「ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業」をご存じですか?
東京都中小企業振興公社が、令和4年度から実施している支援事業です。
今回は、その事業の「製品開発助成」の概要や助成内容などについて解説します。
「ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業(製品開発助成)」とは、ゼロエミッション関連産業への参入や、ゼロエミッションにかかる技術・製品開発を支援するための事業となります。
具体的には、ゼロエミッションにかかる製品の開発、改良、規格等適合化を対象とした取り組みに対して、開発・改良等に要する経費、そして製造工程における部材や、間接的な製品・技術の開発といった経費の一部を助成するというものです。
なお、ゼロエミッションとは、温室効果ガス(CO2)の排出ゼロに向けた取り組みのことをいいます。(エミッションとは排出のことをいいます)
今回の助成の対象者ですが、東京都中小企業振興公社が行っているため、
となります。
2019年に東京都が策定した「ゼロエミッション東京戦略」において、“戦略の柱と施策・取り組み”として掲げた、以下のセクターに該当するものが支援事業の対象となります。
再生可能エネルギーの基幹エネルギー化、水素エネルギーの普及拡大など
ゼロエミッションビルの拡大、省エネ、低消費電力、スマートホームなど
排出ガスを出一切出さない電気自動車や燃料電池車の普及促進、自動運転、バイオ燃料など
気候変動の影響によるリスクの最小化、防災、自然環境の保全など
持続可能な資源利用の定着、CO2実質ゼロのプラスチック利用、食品ロス発生量実質ゼロ、フロン排出量ゼロなど
企画構想から販売に至るまで、以下のフェーズとなりますが、今回のゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業(製品開発助成)で助成対象となるのは、太文字部分です。
また、助成対象となる経費は、
こちらになります。
「試作開発」「試験評価・実証試験等」というフェーズにおいて、上記で発生する経費が、助成の対象となります。
基本的には、助成対象期間内に契約、取得、支払いが完了したものが経費が対象となります。そのため、申請前そして助成決定前までに発生した経費は対象とならないため、注意が必要です。
また、原則、金融機関による申請者名義の口座からの振込払いとなりますので、支払い方法にも注意してください。
・ポイント
助成対象となる例: ①試作品の開発等で発生する材料費や外注費・人件費などが補助の対象となる ②実証試験で使う機械装置や工具の購入費などが補助の対象となる |
それでは実際に、ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業(製品開発助成)で助成決定となると、どのようなメリットがあるのかをまとめます。
助成対象経費の2/3の金額が助成されます。助成される金額は、最大で1,500万円です。
ただし、申請が1社のみではなく、複数社の共同で行う場合、助成される金額は、最大で3,000万円と大幅に増えます。
ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業には「製品開発助成」とは別に「販路拡大助成」があります。
本来は「販路拡大助成」にも申し込む必要がありますが、「製品開発助成」で助成決定となった場合は、採択者専用の販路開拓支援枠が用意されて、そちらにも申し込むことができます。
別途審査が必要となりますが、そちらでも採択された場合に助成される金額は、最大150万円です。
・ポイント
①製品開発助成では助成限度額が単独1,500万円、助成率が2/3 ②製品開発助成と販路開拓助成を両方申請が可能 |
ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業(製品開発助成)に申請し、助成決定するまでの流れは以下のとおりです。
まず、申請には事前の申請エントリーが必要となります。申請エントリーをしていないと、そもそも申請することはできません。
なお、申請エントリーをしたのに本申請を行わなかった場合は、とくに問題はありません。申請エントリーの可能性が少しでもある場合は、お早めに申請エントリーをされることをおすすめします。
助成対象者が決定するのは、令和6年2月1日の予定です。採択された場合は、東京都及び東京都中小企業振興公社において発表される模様です。
ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業は、環境に配慮した製品や技術の開発を支援することで、持続可能な社会の実現をめざすための、東京都独自の取り組みになります。
おもに製造業がこの支援事業を利用すれば、ゼロエミッションに貢献する製品や技術を開発し、持続可能なビジネスの展開を図ることが期待できるようになるでしょう。
もし、ゼロエミッションの製品開発を行うために助成を受けたいと思う中小企業の方は、ぜひご検討してみてはいかがでしょうか。
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