~様々な活用事例をご紹介します~
そもそも「ものづくり補助金」とは?
ものづくり補助金の正式名称は、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」になります。
一般的には「もの補助」と略して呼ばれることが多いため、製造業などのみが利用できる補助金であるとの誤解も少なくありません。しかし実際はそうではなく、ものづくり補助金は、サービス業などであっても広く利用することができます制度です。
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者等が取り組む革新的サービスの開発や試作品開発、生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する補助金になります。事業再構築補助金と比較すると、採択率が高く、生産性向上や新たなサービス開発などを行う際には、ぜひ利用を検討すると良い補助金です。
①ものづくり補助金の採択事例
ものづくり補助金は、公式ホームページにて採択結果や事例が発表されています。公表されている内容の大半が事業計画名のみですが、それでも事業の内容が推測できるものも多いため、自社の今後の展開を検討するうえで参考にできると思われます。
ここでは、ものづくり補助金第9次の採択結果から抜粋して紹介します。
●メタバース空間でのライブハウス構築による空間的制限のない音楽体験の創造事業
●革新的な包括デジタル遺言サービス(エターナルサポート)
●立体駐車場を活用した軽車両型収納コンテナユニットの開発
●スマートフォンによる微細ドットコード読み取りアプリケーションの開発
●デジタル化による製本の自動化と新規受注の獲得
●農業用ドローン講習事業への新規参入による売上拡大及び地域貢献
●読み間違いを防止する水や破れに強い対候性建築図面の開発
●廃液処理の内製化によりCO2排出量削減と企業SDGsへの挑戦
●オリジナル似顔絵付きケーキの生産性向上と全国への販路拡大
●特殊車両の整備から修理・車検までのワンストップサービス確立
●高性能レトルト殺菌機導入による生産性向上、高品質商品製造事業
●冷凍施設導入によるクリスピーバウムクーヘンの増産と新商品開発
●移動式ペット火葬設備導入による新サービスの開発及び事業拡大
●小型家電リサイクル工程における省人化処理ラインの新設
●ICTバックホウ導入による無電柱化工事対応と作業環境改善
●高品質冷凍技術導入による販路の拡張と内製化の促進
●アクリル水槽のリサイクル事業に進出!端材まで活かす生産体制構築
●AI議事録自動作成機能を導入した会議標準化システムの開発
第9次のものづくり補助金では、上記のような採択事例がありました。事業計画名を参照するだけで、ものづくり補助金の趣旨に沿った、革新的サービスの開発などが多く採択されている実績が予想できます。
②採択活用事例集
上記の①ものづくり補助金の採択事例では、様々な業種の事業計画名をピックアップし、紹介しました。次は1つの事例ごとにピックアップして、もう少し詳細に採択事例を紹介していきます。
●採択事例①
●採択事例②
●採択事例③
上記いずれの事例においても『生産性向上』を図る取り組みとして、デジタル化や設備投資を行い、革新的サービス提供を行う点が特徴となります。
③補足:不採択事例の特徴
①と②の項目では、採択事例について取り上げてきました。
次は逆に不採択になってしまう可能性がある事例の特徴について、ご説明します。
主に5つの特徴があります。
要件を満たしていない
まずは要件を満たす必要があり、必ず「公募要領」を一読することがスタートラインとなります。いくら完成度の高い事業計画書になっていても、「要件」を満たしていないと申請できません。
例えば、事前に購入した設備投資に関する例です。一部の補助金制度では、過去に投資したものも対象になることがあります。しかし、原則的には「補助事業実施期間内」に発注した設備等が対象となり、それ以外は「補助対象外経費」となります。
「審査項目」に沿った事業計画書になっていない
「公募要領」には、「審査項目が事前に公開」されており、審査員が「審査員が申請書に該当するか否か、採点する」というように、予め採択されるためのヒントが与えています。
故に、「審査項目」に沿った内容を記載していない事業計画書では、不採択の可能性が高くなります。
財務状況に合わない過剰投資や不適切投資
現在の事業規模や財務状況から判断して明らかに高額である場合や債務超過であったり、3期連続で赤字が計上されていたり、設備投資に伴う借入れでキャッシュフローが悪化する場合などは、「過剰投資」と判断され、適切な投資計画ではないと判断される可能性があります。
競合優位性・付加価値が生じていない
「老朽化した既存設備の入れ替え」などの場合、単純に設備の入れ替えを行うだけで、付加価値が生じず、不採択になる事例の1つです。
中小企業ごとに自社が有する「強み」を活かして、創意工夫を行い競合優位性を発揮する事業計画が必要となります。
実現可能性が低い
そもそも新規事業計画自体が壮大かつ理想的であり、現実とかけ離れた実現可能性が低いと思われる計画は、不採択となる可能性が高いです。
また実現可能性は高い場合でも、投資対効果が弱い場合は、やはり不採択の可能性が高くなってきます。
まとめ
今回はものづくり補助金の採択事例集について、ご紹介しました。
数ある採択事例のほんの一部しか取り上げておりませんが、是非ものづくり補助金を活用して様々な新事業や設備投資への取り組む際の参考となればと思います。
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