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毎月の資金繰りが厳しい方は必見。返済条件の変更や追加融資を可能とする「経営改善計画策定支援事業」とは?

製造業では現在、ゼロゼロ融資の返済が本格化するなど、毎月の資金繰りに頭を悩ませているところも多いのではないでしょうか。

返済条件を変更させたい、新たに資金調達したい。そんな時に活用できる制度があります。

それが「経営改善計画策定支援事業」という制度で、「経営改善計画」を策定することにより、返済条件の変更や新規・追加融資が行えるようになるというものです。

今回はこの「経営改善計画策定支援事業」について解説していきます。

経営改善計画支援事業とは?

まず、「経営改善計画支援事業」で策定する「経営改善計画」とは何か。借入金の返済などで、金融機関との交渉の際に提出が必要となる計画書のことをさします。

経営改善計画に必要な要素としては、なぜ今の状況に陥ったのかという「企業の現況と窮境原因」、今後どのような方針で状況を改善していくのかという「改善策と改善計画」、具体的な数値を載せる「数値計画」になります。

これらを載せた経営改善計画を策定して金融機関に提出することで、返済条件の変更や追加融資の交渉が行えるようになります。(実際に金融支援が受けられるかどうかは、金融機関の判断になります)

「経営改善計画策定支援事業」という制度は、経営革新等支援機関の支援を受けて経営改善計画を策定し、策定後の3年間は経営革新等支援機関のアドバイス(モニタリング)を受けながら経営改善に取り組むと、この計画策定とモニタリングにかかる費用のうち、2/3(最大200万円)を国が負担してくれるというものです。

経営改善計画の策定の際は、この「経営改善計画策定支援事業」を活用してみてはいかがでしょうか。

経営改善計画策定支援事業の対象となる事業者

この「経営改善計画策定支援事業」の対象者ですが、以下の3つになります。

・借入金の返済負担等により財務上の問題を抱えていること
・自社のみで経営改善計画等の策定が難しいこと
・金融機関からの支援が見込まれること

大前提として、金融機関から融資を受けていて、現在返済を行っている必要があります。

実際に「経営改善計画策定支援事業」で策定する「経営改善計画」は、金融機関に対して、借入金の返済条件の変更や元本返済の棚上げ、資金調達といった金融支援を受けるためのものになります。

もし、金融支援が不要という場合は「経営改善計画策定支援事業」ではなく、別の「早期経営改善計画策定支援事業」を活用してください。

そして「経営改善計画策定支援事業」ですが、個人事業主や中小企業が対象で、以下の団体は対象外となります。

学校法人、社会福祉法人、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人、農事組合法人、農業協同組合、生活協同組合、有限責任事業組合、特定非営利活動法人

経営改善計画策定支援事業を活用するメリット

「経営改善計画策定支援事業」を活用すると、以下のメリットが得られるようになります。

経営革新等支援機関から経営改善のアドバイスが受けられる

経営革新等支援機関は、経営に関する知識を持った専門家です。また、自社では気が付かない問題や課題を、第3者視点から発見することが可能です。これにより、自社では気が付かない点や経営改善のアドバイスを受けられて、精度の高い経営改善計画が作れるようになります。

金融支援の交渉がスムーズにすすむ

「経営改善計画策定支援事業」を活用する場合、金融機関とは必ず交渉を行うことになります。そこで経営革新等支援機関の支援を受けて策定した、精度の高い計画書を提出すれば、何度も計画のつくり直しをすることなく、金融支援の交渉をスムーズにすすめることができます。

資金繰りが安定して、本業に集中できる

金融支援が受けられることが決定したら、当面の間は資金繰りの心配がなくなります。その結果、本業に集中できるようになるので、改善に向けた動きを加速させることができるでしょう。さらに計画策定後は3年間、経営革新等支援機関によるモニタリングを受けることになるので、定期的に外部チェックを受けながら、経営改善に取り組むことができます。

経営改善計画策定支援事業の流れ

それでは、実際に「経営改善計画策定支援事業」を活用するにはどうしたら良いのか。申請から支払決定までの流れをお伝えします。

経営革新等支援機関に依頼する

「経営改善計画策定支援事業」には、経営革新等支援機関の協力が不可欠です。まずは経営革新等支援機関を探しましょう。

経営革新等支援機関は、以下の方法で探してみてください。

・顧問税理士が経営革新等支援機関であるかどうかを確認する
・メインの金融機関に相談して、経営革新等支援機関を紹介してもらう
・中小企業庁の認定経営革新等支援機関検索システムから探す

なお、融資を受けている金融機関が経営革新等支援機関の場合、そこに依頼することはできないので注意しましょう。

もし、中小企業庁の認定経営革新等支援機関検索システムから探す場合は、都道府県はもちろんのこと、相談可能内容や支援可能業種、支援実績から選択して探すこともできます。

自社の所在地や業種に合った経営革新等支援機関を選び、「経営改善計画策定支援をお願いしたい」と依頼しましょう。

経営改善計画策定支援事業の利用申請を行う

経営革新等支援機関が決定したら、経営改善支援センター宛に「経営改善支援センター事業利用申請書」などの書類を、経営革新等支援機関との連名で提出します。

また、この時点で金融支援を受けたい金融機関も連名で利用申請を行う必要がありますが、もし連名が難しい場合は金融機関から「経営改善計画策定支援について協力することの確認書面」を受け取り、添付する必要があります。

経営改善支援センターで審査を行い、申請が適切だと判断されると、経営革新等支援機関宛に費用補助決定の通知が届くので、届いたタイミングで経営改善計画の策定に入ります。

経営改善計画の策定・合意形成

経営革新等支援機関の支援を受けて、経営改善計画を策定します。

その後は策定した計画について、金融支援を受けたい金融機関から「金融支援についての同意」を得ます。

もし、複数の金融機関から金融支援を受けたい場合は、すべての金融機関から「金融支援についての同意」を得る必要があり、状況に応じて、バンクミーティング等を実施します。

経営改善計画策定に対する費用の申請・支払い

すべての金融機関から「金融支援についての同意」が得られたら、経営改善計画と費用申請書を作成し、経営革新等支援機関と連名で経営改善支援センターに提出します。

経営改善支援センターのほうで内容を確認し、申請が適切だと判断された場合は、経営革新等支援機関に通知が来て、その後経営改善センターから経営革新等支援機関に対して、経営改善計画策定支援に係る費用が支払われます。

モニタリングの実施と申請書の提出

経営改善計画にもとづき、計画から3年間は、経営革新等支援機関によるモニタリングが行われます。計画と実績が乖離している場合は、経営革新等支援機関からアドバイスを受けて、改善に取り組んでいきます。

モニタリングが終了したら、経営革新等支援機関は「モニタリング報告書」と「費用申請書類」を作成して、経営改善支援センターに提出します。

経営改善支援センターのほうで内容を確認し、申請が適切だと判断された場合は、経営革新等支援機関に通知が来て、モニタリング支援に係る費用が支払われます。ただし、経営改善計画策定支援に係る費用で定められた上限金額に達した場合は、モニタリング支援に係る費用は支払われませんので注意が必要です。

まとめ

ゼロゼロ融資の返済が本格化して、毎月の返済で資金繰りが苦しいところが多いのではないかと思います。

「経営改善計画策定支援事業」はそのような時に活用することで、返済条件の緩和や追加融資といった金融支援を受けられるようになり、当面の資金繰りがだいぶ楽になるはずです。

また、経営革新等支援機関という外部の視点を入れて、二人三脚で経営改善に取り組むため、会社の立て直し、生き残りが実現できるようになるでしょう。

当社は経営革新等支援機関です。もし「経営改善計画策定支援事業」に取り組んでみたいという場合はお気軽にご相談ください。


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