中小企業の新分野展開・業態転換・業種転換などに活用できるのが「事業再構築補助金」です。
第10回の公募からは通常枠が「成長枠」になり、要件も大きく変更されました。変更を機に事業再構築補助金への応募が可能となった企業もあるでしょう。
そこで本記事では、事業再構築補助金成長枠について概要を紹介します。
事業に使える補助金をお探しでしたら、ぜひ内容をチェックしてみてください。
思い切った事業再構築を考える中小企業をサポートしてくれるのが、事業再構築補助金です。
公募要領では、事業の目的について次のように説明しています。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待し難い中、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的とします。
引用:事業再構築補助金【サプライチェーン強靱化枠を除く】公募要領(第10回)
事業再構築補助金で第10回から新設されたのが「成長枠」です。成長枠では最大7,000円までの支援が受けられます。これまでとは違い、成長枠では「売上減少要件」が撤廃されました。
今まで、業績好調で事業再構築補助金に申し込めなかった企業も多いでしょう。売上減少要件が撤廃されたため、第10回成長枠なら業績がよい企業でも申し込みができるようになっています。
そこで対象となる事業者なら、ぜひ活用を検討してみましょう。
必須要件や補助率、金額などについてそれぞれ紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
事業再構築補助金成長枠には、成長枠のほかに「グリーン成長枠・卒業促進枠・最低賃金枠・産業構造転換枠」などがあります。
全枠での必須要件として求められるのは次の2つです。
Aでは、認定経営革新等支援機関の確認を受けるのも必須要件の1つです。なお補助金額が3,000万円を超える場合は、金融機関からの確認も必要です。
Bでは付加価値額について年率平均の増加が求められます。
申請枠ごとにパーセンテージは違いますので、申請前に確認を行いましょう。
さらに成長枠では、次の事業者を対象として定めています。
必須要件(Bについては、付加価値額の年率平均4.0%以上増加を求める。)に加え、以下の要件をいずれも満たすこと
①取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態(※)に属していること
②事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること
※対象となる業種・業態は、事務局で指定します。
また、指定された業種・業態以外であっても、応募時に要件を満たす業種・業態である旨データを提出し、認められた場合には、対象となり得ます。(過去の公募回で認められた業種・業態については、その後の公募回では指定業種として公表します。)
(引用:事業再構築補助金)
通常枠と比べて、特に大きな違いとなるのが「市場規模要件」です。今までとは違い、申請できる業種・業者が限定されています。
「市場規模が10%以上拡大する業種・業態」は、事業再構築補助金事務局側によって指定されている業種・業態のみです。とはいえ、業種・業態は多岐にわたるため、該当する可能性は高いでしょう。
工業統計調査・企業活動基本調査をもとに要件を満たすとされる業種 |
・畜産食料品製造業 ・調味料製造業 ・紙製容器製造業 ・金属素形材製品製造業 ・生活関連産業用機械製造業 など |
業界団体等が要件を満たすと示した業種・業態 |
宇宙機器産業 宇宙利用サービス産業 アート産業 など |
くわしくは「成長枠の対象となる業種・業態の一覧」からチェックしてみましょう。
事業再構築補助金成長枠の補助上限額は以下の通りです。
従業員数 | 補助上限額 |
20人以下 | 2,000万円 |
21~50人 | 4,000万円 |
51~100人 | 5,000万円 |
101人以上 | 7000万円 |
また補助率は以下のようになっています。
【中小企業】 1/2 (大規模な賃上げを行う場合 2/3) 【中堅企業】 1/3 (大規模な賃上げを行う場合 1/2) ※事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成すること。 |
従業員数が51人以上の企業については、通常枠より補助額が下がっています。また補助率も大幅に下がったのが特徴です。
変更前の補助率は、中小企業で2/3、中堅企業で1/2でした。そのため以前よりも若干条件が悪いといえます。
なお成長枠は、卒業促進枠・大規模賃金引上促進枠への同時応募が可能です。補助金が上乗せされますので、要件を満たすなら同時応募も検討してみましょう。
申請にあたって、内容がわかりづらいと感じている人も多いでしょう。そんなときはZoomを使ったオンライン説明会への参加も検討してみてください。
事業再構築補助金では2つの説明会が開催されます。
申請者向けのオンライン説明会は1時間程度で、参加は任意です。概要だけでなく、まちがいやすいポイント・よくある不備事例・不正受給に関する注意喚起などの説明が行われます。参加によって、不明点がクリアになるかもしれません。費用は無料ですので、応募申請を検討しているのなら参加してみましょう。
なお補助金交付候補者向け説明会については、参加が必須となります。補助金交付候補者になったら、忘れずに説明会に参加してください。
中小企業の製造業なら、「ものづくり補助金」への申請を考えている企業も多いでしょう。
内容が違う別の事業であれば、国から異なる補助金を受けることができます。しかし同一事業で国の補助金を複数受け取ることはできません。
同じ事業で別の補助金に申請しないよう注意してください。
該当する業種・業態なら、事業再構築補助金の活用を検討してみるのもよいでしょう。
しかし補助金申請にあたっては、さまざまな要件を満たす必要があります。公募要領も非常にボリュームが多いので、通常業務の傍らでチェックするのは大変です。
そう考えているのなら、補助金申請の支援を行っている専門家に相談してみてください。相談するのなら、製造業に特化した補助金支援の専門家を選ぶのがおすすめです。
専門家に相談すると、最新の情報をもとにサポートしてくれます。また取得のサポートだけでなく、有効活用するためのアドバイスを受けることも可能です。
プロのアドバイスによって、理想の経営が実現できる可能性があります。
補助金を活用した経営に興味があるのでしたら、ぜひ相談してみてくださいね。
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