近年、DXの実現を目指すために製造業でもクラウドサービスの活用が広がっています。
クラウドサービスは製造業に革新的な変化をもたらし、データ管理とプロセス効率化の可能性を秘めています。
そこで今回は、クラウドサービスの基礎知識をまとめ、なぜ製造業でクラウドサービスが広がっているのか解説していきます。
製造業のクラウド利用の現状
製造業のデータ活用の問題
・運用にコストがかかる
・外部のデータが収集できない
・データ蓄積に限界がある
クラウド利用のメリット
・コスト削減でき、初期投資も安価
・データ管理とアクセスの容易さ
・インターネットに接続していればどこでも利用可能
クラウド利用のデメリット
・セキュリティ対策が必要
・自社の業務に合った使い方ができるか事前に確認が必要
まとめ
製造業のクラウド利用状況は、総務省の調査によれば、2021年において70%に達しています。
しかし、建設業や情報通信業など他の業界ではそれ以上の利用率が示されています。
また、企業規模による差異も見られ、従業員1,001名以上の大企業では80%がDXに取り組んでいる一方、300名以下の企業では26.1%となっています。
これらのデータから、製造業においてはクラウド利用が進んでいるものの、小規模企業ではまだ積極的な活用が進んでいないことが示唆されます。
クラウド利用が製造業へもたらすメリットについて触れる前に、製造業のデータ活用の問題について紹介します。
データの活用を目指す製造業者が多く、データ活用には様々な問題があります。
もしクラウドサービスを利用しない場合は、オンプレミスという、組織内に自分たちでコンピューターやサーバーを持って設置し、管理する必要があります。
オンプレミス環境では、全ての管理を自社で行わなければならず、管理者が必要です。
さらに、サーバーの管理や運用、保守にはお金がかかり、運用コストが高額になる傾向にあります。
オンプレミス環境では社内のネットワークに接続されていないと外部からのデータ収集ができません。
自社のサーバーや情報システムを自社内に設置し、運用するため、外部の協力会社や自宅、外出先などからのデータ収集が難しいです。
オンプレミス環境ではデータの保存容量に制限があります。
製造業では過去のデータを分析して品質やコスト、納期(QCD)の改善に活用することが増えています。
しかし、保存容量の限界があるため、データを削除したり保存容量を増やす必要があります。
クラウドを使うと、自分たちでサーバーやソフトウェアを買う必要がありません。
サーバーの管理やメンテナンスなどのコストもクラウドプロバイダーが負担してくれるので、費用を抑えられます。
クラウドは必要な分だけ料金を支払うのが一般なので、必要な期間だけ使ってみて、使い続けるかどうかを判断することもできます。
クラウドを使えば、大量のデータを一か所で管理できます。
検索もしやすくなるので、必要なデータをすぐに見つけ出せます。
また、必要に応じて容量の増減ができるほか、端末やネットワークに関係なくサービスを利用できるため、データの分散といったことが起こりません。
クラウドを使えば、自分のパソコンやスマホなど、インターネットに繋がる端末があればどこでもデータにアクセスできます。
社内ネットワークにつながっていない場所でも外部のデータを集めることができるため、情報の幅も広がるうえに、どこからでも作業ができます。
クラウドサービスを利用する場合、自社内で完結するオンプレミスと異なり、データを社外で保存することになるため、セキュリティへの適切な対策が必要になります。
例えば、AWS(Amazon Web Services)では、AWSがインフラ面などを管理する一方で、ユーザーがOSやネットワークの設定などを管理する必要があります。
これを責任共有モデルと呼び、利用者側でもセキュリティ対策が必要な部分があります。
クラウドとオンプレミスを比べると、クラウドの方が自由にカスタマイズできる範囲が狭くなることがあります。
そのため、会社が使っている既存のシステムとうまく連携できない場合もあります。
そうなると、業務の流れを変える必要が出てくるかもしれません。
自分たちの会社で使っているシステムとクラウドがうまくつながるかどうか、使う前に確認しておきましょう。
今回は以上になります。
クラウドにはいくつか注意点もありますが、それ以上に製造業に大きなメリットをもたらします。
そして、実は労働生産性の向上を目的としたクラウドサービスの導入をサポートする補助金もあります。
クラウドサービスの導入を検討する際には、補助金も選択肢に入れてみてください。
当社は補助金申請のサポート事業も行っているので、お気軽にご相談ください。
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