「製造業が設備投資をするときの補助金」と聞くと、ものづくり補助金を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし実際には、ものづくり補助金以外にも、多くの補助金や助成金があります。
そこで本記事では、製造業が設備投資に活用できる代表的な補助金を4つピックアップし、概要をまとめました。
どのような補助金があるのか、ぜひ参考にしてみてください。
国や自治体は、企業に対する補助金を数多く設けています。検討している設備投資の内容によっては、国による補助金が活用できるかもしれません。
製造業の設備投資に使えるおすすめの補助金が、次の4つです。
内容はそれぞれ違うものの、いずれも申請要件があり、採択されるには審査の通過が必要です。4つの補助金について概要を紹介しますので、どのようなものか見ていきましょう。
事業再構築補助金は、「ポストコロナ・ウィズコロナ時代」の思い切った業務再構築を支援するための補助金です。
本事業は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待し難い中、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的とします。
引用:事業再構築補助金【サプライチェーン強靱化枠を除く】公募要領(第10回)
事業再構築補助金には、全部で8つの申請枠があります。
グリーン成長枠の場合は、最大で1.5億円の補助金を受けることも可能です。なお、サプライチェーン強靭化枠のみ、ほかの枠とは公募要領が違っています。申請にあたっては、該当する枠の公募要領を確認してください。
(参考)事業再構築補助金
(参考)事業再構築補助金【サプライチェーン強靱化枠】公募要領(第10回)
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓等の取り組みにかかる経費の一部に対する補助金です。
小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更等に対応するために取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とします。本補助金事業は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、販路開拓等の取組や、その取組と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。
引用:小規模事業者持続化補助金<一般型>第 13 回公募 公募要領
ただし小規模事業者持続化補助金の補助上限額は比較的少なめです。
通常枠 | 50万円 |
賃金引上げ枠・卒業枠・後援者支援枠・創業枠 | 200万円 |
製造業の場合、小規模事業者に該当するのは「常時使用する従業員が20人以下」の企業です。小規模事業者持続化補助金の申請は、商工会議所の支援を受けながら取り組む必要があります。
自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助するのが、IT導入補助金です。
製造業の場合は、資本金3億円以下で常勤従業員300人以下がIT導入補助金の対象となります。
IT導入補助金で設けられている枠は次の3つです。
通常枠 | A類型5~150万円未満、B類型150~450万円以下 |
セキュリティ対策推進枠 | 5~100万円以下 |
デジタル化基盤導入枠 | 下限なし350万円 |
IT導入補助金は、申請する枠によって、受けられる補助金額が大きく違ってきます。
なおIT導入補助金での補助が受けられるのは、あらかじめIT導入支援事業者が事務局に登録したツールのみです。ホームページ制作やリースなどは補助金の対象になりません。IT関連なら何でも対象になるというわけではありませんので注意しましょう。
なお2023年前期と、2023年後期では担当となる事務局が違っています。2023年後期以降の申請予定がある場合は、新しいページを参照してください。
(参考)トップページ | IT導入補助金2023 ※前期
(参考)トップページ | IT導入補助金2023 ※後期
事業承継を契機に新しい取り組みを行う中小企業を支援するのが、事業承継・引継ぎ補助金です。公式サイトでは、事業目的について次のように紹介しています。
事業承継・引継ぎ補助金は、事業再編、事業統合を含む事業承継を契機として経営革新等を行う中小企業・小規模事業者に対して、その取組に要する経費の一部を補助するとともに、事業再編、事業統合に伴う経営資源の引継ぎに要する経費の一部を補助する事業を行うことにより、事業承継、事業再編・事業統合を促進し、我が国経済の活性化を図ることを目的とする補助金です。
引用:事業承継・引継ぎ補助金
事業承継を機に、事業の再編や事業統合などを検討している中小企業も多いでしょう。そんなときに使えるのが、事業承継・引継ぎ補助金です。
賃上げの有無にもよりますが、経営革新事業で最大800万円までの補助金が受けられます。
経営革新事業 | 最大800万円 |
専門家活用事業 | 50~600万円以内 |
廃業・再チャレンジ事業 | 50~150万円以内 |
事業承継・引継ぎ補助金は、全体の申請件数がそれほど多くないものの、採択率は高い傾向にあります。
5次公募での採択結果は次の通りです。
事業の種類 | 申請数 | 採択数 |
経営革新事業 | 309 | 186 |
専門家活用事業 | 453 | 275 |
廃業・再チャレンジ事業 | 37 | 17 |
事業承継・引継ぎ補助金では、経営革新事業と専門家活用事業の採択率が6割以上です。
製造業でも申請できる企業は限られますが、該当するなら申請も検討してみましょう。
(参考)事業承継・引継ぎ補助金
本記事では、製造業の設備投資に使える、国の代表的な補助金を紹介しました。
生産性向上につながる設備投資を考えているのなら、補助金を活用するのがおすすめの方法です。国だけでなく、自治体による補助金・助成金もあります。そこで自社の状況に合わせて、適切な補助金・助成金を選びましょう。
しかし種類が多いからこそ、どうするべきか悩む人も多いのが補助金です。公益性が求められるため、申請したからといって誰でも受け取れるものではありません。審査を通過し採択されるには、公募要領をしっかりと読み込んだうえで書類を作成する必要があります。
そんなときは、補助金申請の支援を行う専門家に相談してみるのも方法のひとつです。専門家に依頼すると、要件を満たしているか第三者の目線で確認できます。
ぜひ専門家の支援を受けて、補助金を活用した設備投資を成功させましょう。
補助金活用可能かどうかは、以下の「診断」もご利用ください。
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