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【2023年8月】IT導入補助金の概要と申請について解説

IT導入補助金の2023年後期の申請がスタートしています。

社内でITツールを導入しようと考えている場合は、このIT導入補助金の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

そこで今回はこのIT導入補助金の「通常枠(A・B類型)」に特化して、概要と申請方法について解説します。

IT導入補助金とは?

IT導入補助金とは、自社の課題やニーズに合わせたITツールを導入する際の経費の一部を補助し、業務効率化や生産性の向上につなげるための補助金です。

どのようなITツールがIT導入補助金の対象になるかというと、パッケージソフト本体の購入費用、クラウドサービスの初期費用・月額費用、ECサイト構築、ITコンサルティング費用、ITシステム改修費用などです。

IT導入補助金は現在、交付申請を受け付けていますが、申請する枠としては4種類存在しています。

①通常枠(A・B類型)
②デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型
③セキュリティ対策推進枠
④商流一括インボイス対応類型

今回は、通常枠(A・B類型)について解説します。

IT導入補助金の通常枠(A・B類型)について

通常枠は、先にもお伝えしましたが、自社の課題やニーズに合わせたITツールを導入する際の経費の一部を補助するための枠になります。

例えば、IT導入補助金のサイトでは、このような活用事例が紹介されています。

介護業の場合
勤怠管理と請求業務効率化システムを導入

卸・小売業の場合
販売管理で経営に関する情報の一元管理

医療の場合
電子カルテシステム導入で診察効率向上

宿泊業の場合
複数の宿泊予約サイトを一元管理

建設業の場合
3次元CADの活用で提案力が向上

製造業
RPAの活用で業務時間を大幅削減

IT導入補助金の通常枠(A・B類型)の補助額・補助率について

IT導入補助金の通常枠(A・B類型)の補助額・補助率、対象となる経費は、以下のとおりです。

補助額・補助率

A類型(補助率1/2以内)
5万円以上150万円未満

B類型(補助率1/2以内)
150万円以上450万円以下

対象となる経費(A類型・B類型ともに)

  • ・ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)
  • ・導入関連費(オプション)
     機能拡張やデータ連携ツールの導入、セキュリティ対策実施 に掛かる費用
  • ・導入関連費(役務の提供)
     導入コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、 保守サポートに掛かる費用

A類型とB類型の違い

A類型とB類型で補助額が異なりますが、その違いはプロセス数です。

プロセスとは、業務工程や業務種別のことをいいますが、今回のIT導入補助金では、以下のように定義されています。

業務プロセス

共通プロセス

P1 顧客対応・販売支援
P2 決済・債権債務・資金回収管理
P3 調達・供給・在庫・物流
P4 会計・財務・経営
P5 総務・人事・給与・労務・教育訓練・情報システム

業務特化型プロセス

P6 その他業務固有のプロセス

汎用プロセス 

P7 汎用・自動化・分析ツール
(業種・業務が限定されないが生産性向上への寄与が認められる業務プロセスに付随しない専用のソフトウェア)

上記のプロセスの中から、1種類以上の業務プロセス(汎用プロセスのみは付加)を保有するソフトウェアを申請するとA類型。4種類以上のプロセスを保有するソフトウェアを申請するとB類型となります。

つまり、A類型は1種類以上なので補助額は少なく、B類型は4種類以上なので補助額が大きくなるということです。

IT導入補助金の流れ

IT導入補助金の申請・手続きの流れは以下になります。

①ITツール・IT導入支援事業者の選定

課題やニーズに合わせたITツールを選定し、そのシステムを取り扱っているIT支援事業者に連絡して選定します。なぜ、IT支援事業者を選定するかというと、IT支援事業者でないとIT導入補助金の交付申請が行えないからです。

※IT支援事業者は「IT導入支援事業者・ITツール検索」から探すことができます。

②交付申請

選定したIT導入支援事業者とともに事業計画を策定し、締切日までに交付申請を行います。

③交付決定、ITツールの発注・契約

事務局から「交付決定」を受けたら、選定したIT導入支援事業者が取り扱っているITツールの発注・契約・支払いを行い、補助事業を開始します。なお、交付決定の前に、ITツールの発注・契約・支払いを行った場合は、補助金の交付を受けることはできないのでご注意ください。

④事業実績報告

補助事業が完了したら、導入したITツールの発注・契約などの書類を用意して、IT導入支援事業者とともに事業実績報告を行います。

⑤補助金交付手続き

事業実績報告が完了すると、補助金額が確定し、補助金が交付されます。

⑥事業実施効果報告

補助金が交付されたら、事業実施効果報告を提出します。ITツールを導入したことで、どれくらい生産性が向上したのか、申請時の計画と比較しながら3年間に渡って行います。

IT導入補助金の申請に必要なこと

IT導入補助金の申請にあたり、必要なものは以下になります。

①「GビズIDプライムアカウント」の取得

IT導入補助金の申請に必要なものなので、必ず取得しておきましょう。

②「SECURITY ACTION」の宣言の実施

自社において、情報セキュリティ対策に取り組むことを宣言する制度です。IT導入補助金では、「★(一つ星)」または「★★( 二つ星)」の宣言が要件となっています。事前に申し込みを行い、交付申請時に申し込んだ際のアカウントIDを使用します。

③「みらデジ」の「経営チェック」の実施

「みらデジ」のポータルサイトに登録し、「経営チェック」を実施する必要があります。

交付申請にあたり、これらを事前に用意、実施しておく必要があります。

IT導入補助金 通常枠のスケジュール

2023年8月1日時点で発表されている、IT導入補助金の通常枠のスケジュールは以下になります。

5次締め切り分

締切日:2023年8月28日 (月) 17:00
交付決定日:2023年10月12日 (木) (予定)
事業実施期間:交付決定〜2024年3月29日 (金) 17:00
事業実績報告期限:2024年3月29日 (金) 17:00

6次締め切り分

締切日:2023年10月2日 (月) 17:00
交付決定日:2023年11月6日 (月) (予定)
事業実施期間:交付決定〜2024年4月30日 (火) 17:00
事業実績報告期限:2024年4月30日 (火) 17:00

7次締め切り分

締切日:2023年10月30日 (月) 17:00
交付決定日:2023年12月4日 (月) (予定)
事業実施期間:交付決定〜2024年5月31日 (金) 17:00
事業実績報告期限:2024年5月31日 (金) 17:00

まとめ

今回は、IT導入補助金の通常枠(A・B類型)について解説しました。

業務効率化や生産性の向上のためには、ITツールの導入が必須といえます。IT化の第一歩として、この補助金を活用してみてはいかがでしょうか。

なお、独自のITツールや大型のシステム導入などで、金額が何百万〜何千万円と大規模になる場合は、ものづくり補助金が対象となる可能性があります。こちらも検討してみてください。

参考サイト

IT導入補助金 2023
https://it-shien.smrj.go.jp/

IT導入支援事業者・ITツール検索
https://www.it-hojo.jp/applicant/vendorlist.html

GビズIDプライムアカウント
https://gbiz-id.go.jp/top/

SECURITY ACTION
https://www.ipa.go.jp/security/security-action/it-hojo.html

みらデジ ポータルサイト
https://www.miradigi.go.jp/


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