ものづくり補助金の採択状況は、ものづくり補助金総合サイトの「データポータル」から確認できます。
サイトでは、申請にあたって役立つ情報の確認が可能です。そこでものづくり補助金への申請を検討しているのなら、データポータルを確認してみましょう。
本記事では、データポータルに公開されている情報からわかることを紹介します。採択率や加点項目についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
データポータルでは、1次締切から14次締切までの状況がグラフで紹介されています。
そこでまずは、次の情報についてチェックしてみましょう。
それぞれについてグラフとあわせて紹介します。
13次と比較すると、14次では申請件数の増加が見られますが、採択率は低下しています。
申請件数 | 通常枠 | 特別枠等 | グローバル型 | 総数 | 採択率(パーセント) |
13次 | 2,254 | 1,004 | 61 | 3,319 | 58.0 |
14次 | 3,321 | 1,336 | 207 | 4,864 | 50.7 |
8次から13次までは採択率が58.0~62.1パーセントと比較的高い傾向にありました。しかし14次では採択率が50.7パーセントまでダウンしています。
半数近くの企業が審査に落ちている点を踏まえ、申請の準備を行ってください。
データポータルでは、申請者の規模も公開されています。
14次に限らず、もっとも多いのが、従業員数0~5人の申請者です。ただし従業員規模0~5人の申請者は、採択率がわずか39.6パーセントにとどまっています。
データから、従業員が少ない事業者の採択率が低い理由までは把握できません。
しかし本業で忙しく、補助金申請に十分な手をかけられなかった可能性もあるでしょう。
11次~14次のいずれも、ものづくり補助金での申請者の業種でもっとも多いのは製造業です。
14次では、製造業の採択率は61.0パーセントと比較的高い傾向にあります。
業種 | 建設業 | 製造業 | 情報通信業 | 卸売/小売業 | 学術研究 | 医療・福祉 | サービス業 | その他 |
14次 | 2.8 | 12.5 | 3.4 | 2.4 | 2.2 | 1.3 | 1.8 | 3.6 |
採択率 | 52.4 | 61.0 | 43.9 | 33.1 | 59.6 | 40.1 | 38.9 | 36.9 |
そのほかの業種でも申請はできるものの、補助金の内容から、採択されやすいのは製造業だといえます。
そのため製造業での設備投資には、ものづくり補助金を積極的に検討してみるとよいでしょう。
データポータルでは申請額と採択率についてのデータもあります。
14次での申請額と採択率は以下のとおりです。
金額 | ~250万円 | ~500万円 | ~750万円 | ~1,000万円 | 1,000万円~ |
14次 | 1.8 | 4.4 | 10.5 | 8.0 | 5.4 |
採択率 | 20.6 | 43.3 | 46.4 | 59.1 | 63.1 |
250万以下の申請者は少なく、採択率も低い傾向にあります。特に多いのは750万円未満の申請ですが、採択率が高いのは750万円以上の申請です。
1,000万円を超える申請では、採択率が63.1にも上ります。
そのため、1,000万円を超える設備投資であっても、採択される可能性は高いといえるでしょう。
ものづくり補助金の採択を受けるには、事務局による審査の通過が必要です。すべての事業者が補助金を受け取れるわけではないため、注意しなくてはなりません。
まずは「申請要件」を満たしている必要があります。そのうえで各審査項目において採点され、点数の高い事業者から補助金が受け取れる仕組みです。
審査項目には次の4つがあります。
いずれも公募要領に詳細が掲載されているため、必ず確認を行ってください。
4つの項目について概要を紹介します。
ものづくり補助金では技術面での審査が行われます。
革新的な開発であっても、技術的能力がないと点数にはつながりません。
実現の見込みが低い事業では採択が受けられないため、注意が必要です。
ものづくり補助金では事業化面での審査項目も設けられています。
アイデアや技術があっても、体制や財務状況が不十分だと不採択の可能性が高くなります。
また市場ニーズの有無に関する検証も必要です。
さらに政策面も審査項目のひとつです。
「地域未来牽引企業」に選定されている企業は、審査において考慮されます。また「アトツギ甲子園」のファイナリスト企業も考慮の対象です。
ものづくり補助金の審査では、加点項目を満たしているかの確認も行われます。
加点項目は、次の5種類です。
加点項目の数は、採択率に大きく影響する要素です。
データポータルから、ものづくり補助金の加点項目の数についてもチェックしてみましょう。
14次での加点項目の数と採択率は以下の通りです。
加点項目の数 | 0個 | 1個 | 2個 | 3個 | 4個 | 5個 |
14次 | 5.2 | 7.2 | 7.4 | 6.2 | 3.1 | 1.0 |
採択率 | 34.0 | 40.0 | 51.6 | 63.3 | 71.4 | 66.9 |
加点項目が0個でも採択されている申請者はあるものの、わずか34.0パーセントです。しかし加点項目を2個以上満たしている申請者の採択率は50パーセントを超えます。
そのため加点項目は可能な限り満たしたうえで申請するのがベストです。
ものづくり補助金の加点項目については次の記事でもくわしく紹介していますので、ぜひご確認ください。⇒【ものづくり補助金】採択率を高めるのに重要な加点項目の概要を解説【最大50%以上】
データポータルでは、支援者の関与も公開されています。
14次では、支援なしでの申請による採択率は35.4パーセントにとどまりました。報酬の有無に関わず、支援ありでの採択率はいずれも50パーセントを超えています。
ものづくり補助金は公募要領も複雑です。
そのため申請にあたっては、公募要領の十分な読み込みが必要になります。
そう考えるなら、補助金申請の支援を行う専門家に相談するのもおすすめの方法です。専門家なら、複雑な公募要領を読み解いたうえで適切なアドバイスをしてくれます。
申請を考えているのであれば、ぜひ補助金申請の支援を行う専門家に相談してみましょう。
© new beginnings japan All rights reserved.
TOPに戻る