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ものづくり補助金で採択される企業の特徴を14次データから解説

ものづくり補助金で採択される企業の特徴を14次データから解説

ものづくり補助金の採択状況は、ものづくり補助金総合サイトの「データポータル」から確認できます。

サイトでは、申請にあたって役立つ情報の確認が可能です。そこでものづくり補助金への申請を検討しているのなら、データポータルを確認してみましょう。

本記事では、データポータルに公開されている情報からわかることを紹介します。採択率や加点項目についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ものづくり補助金14次締切のデータについて

ものづくり補助金14次締切のデータについて

データポータルでは、1次締切から14次締切までの状況がグラフで紹介されています。

そこでまずは、次の情報についてチェックしてみましょう。

  • ・申請件数と採択率の推移
  • ・申請者の規模
  • ・申請者の業種
  • ・申請額

それぞれについてグラフとあわせて紹介します。

申請件数と採択率の推移

申請件数の推移
(画像引用:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

13次と比較すると、14次では申請件数の増加が見られますが、採択率は低下しています。

申請件数通常枠特別枠等グローバル型総数採択率(パーセント)
13次2,2541,004613,31958.0
14次3,3211,3362074,86450.7

8次から13次までは採択率が58.0~62.1パーセントと比較的高い傾向にありました。しかし14次では採択率が50.7パーセントまでダウンしています。

半数近くの企業が審査に落ちている点を踏まえ、申請の準備を行ってください。

申請者の規模

(画像引用:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

データポータルでは、申請者の規模も公開されています。

14次に限らず、もっとも多いのが、従業員数0~5人の申請者です。ただし従業員規模0~5人の申請者は、採択率がわずか39.6パーセントにとどまっています。

データから、従業員が少ない事業者の採択率が低い理由までは把握できません。

しかし本業で忙しく、補助金申請に十分な手をかけられなかった可能性もあるでしょう。

申請者の業種

申請者の業種
(画像引用:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

11次~14次のいずれも、ものづくり補助金での申請者の業種でもっとも多いのは製造業です。

14次では、製造業の採択率は61.0パーセントと比較的高い傾向にあります。

業種建設業製造業情報通信業卸売/小売業学術研究医療・福祉サービス業その他
14次2.812.53.42.42.21.31.83.6
採択率52.461.043.933.159.640.138.936.9
(数字はいずれもパーセント)

そのほかの業種でも申請はできるものの、補助金の内容から、採択されやすいのは製造業だといえます。

そのため製造業での設備投資には、ものづくり補助金を積極的に検討してみるとよいでしょう。

申請額

申請額
(画像引用:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

データポータルでは申請額と採択率についてのデータもあります。

14次での申請額と採択率は以下のとおりです。

金額~250万円~500万円~750万円~1,000万円1,000万円~
14次1.84.410.58.05.4
採択率20.643.346.459.163.1 
(数字はいずれもパーセント)

250万以下の申請者は少なく、採択率も低い傾向にあります。特に多いのは750万円未満の申請ですが、採択率が高いのは750万円以上の申請です。

1,000万円を超える申請では、採択率が63.1にも上ります。

そのため、1,000万円を超える設備投資であっても、採択される可能性は高いといえるでしょう。

ものづくり補助金での審査項目

ものづくり補助金での審査項目

ものづくり補助金の採択を受けるには、事務局による審査の通過が必要です。すべての事業者が補助金を受け取れるわけではないため、注意しなくてはなりません。

まずは「申請要件」を満たしている必要があります。そのうえで各審査項目において採点され、点数の高い事業者から補助金が受け取れる仕組みです。

審査項目には次の4つがあります。

  • ・技術面
  • ・事業化面
  • ・政策面
  • ・加点項目

いずれも公募要領に詳細が掲載されているため、必ず確認を行ってください。

4つの項目について概要を紹介します。

審査項目1.技術面

ものづくり補助金では技術面での審査が行われます。

  • ・革新的な開発であるか
  • ・補助事業の目標に対して、達成度が明確になっているか
  • ・課題解決方法が明確で優位性が見込めるか
  • ・補助事業実施に必要な技術的能力があるか

革新的な開発であっても、技術的能力がないと点数にはつながりません。

実現の見込みが低い事業では採択が受けられないため、注意が必要です。

審査項目2.事業化面

ものづくり補助金では事業化面での審査項目も設けられています。

  • ・体制や財務状況から、補助事業が適切に遂行できるか
  • ・市場ニーズの有無が検証できているか
  • ・事業化に至る遂行方法やスケジュールが妥当であるか
  • ・費用対効果が高いか

アイデアや技術があっても、体制や財務状況が不十分だと不採択の可能性が高くなります。

また市場ニーズの有無に関する検証も必要です。

審査項目3.政策面

さらに政策面も審査項目のひとつです。

  • ・地域の経済成長を牽引する事業になるか
  • ・グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性があるか
  • ・高い生産性向上が期待できるか
  • ・国内のイノベーションを牽引しうるか
  • ・経済構造の転換や事業環境の変化に対応する投資内容か

「地域未来牽引企業」に選定されている企業は、審査において考慮されます。また「アトツギ甲子園」のファイナリスト企業も考慮の対象です。

審査項目4.加点項目

ものづくり補助金の審査では、加点項目を満たしているかの確認も行われます。

加点項目は、次の5種類です。

  • ・成長性加点
  • ・政策加点
  • ・災害等加点
  • ・賃上げ加点等
  • ・ワーク・ライフ・バランス等の推進の取り組み加点

加点項目の数は、採択率に大きく影響する要素です。

データポータルから、ものづくり補助金の加点項目の数についてもチェックしてみましょう。

加点項目の数
(画像引用:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

14次での加点項目の数と採択率は以下の通りです。

加点項目の数0個1個2個3個4個5個
14次5.27.27.46.23.11.0
採択率34.040.051.663.371.466.9
(数字はいずれもパーセント)

加点項目が0個でも採択されている申請者はあるものの、わずか34.0パーセントです。しかし加点項目を2個以上満たしている申請者の採択率は50パーセントを超えます。

そのため加点項目は可能な限り満たしたうえで申請するのがベストです。

ものづくり補助金の加点項目については次の記事でもくわしく紹介していますので、ぜひご確認ください。⇒【ものづくり補助金】採択率を高めるのに重要な加点項目の概要を解説【最大50%以上】

ものづくり補助金の採択率を高める方法

ものづくり補助金の採択率を高める方法

データポータルでは、支援者の関与も公開されています。

14次では、支援なしでの申請による採択率は35.4パーセントにとどまりました報酬の有無に関わず、支援ありでの採択率はいずれも50パーセントを超えています。

ものづくり補助金は公募要領も複雑です。

そのため申請にあたっては、公募要領の十分な読み込みが必要になります。

  • ・本業が忙しくて公募要領の読み込みが難しい
  • ・採択率を高めたい

そう考えるなら、補助金申請の支援を行う専門家に相談するのもおすすめの方法です。専門家なら、複雑な公募要領を読み解いたうえで適切なアドバイスをしてくれます。

申請を考えているのであれば、ぜひ補助金申請の支援を行う専門家に相談してみましょう。


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