力がかかるが、コンテンツは財産として残り継続的な効果がある
・ブランディング確立にもつながる
・見込み客にメールを配信し、行動を促す
・MAツールで適切なコンテンツ配信やフォローアップが可能
・低コストで積極的にアプローチできる
・リスティング広告、リターゲティング広告、製造業専門サイトへの出稿が有効
・ターゲットが絞れる上、費用対効果が高い
・Instagram、Twitter等のSNSを活用した顧客アプローチ
・媒体特性を理解し、ターゲットに合わせて選択が重要
・課題解決の方法や自社商品の案内を資料形式で提供
・確度の高いリードが獲得でき、その後のアプローチに役立つ
・直接アプローチでき、生の声が収集できるメリットがある
・準備が大変で時間拘束されるデメリットもある
・自社製品を紹介する場を設ける
・オンラインのウェビナーは参加しやすい半面、フォローが課題
・電話でのアウトバウンド営業活動
・ワンツーワンのコミュニケーションが可能で成約に近づきやすい
今回は製造業のマーケティングの基本について解説しました。
製造業でどれだけいいものを作っても、それが売れなければ赤字になってしまいます。
これからの時代を生き抜くには既存顧客だけではなく、新規顧客に向けた施策も大切です。
そして、販路拡大に向けて事業計画されてる企業が活用できる補助金も存在します。
弊社は補助金申請のサポートを実施しているので、お気軽にご相談ください。
当サイトの運営を行っている株式会社NewBeginningsJapanでは、「3分でわかる!補助金無料診断」を実施しています。
最短15分以内で補助金をご活用できるか診断いたします!
© new beginnings japan All rights reserved.
TOPに戻る