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事業再構築補助金、12回公募がスタート。11回との7つの違いを解説!

これまでに11回の公募が行われ、約10万社の企業が事業再構築補助金を活用してきました。

令和6年4月末から12回公募が開始され、枠の変更や審査の厳格化などいくつか変更点があります。

そこで今回は12回公募の事業再構築補助金について、11回公募の違いを中心に解説していきます。



目次

事業再構築補助金の概要

12回公募の全体像

11回公募との比較
・申請枠が6から3へ削減・簡素化
・コロナ債務を抱える事業者に加点措置が追加
・事前着手申請が廃止
・審査にAIが導入された
・事業化報告が四半期毎に提出
・資金調達時に金融機関からの確認書の提出が要求
・加点項目未達時にはペナルティが適用

まとめ



事業再構築補助金の概要

事業再構築補助金公式ホームページより

事業再構築補助金は、ポストコロナ・ウィズコロナの時代に対応するため、中小企業等が新たな事業を行う場合に必要となる資金を支援する補助金です。

具体的には、新市場進出、事業転換、事業再編、国内回帰、地域サプライチェーン強化等の取り組みを支援するためのものとなっております。



12回公募の全体像

事業再構築補助金公式ホームページより

補助対象者、補助上限、補助率、補助経費等は従業員数や申請枠によって異なるため、詳細は公募要領をご参照ください。

・公募開始:令和6年4月23日(火)
・応募締切:令和6年7月26日(金) 18時
・採択発表:令和6年10月下旬~11月上旬頃(予定)
・採択予定数:8,800件(経済産業省4/22公表情報より)

12次公募に採択された場合、採択発表から補助金が入金されるまでには1年半くらいはかかるのが一般的です。

そのため、採択発表が10月下旬から11月上旬だとすると、入金は令和8年以降になります。



11回公募との比較

ここからは、11回公募と比べて何が変わったのか。以下の7つについて解説します。

①申請枠が6から3へ削減・簡素化
②コロナ債務を抱える事業者に加点措置が追加
③事前着手申請が廃止
④審査にAIが導入
⑤事業化報告が四半期毎に提出
⑥資金調達時に金融機関からの確認書の提出が要求
⑦加点項目未達時にはペナルティが適用

①申請枠が6から3へ削減・簡素化

これまで6つの申請枠がありましたが、12回公募から「成長分野進出枠」「コロナ回復加速化枠」「サプライチェーン強靱化枠」の3つに簡素化されました。

・成長分野進出枠::ポストコロナに対応した事業再構築にチャレンジする中小企業等を支援する枠組

・コロナ回復加速化枠:今なお新型コロナの影響を受ける中小企業等を支援する枠組

・サプライチェーン強靭化枠:国内サプライチェーンの強化並びに地域産業の活性化に取り組む製造業者を支援する枠組

12回公募では、コロナの影響を受けている事業者への支援と、ポストコロナに対応した事業再構築を行う事業者への支援が重点化されています。


②コロナ債務を抱える事業者に加点措置が追加

コロナ禍の影響を受けてコロナ借換保証等で債務を借り換えている事業者であるかを判断する要件として、新たに「コロナ借換要件」が追加されました。
これにより、コロナで抱えた民間ゼロゼロ融資等からの借り換えがあれば、全ての申請枠において審査で有利になり、採択を受けやすくなります。
一方で、従来の物価高騰対策や売上減少要件などは廃止となりました。
つまり、今回の公募では、コロナの影響で債務を抱えた事業者への支援が重視される一方、物価高騰や売上減少への対応は対象外となりました。


③事前着手申請が廃止

11回公募までの事業再構築補助金では、特定の枠において、補助金の交付決定前から事業に着手することができる「事前着手」が認められていました。

しかし、12回公募からはこの事前着手制度が原則として廃止されます。

つまり、補助金の交付決定後に発注されたプロジェクトのみが補助対象となり、迅速な事業実施が困難になります。

ただし、例外的な経過措置として、11回公募の物価高騰対策枠や最低賃金枠で不採択だった事業者が、今回のコロナ回復加速化枠に申請する場合は、事前着手申請が可能とされています。


④審査にAIが導入

事業再構築補助金の審査プロセスにおいて、AIを活用した審査が行われます。

主な目的は、提出される事業計画書の重複や使い回しを防止し、各事業計画の独自性と品質を確保することです。

さらに、過去の公募で特定の事業分野(サウナやゴルフなど)に申請が集中した問題を受け、AIを用いて一定期間に同分野への申請が集中した場合に検知し、その分野の審査をより厳格に行う新たな仕組みが導入されます。


⑤事業化報告が四半期毎に提出

従来は補助事業実施してから5年間、進捗状況の報告を年1回行う必要がありました。

しかし、12回公募からはこの報告を四半期ごとに行うことが義務化されました

この変更は、採択された事業がきちんと行われているかどうかを確認するためだと考えられています。


⑥調達時に金融機関からの確認書の提出を要求

これまでは3,000万円以上の借入れが発生する場合に限り、金融機関による「確認書」の提出が必須でした。

しかし今回から、借入金額に関わらず、金融機関から資金調達する際は全て「確認書」の提出が求められます。

一方、自己資金を活用する場合は、「認定経営革新等支援機関による確認書」の提出が必要となります。


⑦加点項目未達時にペナルティが適用

事業再構築補助金では、EBPMの取り組みへの協力、パートナーシップ構築宣言など、採択率を高めるさまざまな加点項目があります。

しかし、12回公募では加点項目を申請したものの、達成できなかった場合、ペナルティが科されます。

具体的には、四半期毎に行う事業化状況報告で確認が行われ、もし未達だった場合は、そこから18か月間、中小企業庁所管の他の補助金に申請した時に、大幅な減点措置が取られてしまいます。

したがって、加点項目を申請する際は、確実に達成できる計画を立て、実行し、報告できるよう万全を期す必要があります。



まとめ

今回は事業再構築補助金12回公募について、11回との違いをもとに解説しました。

今回の変更によって、テンプレ的な事業計画書が採択されにくくなったり、今まで以上に手続きが増えるネガティブな面もあれば、一方でコロナの影響で債務を抱えた事業者にはポジティブな面もあります。

事業再構築補助金は制度内容が頻繁に変更され、他の補助金と比較しても複雑な部分が多いですが、補助上限も高く、新事業にチャレンジする中小企業にとって魅力的な制度です。

弊社は補助金申請のサポートを行っているため、お気軽にご相談ください



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